17 / 175
17話 あやめ部屋に来る
しおりを挟む
九郎が目を覚ますと目の前に玉枝の顔がある。きれいな寝顔である。唇は桜色で形が整っている。
彼は頭の中で「これは怨霊、これは怨霊」と呪文を唱える。
すると玉枝が目を開けて言う
「九郎ちゃん、キスしてくれないの。」「お、起きてたの。」
九郎はキスしそうになった自分に「セーフ」と判定を下す。
玉枝は起きて朝食を作り始める。九郎は心臓の鼓動を抑える。そして、玉枝は怨霊なんだと自分に言い聞かせる。
朝食は、ごはんに卵焼き、サラダ、みそ汁である。
九郎は玉枝に言う
「おいしいよ。」「ありがとう。作る甲斐があるわ。」
玉枝は喜ぶ。
大学へ行くため九郎が着替えると玉枝も服装を変える。
今日は、白のシアーブラウスに黄緑のスカートである。
九郎は誰も見えないのに服を毎日変える必要があるのかと思う。
九郎は玉枝に聞く
「毎日、服変えているけど何かあるの。」「九郎ちゃんが見ているでしょ。」
「僕は同じ服でも構わないよ。」「気分の問題よ。女性はきれいに見てもらいたいのよ。」
「うん、今日も似合っているよ。」「よろしい。」
九郎と玉枝は大学へ出かける。
大学へ行く途中、あやめと行き会う。
「社本さん、おはよう。」「翼君、おはよう。早く出て正解だったわ。」
「早く家を出たの。」「うん、早く出たら会えないかと思って。」
「これからは待ち合わせする。」「いいわよ。帰りにどこで待ち合わせるか決めましょ。」
「今日も一緒に帰れるね。」「そうね。」
九郎とあやめは一緒に大学へ向かう。
大学に入るとどこからともなくつよしが声をかけてくる
「九郎、おはよう。」「おはよう、つよし。」
「今朝は社本さんと一緒か。」「途中であったんだ。」
3人が教室に入って席に着く。しばらくすると美琴が教室に来てつよしの横に座る。
2時限目の講義でレポートの課題が出される。4人は昼食を学食でとる。
いつものように九郎とあやめは弁当で、つよしと美琴はランチである。
午後の講義も無事終了する。つよしと美琴はハイキング部に顔を出すと言って別れる。
九郎とあやめは一緒に大学を出る
あやめが九郎に聞く
「翼君のアパートどこなの。」「歩いて10分くらいだよ。」
「近くね。寄っていい。」「いいよ。通り道だから。」
九郎はあやめをアパートに案内する。あやめはあきれて言う。
「私の通学路にあったのね。」「うん、黙っていてごめんね。」
2人は九郎の部屋の205号室に行く。あやめが思い出したように言う。
「ここ、お父さんがお祓いしたところよ。すぐに入居者が出ていくって聞いたわよ。」
「それで格安で借りているんだよ。」「大丈夫なの。」
「僕、霊とか見えるでしょ。」「そうか、何もいないのね。」
怨霊の玉枝さんがいるとは言えない。
「中入る。」「お邪魔するわ。」
あやめは部屋がきれいに片付いているので感心する。これは玉枝のおかげなのである。
九郎はコーヒーを淹れて出す。菓子は玉枝が買わないのでない。
九郎は緊張する。自分の部屋に友達が来たことは全くないのだ。それも気になっている女子が部屋に来て2人きりである。
「翼君、趣味は何なの。」「本を読むくらいかな。」
「これ読んでいるの。」「そうだよ。」
本はラノベを何冊か持って来ている。
「面白いかな?」「僕は好きだけど。好みに寄るよね。」
「1冊借りてもいい。」「いいよ。これなんかどうかな。」
九郎は一番気に入りの本を渡す。
「九郎ちゃん、エッチな本じゃないでしょうね。」
玉枝が心配する。
「ありがとう。借りるわね。」「うん、気に入るといいかな。」
「明日から迎えに来るね。」「いいよ。」
「どうせ通り道だから同じでしょ。」「お願いします。」
「そろそろ帰るね。」「スーパーまで一緒に行くよ。」
玉枝が九郎に言う
「何もしないで帰しちゃうの。」
九郎は玉枝の言葉を無視する。九郎はあやめとの関係が今の状態でも十分に幸せである。
彼は頭の中で「これは怨霊、これは怨霊」と呪文を唱える。
すると玉枝が目を開けて言う
