同棲しているけど彼女じゃない~怨霊は恋のキューピット

ぽとりひょん

文字の大きさ
上 下
79 / 175

79話 話が進んで行く

しおりを挟む
 九郎とあやめが夏祭りがら変えると九郎の両親が遅めの夕食を用意している。典子があやめに聞く。
 「祭りは楽しめましたか。」「はい、花火、きれいでした。」
泉水鏡のことは話さない。余計な心配はかけたくないのだ。
 4人は晩酌しながら夕食を食べる。義郎が言う。
 「九郎がこちらに来る時には、ぜひ一緒に来てください。」「はい、ありがとうございます。」
あやねは九郎の両親に彼女と認められ、気に入ってもらえたため、訪問の目的を果たすことが出来た。
 翌朝、両親は車で九郎とあやめを駅まで送る。両親は改札で2人を手を振って見送る。九郎があやめに言う。
 「両親が、恥ずかしいことしてごめんね。」「大げさだけど、うれしいわ。」
 「そう言ってくれると助かるよ。」「私、来てよかったわ。」
2人は列車を乗り継いで帰って行く。バスを降りると玉枝が気配を大きくしてあやめにも見えるようになる。玉枝は2人に言う。
 「九郎ちゃんとあやめちゃん、いつでも結婚できるわね。」「け、結婚て、まだ早いよ。」「私たちまだ学生です。」
 「でも、2人の両親に気に入られているから大丈夫よ。」「玉枝さん、一久さんに結婚のこと言わないでくださいよ。」「そうね、お父さん本気にするわ。」
 「分かったわ。結婚の話はやめとくね。」「お願いします。」
九郎たちは久沓神明社に着く。あやめが家の玄関の引き戸を開けると一久が出てくる。
 「お帰り、寂しかったよ。九郎君、お昼食べていきなさい。」「はい、ありがとうございます。」
 「玉枝さんも入って。」「お邪魔します。」
九郎たちは居間へ行く。昼食にはざるうどんが出てくる。一久があやめに言う。
 「あやめ、義郎さんが褒めていたよ。」「お父さん、連絡を取り合っているの。」
 「ああ、いろいろと聞いているよ。九郎君にお嫁さんが出来たって喜んでいたよ。」「勝手に話を勧めないで。」
 「もう、いつでも結婚出来るだろ。」「一久さん、まだ早いですよ。」「お父さん何言っているの。」
そこに玉枝が加わる。
 「私の言った通りでしょ。」「玉枝さんもそう思うか。」
 「婚約だけでもいたらいいわ。」「いい考えだね。」
あやめが怒りだす。
 「お父さんも玉枝さんもいい加減にしてください。」「私は真面目だよ。」「余計にたちが悪いです。」
九郎は花嫁姿のあやめを想像していた。そして、これはありだと考える。
 昼食を食べ終えると九郎と玉枝はアパートに帰ることにする。
 帰り際に一久が九郎に言う。
 「婚約の話考えておいてくれよ。」
九郎は返事をしなかった。彼には結婚はまだ考えられないし、あやめが怒っているからだ。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

一夏の性体験

風のように
恋愛
性に興味を持ち始めた頃に訪れた憧れの年上の女性との一夜の経験

とある高校の淫らで背徳的な日常

神谷 愛
恋愛
とある高校に在籍する少女の話。 クラスメイトに手を出し、教師に手を出し、あちこちで好き放題している彼女の日常。 後輩も先輩も、教師も彼女の前では一匹の雌に過ぎなかった。 ノクターンとかにもある お気に入りをしてくれると喜ぶ。 感想を貰ったら踊り狂って喜ぶ。 してくれたら次の投稿が早くなるかも、しれない。

〈社会人百合〉アキとハル

みなはらつかさ
恋愛
 女の子拾いました――。  ある朝起きたら、隣にネイキッドな女の子が寝ていた!?  主人公・紅(くれない)アキは、どういったことかと問いただすと、酔っ払った勢いで、彼女・葵(あおい)ハルと一夜をともにしたらしい。  しかも、ハルは失踪中の大企業令嬢で……? 絵:Novel AI

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

職場のパートのおばさん

Rollman
恋愛
職場のパートのおばさんと…

如月さんは なびかない。~片想い中のクラスで一番の美少女から、急に何故か告白された件~

八木崎(やぎさき)
恋愛
「ねぇ……私と、付き合って」  ある日、クラスで一番可愛い女子生徒である如月心奏に唐突に告白をされ、彼女と付き合う事になった同じクラスの平凡な高校生男子、立花蓮。  蓮は初めて出来た彼女の存在に浮かれる―――なんて事は無く、心奏から思いも寄らない頼み事をされて、それを受ける事になるのであった。  これは不器用で未熟な2人が成長をしていく物語である。彼ら彼女らの歩む物語を是非ともご覧ください。  一緒にいたい、でも近づきたくない―――臆病で内向的な少年と、偏屈で変わり者な少女との恋愛模様を描く、そんな青春物語です。

甘過ぎるオフィスで塩過ぎる彼と・・・

希花 紀歩
恋愛
24時間二人きりで甘~い💕お仕事!? 『膝の上に座って。』『悪いけど仕事の為だから。』 小さな翻訳会社でアシスタント兼翻訳チェッカーとして働く風永 唯仁子(かざなが ゆにこ)(26)は頼まれると断れない性格。 ある日社長から、急ぎの翻訳案件の為に翻訳者と同じ家に缶詰になり作業を進めるように命令される。気が進まないものの、この案件を無事仕上げることが出来れば憧れていた翻訳コーディネーターになれると言われ、頑張ろうと心を決める。 しかし翻訳者・若泉 透葵(わかいずみ とき)(28)は美青年で優秀な翻訳者であるが何を考えているのかわからない。 彼のベッドが置かれた部屋で二人きりで甘い恋愛シミュレーションゲームの翻訳を進めるが、透葵は翻訳の参考にする為と言って、唯仁子にあれやこれやのスキンシップをしてきて・・・!? 過去の恋愛のトラウマから仕事関係の人と恋愛関係になりたくない唯仁子と、恋愛はくだらないものだと思っている透葵だったが・・・。 *導入部分は説明部分が多く退屈かもしれませんが、この物語に必要な部分なので、こらえて読み進めて頂けると有り難いです。 <表紙イラスト> 男女:わかめサロンパス様 背景:アート宇都宮様

処理中です...