同棲しているけど彼女じゃない~怨霊は恋のキューピット

ぽとりひょん

文字の大きさ
上 下
44 / 175

44話 玉枝の怨霊退治

しおりを挟む
 九郎たちは依頼人の運転で廃屋に着く。九郎は廃屋を見ると黒いもやに包まれている。彼は思わず言う。
 「ここに入るのですか。」「九郎君、どうした。」
 「黒い靄に包まれています。これは危ないですよ。」「そうか、君は外に残るか。」
 「いえ、行きます。」「頼むよ。」
廃屋は木造2階建てである。依頼人は震えているので外で待ってもらうことにする。
 廃屋の玄関ドアは壊れて開いたままである。九郎たちは玄関から入る。廊下から老人の霊が向かってくる。九郎が身構えると老人の霊は青い炎に包まれる。
 老人の霊はもがきながらも得て消えていく。一久が聞く。
 「青い炎は玉枝さんがやったのか。」「そうです。」
九郎は2階から強い気配を感じる。
 「怨霊は2階にいるみたいです。」「そうか、階段を上がろう。」
九郎が階段を見ると霊の固まりが階段を塞いでいる。霊の塊は青い炎に包まれて消えていく。
 「玉枝さん、ありがとう。」「九郎ちゃんは守るわ。」
玉枝は言うと気配を強くして見えるようになる。
 「2人は私について来て。」
玉枝は言うと先頭を歩いて階段を上って行く。彼女は迷わず2階の奥の部屋へ行く。彼女は、9つの燐火を体の周りに浮かべる。
 「部屋に入ってはだめよ。命の保証はできないわ。」
玉枝は警告をすると部屋のドアを開ける。怨霊の髪が出てきて玉枝の首、両腕、両足に巻き付く。彼女は燐火で髪を焼く。
 部屋の中には青白い顔が浮かんでいる。目は大きく見開かれ、憎しみに満ちている。
 一久が言う。
 「何だあれは。」「怨霊だと思います。僕もあんなに恐ろしそうなのもは見たことがありません。」
九郎が答える。
 玉枝が右手をかざすと9つの燐火は怨霊に向かって飛んでいく。怨霊は髪を使って燐火を防ごうとするがすべて焼き散らされる。
 「うおおおおおおおー」
と怨霊は叫ぶ。青白い顔が玉枝に向かって飛んでくる。しかし、顔は9つの燐火に包まれる。顔は苦しむかのように飛び回り、燃えて消えていく。
 「私と戦うなら雷撃とか使わないとね。」
玉枝は独り言を言う。彼女は九郎と一久に言う。
 「怨霊は退治したわよ。」「圧倒的じゃないか。」
一久は感想を言う。玉枝は誇ったように言う。
 「私は強いのよ。」
玉枝は気配を小さくして見えなくなる。九郎と一久は廃屋から出てくる。
 依頼人が駆け寄る。
 「どうでした。」「怨霊は退治しました。」
九郎が依頼人を見ると顔は歪んだままである。首の髪はなくなっている。九郎は依頼人に言う。
 「呪いを解く人は見つかりましたか。」「まだです。」
 「まだ、呪いは解けていません。」「分かりました。何とか探します。」
3人は車で久沓神明社に戻る。時間は2時を回っているため、九郎はあやめの家に泊めてもらう。
 依頼人3人は、呪いを解く人を探すことになる。彼らは呪い屋を見つけ解呪に成功するが、1人は間に合わず助かったのは2人だけだった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

会社の上司の妻との禁断の関係に溺れた男の物語

六角
恋愛
日本の大都市で働くサラリーマンが、偶然出会った上司の妻に一目惚れしてしまう。彼女に強く引き寄せられるように、彼女との禁断の関係に溺れていく。しかし、会社に知られてしまい、別れを余儀なくされる。彼女との別れに苦しみ、彼女を忘れることができずにいる。彼女との関係は、運命的なものであり、彼女との愛は一生忘れることができない。