「九郎ちゃん、キスしてくれないの。」「お、起きてたの。」
九郎はキスしそうになった自分に「セーフ」と判定を下す。
玉枝は起きて朝食を作り始める。九郎は心臓の鼓動を抑える。そして、玉枝は怨霊なんだと自分に言い聞かせる。
朝食は、ごはんに卵焼き、サラダ、みそ汁である。
九郎は玉枝に言う
「おいしいよ。」「ありがとう。作る甲斐があるわ。」
玉枝は喜ぶ。
大学へ行くため九郎が着替えると玉枝も服装を変える。
今日は、白のシアーブラウスに黄緑のスカートである。
九郎は誰も見えないのに服を毎日変える必要があるのかと思う。
九郎は玉枝に聞く
「毎日、服変えているけど何かあるの。」「九郎ちゃんが見ているでしょ。」
「僕は同じ服でも構わないよ。」「気分の問題よ。女性はきれいに見てもらいたいのよ。」
「うん、今日も似合っているよ。」「よろしい。」
九郎と玉枝は大学へ出かける。
大学へ行く途中、あやめと行き会う。
「社本さん、おはよう。」「翼君、おはよう。早く出て正解だったわ。」
「早く家を出たの。」「うん、早く出たら会えないかと思って。」
「これからは待ち合わせする。」「いいわよ。帰りにどこで待ち合わせるか決めましょ。」
「今日も一緒に帰れるね。」「そうね。」
九郎とあやめは一緒に大学へ向かう。
大学に入るとどこからともなくつよしが声をかけてくる
「九郎、おはよう。」「おはよう、つよし。」
「今朝は社本さんと一緒か。」「途中であったんだ。」
3人が教室に入って席に着く。しばらくすると美琴が教室に来てつよしの横に座る。
2時限目の講義でレポートの課題が出される。4人は昼食を学食でとる。
いつものように九郎とあやめは弁当で、つよしと美琴はランチである。
午後の講義も無事終了する。つよしと美琴はハイキング部に顔を出すと言って別れる。
九郎とあやめは一緒に大学を出る
あやめが九郎に聞く
「翼君のアパートどこなの。」「歩いて10分くらいだよ。」
「近くね。寄っていい。」「いいよ。通り道だから。」
九郎はあやめをアパートに案内する。あやめはあきれて言う。
「私の通学路にあったのね。」「うん、黙っていてごめんね。」
2人は九郎の部屋の205号室に行く。あやめが思い出したように言う。
「ここ、お父さんがお祓いしたところよ。すぐに入居者が出ていくって聞いたわよ。」
「それで格安で借りているんだよ。」「大丈夫なの。」
「僕、霊とか見えるでしょ。」「そうか、何もいないのね。」
怨霊の玉枝さんがいるとは言えない。
「中入る。」「お邪魔するわ。」
あやめは部屋がきれいに片付いているので感心する。これは玉枝のおかげなのである。
九郎はコーヒーを淹れて出す。菓子は玉枝が買わないのでない。
九郎は緊張する。自分の部屋に友達が来たことは全くないのだ。それも気になっている女子が部屋に来て2人きりである。
「翼君、趣味は何なの。」「本を読むくらいかな。」
「これ読んでいるの。」「そうだよ。」
本はラノベを何冊か持って来ている。
「面白いかな?」「僕は好きだけど。好みに寄るよね。」
「1冊借りてもいい。」「いいよ。これなんかどうかな。」
九郎は一番気に入りの本を渡す。
「九郎ちゃん、エッチな本じゃないでしょうね。」
玉枝が心配する。
「ありがとう。借りるわね。」「うん、気に入るといいかな。」
「明日から迎えに来るね。」「いいよ。」
「どうせ通り道だから同じでしょ。」「お願いします。」
「そろそろ帰るね。」「スーパーまで一緒に行くよ。」
玉枝が九郎に言う
「何もしないで帰しちゃうの。」
九郎は玉枝の言葉を無視する。九郎はあやめとの関係が今の状態でも十分に幸せである。
0
お気に入りに追加
5
あなたにおすすめの小説
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
助けてください!エリート年下上司が、地味な私への溺愛を隠してくれません
和泉杏咲
恋愛
両片思いの2人。「年下上司なんてありえない!」 「できない年上部下なんてまっぴらだ」そんな2人は、どうやって結ばれる?
