同棲しているけど彼女じゃない~怨霊は恋のキューピット

ぽとりひょん

文字の大きさ
上 下
15 / 175

15話 手を出さないように

しおりを挟む
 昼食は4人揃って学食で食べる、九郎とあやめは弁当である。つよしと美琴は学食のランチである。
 すでに重い雰囲気はなくなり、つよしと美琴は2人の世界に入っている。
 九郎とあやめは午前中、悩んだことがばからしくなってくる。
 「九郎ちゃん、お弁当のおかず交換したら。」
玉枝が提案する。九郎はこの案に乗ることにする。
 「社本さん、から揚げおいしそうだね。」「食べてみる。」
 「いいの。」「どうぞ。」
 「いただきます。」「どおかな。」
 「おいしいよ。」「よかった。」
 「翼君もタケノコの煮物おいしそうね。」「食べていいよ」
 「いただきます。」「おいしい?」
 「ええ、とてもおいしいわよ。」「ありがとう。」
九郎とあやめは、周りから注目されているのに気づく。
 2人は赤くなる。2人を見ていたつよしと美琴が言う。
 「おまえら、本当に付き合っていないの。」「お似合いよ。」
 「仲のいい友達です。」「そうね、まだ友達よね。」
九郎とあやめが言うとつよしと美琴はニヤニヤして見ている。
 午後の講義を受けるが4限目の講義は休講になる。
 4人はハイキング部の部室へ行く。部室には3人の先輩がいる。九郎はいつもここにいるのだろうかと心配になる。
 すると男子が入ってきて部室はいっぱいになる。男子がコーヒーを淹れ、あやめに出すと続いて他の男子が菓子を用意する。
 1人の男子があやめに質問する。
 「付き合っている人はいますか。」「いないけど、仲のいい友達がいます。」
あやめは九郎を見る。すると美琴が言う。
 「あやめは翼君のものだから手を出しちゃだめよ。」
 「翼て誰だ。知らねーよ。」
男子がざわつきだす。九郎が手を上げる
 「僕です。社本さんに手を出さないように。」
九郎は言ってからしまったと思う。恐る恐るあやめを見る。あやめは嬉しそうだ。九郎はホッとする。
 しかし、男子たちは九郎に冷たい視線を浴びる。
 「九郎ちゃん、よく言ったわ。」
玉枝は九郎を褒める。
 この後、男子のテンションは目に見えて下がっている。
 部長が言う
 「まだ大学生活は始まったばかりだぞ。これから出会いが待っている。」
 「部長には出会いはあったんですか。」「う~ん、それはない。」「部長ー」
男子の情けない言葉がこだまする。
 部室の中は明暗が分かれる。アツアツのつよしと美琴、九郎と機嫌のいいあやめと落ち込む男子である。
 帰る時間になり、九郎とあやめは歩いて帰って行く。
 あやめは九郎の袖を引っ張って言う
 「私、いつから翼君のものになったの。」
九郎は言葉に詰まる「かわいい、これは反則だ」と思う。
 「他の人に取られたくないから。」「翼君、独占欲強いんだ。」
 「社本さんだからだよ。」「あ、ありがとう。」
あやめは真っ赤になる。九郎もあやめと目を合わせられない。
 その後、スーパーまで無言で2人は歩く。
 「社本さん、また明日。」「うん、さようなら。」
九郎はあやめともう少し一緒にいたかった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

とある高校の淫らで背徳的な日常

神谷 愛
恋愛
とある高校に在籍する少女の話。 クラスメイトに手を出し、教師に手を出し、あちこちで好き放題している彼女の日常。 後輩も先輩も、教師も彼女の前では一匹の雌に過ぎなかった。 ノクターンとかにもある お気に入りをしてくれると喜ぶ。 感想を貰ったら踊り狂って喜ぶ。 してくれたら次の投稿が早くなるかも、しれない。

一夏の性体験

風のように
恋愛
性に興味を持ち始めた頃に訪れた憧れの年上の女性との一夜の経験

〈社会人百合〉アキとハル

みなはらつかさ
恋愛
 女の子拾いました――。  ある朝起きたら、隣にネイキッドな女の子が寝ていた!?  主人公・紅(くれない)アキは、どういったことかと問いただすと、酔っ払った勢いで、彼女・葵(あおい)ハルと一夜をともにしたらしい。  しかも、ハルは失踪中の大企業令嬢で……? 絵:Novel AI

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

職場のパートのおばさん

Rollman
恋愛
職場のパートのおばさんと…

如月さんは なびかない。~片想い中のクラスで一番の美少女から、急に何故か告白された件~

八木崎(やぎさき)
恋愛
「ねぇ……私と、付き合って」  ある日、クラスで一番可愛い女子生徒である如月心奏に唐突に告白をされ、彼女と付き合う事になった同じクラスの平凡な高校生男子、立花蓮。  蓮は初めて出来た彼女の存在に浮かれる―――なんて事は無く、心奏から思いも寄らない頼み事をされて、それを受ける事になるのであった。  これは不器用で未熟な2人が成長をしていく物語である。彼ら彼女らの歩む物語を是非ともご覧ください。  一緒にいたい、でも近づきたくない―――臆病で内向的な少年と、偏屈で変わり者な少女との恋愛模様を描く、そんな青春物語です。

甘過ぎるオフィスで塩過ぎる彼と・・・

希花 紀歩
恋愛
24時間二人きりで甘~い💕お仕事!? 『膝の上に座って。』『悪いけど仕事の為だから。』 小さな翻訳会社でアシスタント兼翻訳チェッカーとして働く風永 唯仁子(かざなが ゆにこ)(26)は頼まれると断れない性格。 ある日社長から、急ぎの翻訳案件の為に翻訳者と同じ家に缶詰になり作業を進めるように命令される。気が進まないものの、この案件を無事仕上げることが出来れば憧れていた翻訳コーディネーターになれると言われ、頑張ろうと心を決める。 しかし翻訳者・若泉 透葵(わかいずみ とき)(28)は美青年で優秀な翻訳者であるが何を考えているのかわからない。 彼のベッドが置かれた部屋で二人きりで甘い恋愛シミュレーションゲームの翻訳を進めるが、透葵は翻訳の参考にする為と言って、唯仁子にあれやこれやのスキンシップをしてきて・・・!? 過去の恋愛のトラウマから仕事関係の人と恋愛関係になりたくない唯仁子と、恋愛はくだらないものだと思っている透葵だったが・・・。 *導入部分は説明部分が多く退屈かもしれませんが、この物語に必要な部分なので、こらえて読み進めて頂けると有り難いです。 <表紙イラスト> 男女:わかめサロンパス様 背景:アート宇都宮様

処理中です...