同棲しているけど彼女じゃない~怨霊は恋のキューピット

ぽとりひょん

文字の大きさ
上 下
49 / 175

49話 プールに行く

しおりを挟む
 朝になり、九郎が目覚めると玉枝が朝食をテーブルに並べている。卵とレタスのサンドイッチとコーンスープである。
 九郎は「いただきます」をして食べ始める。玉枝が料理の出来を聞く。
 「お味はどお。」「おいしいよ。」
九郎は答える。サンドイッチはまだとろみのある分厚い卵焼きがはさんである。コーンスープも滑らかでのど越しがいい。
 「おかわりはないから、足りなかったら私を食べてね。」「結構です。」
玉枝の一言が九郎の玉枝への有難みを半減させる。
 九郎は朝食を食べ終わると着替える。玉枝もネグリジェから服を変える。
 白のTシャツにデニムのショートパンツでデニムのジャケットを羽織っている。
 今日は屋内プールに行く日である。2人は、あやめの家に向かう。
 あやめの家のインターフォンを鳴らすと玄関からドタッと音がする。あやめが玄関から出てくるがすぐに引き戸を閉める。
 九郎には玄関で一久が倒れていたように見えたが見なかったことにする。あやめが九郎と玉枝に言う。
 「おはよう。行きましょ。」「おはよう、あやめ。」「あやめちゃん、お父さん大丈夫?」
 「玉枝さん、何のことかわからないわ。」
あやめは白を切りとおすつもりだ。玉枝はあやめを追求しない。3人はバス停からバスに乗る。
 玉枝のショートパンツから伸びたすらっとした白い足は、バスの中で注目を集める。
 バスが駅に着くと3人はバスから降りる。駅のバス停には部長が待っていた。
 「おはようございます。玉枝さん。」「おはようございます。」
部長は玉枝の足を見て赤くなる。つよしと美琴もやってくる。
 「玉枝さん、きれいです。」「玉枝さん、大胆。」
2人は挨拶もそこそこに玉枝を見た感想を言う。
 「ありがとう、みこちゃんもかわいいわよ。」
玉枝は嬉しそうに言う。6人は駅から列車に乗る。
 美琴があやめに言う。
 「水着どのようなものにしたの。」「ビキニよ。」
 「いいなー、あやめは脱いだらスタイルがいいから。」
美琴の言葉に玉枝に集まっていた視線があやめに集まる。九郎は周りを見渡す。すると男性客が一斉にそっぽを向く。あやめが赤くなりながら美琴に言う。
 「みこは何にしたの。」「ワンピースよ。」
 「みこはかわいいから似合うよ。」「そうかな。」
美琴は玉枝に聞く。
 「玉枝さんは、水着何にしたのですか。」「競泳用水着よ。」
 「玉枝さんきれいだからビキニとか似合いそうなのに。」「九郎ちゃんが肌の露出が多いて言うの。独占欲強いのよ。」
 「九郎、社本さんだけでなく、お姉さんまで独占するつもりか。」「玉枝さんのビキニ姿は猛毒なんだよ。」
 「見たら、倒れるのか。」「そうなんだ。大変なことになるぞ。」
黙っていた部長が割り込んでくる。
 「写真は撮ったのか。死んでもいいから。見てみたい。」「写真はありません。」「ざ、残念だ。」
部長は涙を流す。つよしが部長を励ます。
 「部長。競泳用水着は玉枝さんの抜群のボディラインを強調しますよ。」
6人の近くの男性客が鼻血を出す。部長は涙を拭き元気になる。
 15分程、列車に乗ると6人は降りる。駅を出るとすでに屋内プールは見えている。プールはホテルに併設された施設となっているがホテルに泊まらなくても利用できるようになっている。
 部長は代表してプール用のカウンタで手続きをする。6人は着替えるため、男女に分かれる。
 あやめと玉枝、美琴の3人は更衣室に入る前に2人組の男に声をかけられる。
 「君たち、3人だけ。僕たちと遊ばない。」
 「俺の連れに何か用かな。」
男たちの後ろから部長が声をかける。部長は筋肉質のこわもてである。男たちは逃げ出す。玉枝が部長に言う。
 「追い払ってくれて、ありがとう。」「当然のことをしたまでです。」
九郎は、彼女たち3人が水着になった時のことを考えると頭が痛い。

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

会社の上司の妻との禁断の関係に溺れた男の物語

六角
恋愛
日本の大都市で働くサラリーマンが、偶然出会った上司の妻に一目惚れしてしまう。彼女に強く引き寄せられるように、彼女との禁断の関係に溺れていく。しかし、会社に知られてしまい、別れを余儀なくされる。彼女との別れに苦しみ、彼女を忘れることができずにいる。彼女との関係は、運命的なものであり、彼女との愛は一生忘れることができない。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

一夏の性体験

風のように
恋愛
性に興味を持ち始めた頃に訪れた憧れの年上の女性との一夜の経験

処理中です...