甘過ぎるオフィスで塩過ぎる彼と・・・

希花 紀歩
恋愛
24時間二人きりで甘~い💕お仕事!? 『膝の上に座って。』『悪いけど仕事の為だから。』 小さな翻訳会社でアシスタント兼翻訳チェッカーとして働く風永 唯仁子(かざなが ゆにこ)(26)は頼まれると断れない性格。 ある日社長から、急ぎの翻訳案件の為に翻訳者と同じ家に缶詰になり作業を進めるように命令される。気が進まないものの、この案件を無事仕上げることが出来れば憧れていた翻訳コーディネーターになれると言われ、頑張ろうと心を決める。 しかし翻訳者・若泉 透葵(わかいずみ とき)(28)は美青年で優秀な翻訳者であるが何を考えているのかわからない。 彼のベッドが置かれた部屋で二人きりで甘い恋愛シミュレーションゲームの翻訳を進めるが、透葵は翻訳の参考にする為と言って、唯仁子にあれやこれやのスキンシップをしてきて・・・!? 過去の恋愛のトラウマから仕事関係の人と恋愛関係になりたくない唯仁子と、恋愛はくだらないものだと思っている透葵だったが・・・。 *導入部分は説明部分が多く退屈かもしれませんが、この物語に必要な部分なので、こらえて読み進めて頂けると有り難いです。 <表紙イラスト> 男女:わかめサロンパス様 背景:アート宇都宮様

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

【R18】純粋無垢なプリンセスは、婚礼した冷徹と噂される美麗国王に三日三晩の初夜で蕩かされるほど溺愛される

奏音 美都
恋愛
数々の困難を乗り越えて、ようやく誓約の儀を交わしたグレートブルタン国のプリンセスであるルチアとシュタート王国、国王のクロード。 けれど、それぞれの執務に追われ、誓約の儀から二ヶ月経っても夫婦の時間を過ごせずにいた。 そんなある日、ルチアの元にクロードから別邸への招待状が届けられる。そこで三日三晩の甘い蕩かされるような初夜を過ごしながら、クロードの過去を知ることになる。 2人の出会いを描いた作品はこちら 「純粋無垢なプリンセスを野盗から助け出したのは、冷徹と噂される美麗国王でした」https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/443443630 2人の誓約の儀を描いた作品はこちら 「純粋無垢なプリンセスは、冷徹と噂される美麗国王と誓約の儀を結ぶ」 https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/183445041

【R18】幼馴染がイケメン過ぎる

ケセラセラ
恋愛
双子の兄弟、陽介と宗介は一卵性の双子でイケメンのお隣さん一つ上。真斗もお隣さんの同級生でイケメン。 幼稚園の頃からずっと仲良しで4人で遊んでいたけど、大学生にもなり他にもお友達や彼氏が欲しいと思うようになった主人公の吉本 華。 幼馴染の関係は壊したくないのに、3人はそうは思ってないようで。 関係が変わる時、歯車が大きく動き出す。

思い出さなければ良かったのに

田沢みん
恋愛
「お前の29歳の誕生日には絶対に帰って来るから」そう言い残して3年後、彼は私の誕生日に帰って来た。 大事なことを忘れたまま。 *本編完結済。不定期で番外編を更新中です。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

隠れドS上司をうっかり襲ったら、独占愛で縛られました

加地アヤメ
恋愛
商品企画部で働く三十歳の春陽は、周囲の怒涛の結婚ラッシュに財布と心を痛める日々。結婚相手どころか何年も恋人すらいない自分は、このまま一生独り身かも――と盛大に凹んでいたある日、酔った勢いでクールな上司・千木良を押し倒してしまった!? 幸か不幸か何も覚えていない春陽に、全てなかったことにしてくれた千木良。だけど、不意打ちのように甘やかしてくる彼の思わせぶりな言動に、どうしようもなく心と体が疼いてしまい……。「どうやら私は、かなり独占欲が強い、嫉妬深い男のようだよ」クールな隠れドS上司をうっかりその気にさせてしまったアラサー女子の、甘すぎる受難!

処理中です...