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62話 露天風呂

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 九郎たちがペンションに戻ると二日酔いで倒れていた男子部員が復活している。
 一同は、夕食の前に温泉に行くことにする。村営の温泉が近くにあり、歩いていく。
 温泉には、休憩室が作られており、男風呂、女風呂ともに露天風呂がある。
 九郎は、体を洗い、室内の温泉に入る。しばらく湯につかって温まると露天風呂に行く。
 露天風呂では、男子部員が一か所に固まっている。九郎はつよしに聞く。
 「あれ何やっているんだ。」「あの塀の向こうが女風呂らしい。」
 「のぞこうとしているのか。」「今は音を聞いて、玉枝さんが入っているのか確かめているようだよ。」
 「アホらしい。」「いいのか、社本さんものぞかれるかもしれないぞ。」
 「みこさんものぞかれるかもしれないな。」「それはいかん。」
つよしは止めに行くが男子部員に取り押さえられる。九郎は玉枝が何とかすると考えている。
 その頃、あかね、玉枝、美琴は露天風呂に入る。玉枝は気配で塀の向こう側に男子部員が集まっているのに気づく。そして、男風呂に聞こえるように言う。
 「みこちゃんは白い肌をしてかわいいわ。」「玉枝さんも肌白いじゃないですか。」
男子部員が色めき立つ。身軽な1人の部員が塀をよじ登り始める。そして、あと少しで塀の上に手がかかる。
 この時、玉枝は桶を投げる。桶は弧を描いて落下し、よじ登っていた男子部員を直撃する。その男子部員は湯船に落下して沈む。
 男子部員たちは、雄姿に敬礼する。あかねが玉枝に聞く。
 「なんで桶を投げたのですか。」「のぞこうとしたからよ。」
 「えっ。」「なっ。」
あやめと美琴が驚く。
 「撃退したから大丈夫よ。」
玉枝の言葉に2人は安心する。
 「のぞこうとしたのは男子部員よね。」「許せないわ。」
2人は、安心すると怒りが沸き起こってくる。風呂から上がった後、あやめと美琴は、休憩室で男子部員を問い詰める。
 「あなたたちのぞこうとしたでしょ。」「のぞいていません。」
 「失敗しただけでしょ。」「目的は玉枝さんだから、2人は関係ないよ。」
 「言い訳する人、嫌いだなー」
玉枝が言うと男子部員は玉枝の前に正座して並ぶ。そして、玉枝に謝る。
 「のぞこうとしました。ごめんなさい。」「私の裸みたいの。」
 「はい。」「混浴してください。」「脱いでください。」
男子部員は口々に欲望を発する。
 あやめと美琴は男子部員を白い目で見る。玉枝はあきれて言う。
 「風呂上がりの私を見て我慢しなさい。」「はい。」
玉枝は白いTシャツにデニムのショートパンツである。そして風呂上りである。彼女のお色気は男子部員を虜にする。
 あやめは九郎に言う。
 「男子はみんな玉枝さんに見とれて失礼よね。」「僕は、あやめを見ているよ。」「ありがとう。」
つよしは美琴に言う。
 「のぞきを阻止しようとしたんだけど取り押さえられていたよ。」「助けてくれようとしたのね。」
美琴はつよしにキスをする。部長は風呂上がりの玉枝の姿に真っ赤になっている。
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