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67話 ファーストキス
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一久は、怨霊を見るのは2度目である。彼は玉枝に言う。
「私の見た怨霊は、玉枝さんと違って、憎しみに満ちた恐ろしい顔をしているが、玉枝さんは本当に怨霊なのかい。」「私は年季が違います。美しい怨霊の方が良いでしょ。」
「玉枝さんが恐ろしい力を持っているのではないかと感じているよ。」「持っていますよ。使うことはないですけど。」
「私には、玉枝さんをどうすることもできないから、あなたが今のままでいることを願うよ。」「私は九郎ちゃんを気に入っているから、このまま変わりませんわ。」
一久は、玉枝がとんでもない大物であることを感じている。九郎は玉枝に聞く。
「玉枝さんも昔は怖い顔をしていたのですか。」「私の怖い顔を見たいの。」
「いいえ、美人のままでいいです。」「私は最初から美人のままよ。」
九郎は、玉枝が今のままでよいと思う。彼女は気が遠くなるほど長い時間、怨霊をしているにちがいない。
最初は、人を憎んだりしたかもしれない。しかし、今の玉枝は人とふれあって長い時間を過ごしているのだと思う。
九郎は、玉枝が過去を語らないのなら聞く必要はないと考える。
九郎たちは無事に怨霊退治を終え、依頼者は帰って行く。一久は九郎と玉枝に言う。
「昼食を用意しているから一緒に食べて行ってくれ。」「ごちそうになります。」
3人が居間に戻ると出前の寿司が並べられている。みんなにビールが注がれる。一久が音頭をとる。
「お祓いの成功を祝って、乾杯!」「乾杯!」
あやめが九郎に聞く。
「お祓い大丈夫だったの。」「強い怨霊が憑いていたけど、玉枝さんが退治したよ。」
「玉枝さん強いんですね。」「余裕よ。私が本気を出すほどではなかったわ。」
「玉枝さんは強いよ。圧倒的だったよ。」
一久は、玉枝と悪霊の戦いを思い出しながら言う。玉枝が一久に言う。
「私の正体が気になりますか。」「あなたが名のある方でないかと思ってしまうんだ。」
「内緒です。美人には秘密があるものですよ。」「確かに美人です。」
一久は、玉枝がこのまま仲間でいてくれることを願う。
九郎と一久は、酒が回り、寝込んでしまう。かえでは昼からだらしないと嘆く。あやめもあきれて言う。
「玉枝さんと飲むと男の人はみんな酔いつぶれますね。」「美人がいるとお酒が進むのよ。」
玉枝は九郎を抱えると部屋に連れていく。あやめは玉枝が男顔負けの力を持っていることに驚く。
玉枝は、九郎を寝かせるとネグリジェ姿になって添い寝する。あやめは驚くとともに怒り出す。
「玉枝さん、昼間から何やっているんですか。」「あやめちゃんも添い寝すればいいわ。」
あやめは顔を赤くして玉枝を睨みつける。彼女はしばらく固まっていたが玉枝への対抗意識が勝ったように玉枝の反対側に添い寝をする。
九郎は目覚めると体を動かそうとするが動けない。彼はデジャヴを感じる。右側を見ると玉枝が右腕につかまり添い寝している。
玉枝の美しい寝顔が目の前にある。九郎はドキッとするが、これは怨霊、これは怨霊、これは怨霊・・・といつもの言葉を心の中で唱えて気持ちを落ち着かせる。
九郎は、左側を見るとあやめが左腕につかまり添い寝している。あやめのかわいい寝顔が目の前にある。
彼はあやめの桜色の唇に目が行く。そして、あやめにキスする千載一遇のチャンスだと思う。
しかし、眠っているうちにキスするのは卑怯な気がする。九郎はあやめの寝顔を見つめたまま動けなくなる。しばらくするとあやめが目を開け、九郎と目が合う。
九郎はごまかそうとして何か言おうとするが言葉が出ない。あやめは再び目をつむる。九郎はやっと覚悟を決めてあやめとキスをする。
すると玉枝が起き上がり、九郎に言う。
「やっとキスできたわね。九郎ちゃんのへたれ。」
九郎とあやめは驚いて起き上がり、なぜか正座する。あやめが赤くなりながら玉枝に言う。
「キス位いいでしょ。」「遅いくらいよ。九郎ちゃん、自分でキスするか決めれなかったのよ。」
「玉枝さん、初めてなんだから、仕方ないよ。」「九郎ちゃんはもっと積極的になるべきよ。」
「そうかな。」「あまり強引なのは嫌よ。」
九郎は、あやめの言葉にどうすればいいんだと考え始める。