「年下上司なんてありえない!」
「こっちこそ、できない年上の部下なんてまっぴらだ」
思えば、私とあいつは初対面から相性最悪だった!
人材業界へと転職した高井綾香。
そこで彼女を待ち受けていたのは、エリート街道まっしぐらの上司、加藤涼介からの厳しい言葉の数々。
綾香は年下の涼介に対し、常に反発を繰り返していた。
ところが、ある時自分のミスを助けてくれた涼介が気になるように……?
「あの……私なんで、壁ドンされてるんですか?」
「ほら、やってみなよ、体で俺を誘惑するんだよね?」
「はあ!?誘惑!?」
「取引先を陥落させた技、僕にやってみなよ」
子持ちの私は、夫に駆け落ちされました
月山 歩
恋愛
産まれたばかりの赤子を抱いた私は、砦に働きに行ったきり、帰って来ない夫を心配して、鍛錬場を訪れた。すると、夫の上司は夫が仕事中に駆け落ちしていなくなったことを教えてくれた。食べる物がなく、フラフラだった私は、その場で意識を失った。赤子を抱いた私を気の毒に思った公爵家でお世話になることに。
鉄と草の血脈――天神編
藍染 迅
歴史・時代
日本史上最大の怨霊と恐れられた菅原道真。
何故それほどに恐れられ、天神として祀られたのか?
その活躍の陰には、「鉄と草」をアイデンティティとする一族の暗躍があった。
二人の酔っぱらいが安酒を呷りながら、歴史と伝説に隠された謎に迫る。
吞むほどに謎は深まる——。
ちょっと不運な私を助けてくれた騎士様が溺愛してきます
五珠 izumi
恋愛
城の下働きとして働いていた私。
ある日、開かれた姫様達のお見合いパーティー会場に何故か魔獣が現れて、運悪く通りかかった私は切られてしまった。
ああ、死んだな、そう思った私の目に見えるのは、私を助けようと手を伸ばす銀髪の美少年だった。
竜獣人の美少年に溺愛されるちょっと不運な女の子のお話。
*魔獣、獣人、魔法など、何でもありの世界です。
*お気に入り登録、しおり等、ありがとうございます。
*本編は完結しています。
番外編は不定期になります。
次話を投稿する迄、完結設定にさせていただきます。
勇者一行から追放された二刀流使い~仲間から捜索願いを出されるが、もう遅い!~新たな仲間と共に魔王を討伐ス
R666
ファンタジー
アマチュアニートの【二龍隆史】こと36歳のおっさんは、ある日を境に実の両親達の手によって包丁で腹部を何度も刺されて地獄のような痛みを味わい死亡。
そして彼の魂はそのまま天界へ向かう筈であったが女神を自称する危ない女に呼び止められると、ギフトと呼ばれる最強の特典を一つだけ選んで、異世界で勇者達が魔王を討伐できるように手助けをして欲しいと頼み込まれた。
最初こそ余り乗り気ではない隆史ではあったが第二の人生を始めるのも悪くないとして、ギフトを一つ選び女神に言われた通りに勇者一行の手助けをするべく異世界へと乗り込む。
そして異世界にて真面目に勇者達の手助けをしていたらチキン野郎の役立たずという烙印を押されてしまい隆史は勇者一行から追放されてしまう。
※これは勇者一行から追放された最凶の二刀流使いの隆史が新たな仲間を自ら探して、自分達が新たな勇者一行となり魔王を討伐するまでの物語である※
【完結】待ってください
仲 奈華 (nakanaka)
恋愛
ルチアは、誰もいなくなった家の中を見回した。
毎日家族の為に食事を作り、毎日家を清潔に保つ為に掃除をする。
だけど、ルチアを置いて夫は出て行ってしまった。
一枚の離婚届を机の上に置いて。
ルチアの流した涙が床にポタリと落ちた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる