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93話 月ヶ瀬村へ出発

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 朝、九郎を起こしにあやめが部屋に入る。九郎はまだ寝ている。玉枝が彼に抱き着いて寝ている。あやめは分かっているがイラッとする。
 彼女は九郎の横に横たわる。そして、彼女は九郎に言う。
 「おはよう、九郎。」「うっ、う~ん。」「九郎、朝よ。」
九郎が目を覚ます。するとあやめが目の前にいる。
 「あれ、あやめ。」「はい。朝ですよ。」
 「おはよう、あやめ。一緒に寝ていたっけ。」「違うわ。九郎は誰と寝ているの。」
九郎は玉枝が抱き着いていることに気づく。
 「これは、その、添い寝だよ。」「抱き合っていたんじゃないの。」
 「そんなことしていないよ。」「本当?」
 「誓って、していません。」「ならいいのよ。朝食の用意が出来ているわ。」
あやめは起き上がると部屋を出ていく。
 「あやめちゃん、妬いているわね。」「玉枝さん起きていたの。」
 「もう少しこうしていたいわ。」「離してください。」
玉枝は胸を九郎の背中に押し付ける。九郎は慣れているが、強烈なお色気攻撃である。九郎は精神統一して起き上がる。
 「九郎ちゃん、体は喜んでいるわよ。」「これは生理現象です。」
九郎は赤くなりながら服を着る。玉枝も起き上がり、ネグリジェ姿から巫女姿になる。
 九郎たちが居間に行くと一久たちが待っている。
 「おはよう、九郎君、玉枝さん。」「おはようございます。」
テーブルには朝食が並べられている。ご飯とみそ汁とアジの干物である。
 みんな、朝食を食べ始める。一久が玉枝に言う。
 「玉枝さんはもう巫女衣装にしているのですか。」「九郎ちゃんがエッチな目で見るから気に入っているんです。」
 「九郎君も男だね。」「僕はエッチな目で見ていませんよ。」
あやめが九郎を白い目で見る。九郎はあやめの機嫌を取る必要があると思う。朝食を終えると九郎はあやめの部屋に行く。
 「九郎、どうしたの。」「ごめん、あやめに嫌な思いをさせてしまって。」
 「私は何とも思っていないわ。」「好きなのはあやめだけだから。」
 「うん。」「好きだよ。」
2人はキスをする。一久が九郎と玉枝を呼ぶ。
 「そろそろ出かけるよ。」「はい。」
あやめが心配そうに九郎に言う。
 「気を付けてね。」「うん、気を付けるよ。」
九郎と玉枝は一久の待つ玄関へ行く。今回は一久の運転で月ヶ瀬村へ向かう。
 3人は車に乗り込み出発する。あやめとかえでが見送る。
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