この後、一久が、九郎とあやめがキスをしたと聞いて、赤飯を用意する。
「私の見た怨霊は、玉枝さんと違って、憎しみに満ちた恐ろしい顔をしているが、玉枝さんは本当に怨霊なのかい。」「私は年季が違います。美しい怨霊の方が良いでしょ。」
「玉枝さんが恐ろしい力を持っているのではないかと感じているよ。」「持っていますよ。使うことはないですけど。」
「私には、玉枝さんをどうすることもできないから、あなたが今のままでいることを願うよ。」「私は九郎ちゃんを気に入っているから、このまま変わりませんわ。」
一久は、玉枝がとんでもない大物であることを感じている。九郎は玉枝に聞く。
「玉枝さんも昔は怖い顔をしていたのですか。」「私の怖い顔を見たいの。」
「いいえ、美人のままでいいです。」「私は最初から美人のままよ。」
九郎は、玉枝が今のままでよいと思う。彼女は気が遠くなるほど長い時間、怨霊をしているにちがいない。
最初は、人を憎んだりしたかもしれない。しかし、今の玉枝は人とふれあって長い時間を過ごしているのだと思う。
九郎は、玉枝が過去を語らないのなら聞く必要はないと考える。
九郎たちは無事に怨霊退治を終え、依頼者は帰って行く。一久は九郎と玉枝に言う。
「昼食を用意しているから一緒に食べて行ってくれ。」「ごちそうになります。」
3人が居間に戻ると出前の寿司が並べられている。みんなにビールが注がれる。一久が音頭をとる。
「お祓いの成功を祝って、乾杯!」「乾杯!」
あやめが九郎に聞く。
「お祓い大丈夫だったの。」「強い怨霊が憑いていたけど、玉枝さんが退治したよ。」
「玉枝さん強いんですね。」「余裕よ。私が本気を出すほどではなかったわ。」
「玉枝さんは強いよ。圧倒的だったよ。」
一久は、玉枝と悪霊の戦いを思い出しながら言う。玉枝が一久に言う。
「私の正体が気になりますか。」「あなたが名のある方でないかと思ってしまうんだ。」
「内緒です。美人には秘密があるものですよ。」「確かに美人です。」
一久は、玉枝がこのまま仲間でいてくれることを願う。
九郎と一久は、酒が回り、寝込んでしまう。かえでは昼からだらしないと嘆く。あやめもあきれて言う。
「玉枝さんと飲むと男の人はみんな酔いつぶれますね。」「美人がいるとお酒が進むのよ。」
玉枝は九郎を抱えると部屋に連れていく。あやめは玉枝が男顔負けの力を持っていることに驚く。
玉枝は、九郎を寝かせるとネグリジェ姿になって添い寝する。あやめは驚くとともに怒り出す。
「玉枝さん、昼間から何やっているんですか。」「あやめちゃんも添い寝すればいいわ。」
あやめは顔を赤くして玉枝を睨みつける。彼女はしばらく固まっていたが玉枝への対抗意識が勝ったように玉枝の反対側に添い寝をする。
九郎は目覚めると体を動かそうとするが動けない。彼はデジャヴを感じる。右側を見ると玉枝が右腕につかまり添い寝している。
玉枝の美しい寝顔が目の前にある。九郎はドキッとするが、これは怨霊、これは怨霊、これは怨霊・・・といつもの言葉を心の中で唱えて気持ちを落ち着かせる。
九郎は、左側を見るとあやめが左腕につかまり添い寝している。あやめのかわいい寝顔が目の前にある。
彼はあやめの桜色の唇に目が行く。そして、あやめにキスする千載一遇のチャンスだと思う。
しかし、眠っているうちにキスするのは卑怯な気がする。九郎はあやめの寝顔を見つめたまま動けなくなる。しばらくするとあやめが目を開け、九郎と目が合う。
九郎はごまかそうとして何か言おうとするが言葉が出ない。あやめは再び目をつむる。九郎はやっと覚悟を決めてあやめとキスをする。
すると玉枝が起き上がり、九郎に言う。
「やっとキスできたわね。九郎ちゃんのへたれ。」
九郎とあやめは驚いて起き上がり、なぜか正座する。あやめが赤くなりながら玉枝に言う。
「キス位いいでしょ。」「遅いくらいよ。九郎ちゃん、自分でキスするか決めれなかったのよ。」
「玉枝さん、初めてなんだから、仕方ないよ。」「九郎ちゃんはもっと積極的になるべきよ。」
「そうかな。」「あまり強引なのは嫌よ。」
九郎は、あやめの言葉にどうすればいいんだと考え始める。
この後、一久が、九郎とあやめがキスをしたと聞いて、赤飯を用意する。
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