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43話 怨霊の呪い

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 九郎は小声で玉枝に聞く。
 「顔が歪んでいるよ。」「怨霊に呪われているのよ。首を見てみて。」
 「髪のようなものが巻き付いているよ。」「あれは怨霊の髪よ。怨霊に繋がっているわ。」
神主の姿をした一久が九郎に聞く。
 「3人はどうだい。」「怨霊に呪われています。首には怨霊の髪が巻き付いています。」
 「お祓いは効果あるかな、」「待ってください。」
玉枝が九郎に警告する。
 「お祓いは危険よ。お父さんに影響が出る恐れがあるわ。」
 「お祓いは危険です。社本さんにも影響が出るかもしれません。」
一久は考える。3人の依頼人は頼るところが無くて来ているのだ。
 「とりあえず、お祓いをしてみるよ。」
玉枝が言う。
 「九郎、止めて。」「社本さん、やめてください。」
一久は覚悟を決めたように言う。
 「九郎君、他に手はないだろ。」「だめです。」
九郎は覚悟を決めて言う。
 「玉枝さん、姿を見せてください。」「九郎ちゃん、良いの?」
 「仕方ありません。」「わかったわ。」
九郎の横に玉枝が現れる。一久は驚いて言う。
 「な、なんだ、君は。」「玉枝さんです。いつも僕と一緒にいます。」
 「あやめは知っているのか。」「知っています。」
 「そうか、玉枝さんは幽霊なんだね。」「怨霊です。」
 「怨霊、なんてことだ。九郎君は彼女が美人だから一緒にいるのか。」「玉枝さんが離れてくれないんです。」
 「玉枝さんでいいかな。」「はい、一久さんよりずっと年上ですから。」
 「玉枝さんは、彼らを助ける方法を知っているのか。」「ええ、怨霊を退治してから呪いを解けばよいです。」
 「怨霊は誰が退治するんだ。」「私なら簡単ですよ。」
 「呪いも任せられるか。」「そちらは無理です。陰陽師の領分です。」
 「そうか呪いを解く必要があるんだね。」「そうです。」
 「まずは怨霊を退治するとしよう。」「よい判断ですわ。」
一久は依頼人に話をする。そして、1人が車で廃屋に一久と九郎を案内して、残りの2人が呪いを解いてくれる人を探すことになる。
 九郎と一久は、車に乗り依頼人の運転で怨霊のいる廃屋に向かう。
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