水の巫女の助手になる

ぽとりひょん

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第139話 開かずの間

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 小野寺強おのでらつよしは、母が亡くなり、実家を引き継ぐことになる。
 強は退職して妻と年金暮らしであり、賃貸のアパートを出て実家に引っ越すことにする。
 実家は広く2人が住むのに1階だけで充分である。
 彼は引っ越しの準備で実家にきて遅くなり、その日は実家に泊まることにする。
 1階で寝ていると2階から足音が聞こえ、夜中になると階段を降りてくる足音が聞こえてくる。
 彼は怖くなり布団の中でやり過ごそうとする。
 足音は部屋の前まで来ると止まるが彼はそのあとの記憶がない。
 強は妻に話し、引っ越しの予定は頓挫する。
 彼は足音の正体を調べてもらおうとオカルト番組に電話をする。

 沙也加の事務所にテレビ支局の局長から電話がある。
 沙也加に局長は話し始める。
 「古馬先生、いや、中野先生ですかな。」
 「どちらでも構いません、何かありましたか。」
 「電話で相談がありまして、取材をするのですがその前に先生に調べていただけないかと思いまして。」
 「どんな電話ですか。」
 「実家を引き継いだのですが、夜2階から足音がしだして、夜中に階段を降りてくる足音がしたそうです。」
 「足音だけですか。」
 「はいそうですが、相談者の部屋の前まで足音がきたそうです。」
 「分かりました、調査をします。」
 「たすくさんに撮影をお願いしたいのですがよろしいですか。」
 「はい、撮影もします。」
沙也加は依頼を受けることにする。
 沙也加は小野寺強に電話して調査の日取りを決める。
 沙也加とたすくは、沙也加の車アルファロメオスパイダーに乗り強の実家へ行く。
 沙也加は実家に着き、気配を探るが強い霊の気配はない。
 強は沙也加に言う
 「調査の人ですか、お願いします。」
 「家の中の案内をお願いします、」
沙也加は答える。
 沙也加とたすくは手をつないでいる。
 玄関から廊下を見るが霊は見えない
 「2階の案内をお願いします。」
沙也加は強に言う。
 2階に上がると廊下に徘徊する男性の霊が見える。
 たすくはカメラで撮影し、沙也加はペットボトルの蓋を開けて水を出し、水の刃を作り、霊に切りつけると霊は刃とともに霧散する。
 強は沙也加が水を操ったことを驚く
 「今、除霊をしました。」
彼女は彼に説明する。
 そして、沙也加は突き当りの部屋に霊の気配を感じる。
 沙也加は強に言う
 「突き当りの部屋を見ましょう。」
 「あそこは開かずの間になっています。」
 「あの部屋が原因かもしれませんよ。」
 「分かりました。」
強は開かずの間のカギをもってきて部屋を開ける。
 その部屋は座敷牢になっている。
 座敷牢の中にいくつかの霊が混ざり合ったものがいる。
 たすくが沙也加に言う
 「霊団とは違いますね。」
 「霊団になる前かしら。」
沙也加は水の刃を作ると霊の混ざり合ったものを切りつける、それは刃とともに霧散する。
 沙也加は残りの部屋を確認して廻り 
 「除霊は済みました、大丈夫ですよ。」
 「ありがとうございます。」
強は礼を言う。
 沙也加は局長に連絡する
 「霊は除霊しました。」
 「ならば安全ですね。」
 「はい。撮影にも成功しています。」
 「それはよかった。」
局長は喜ぶ。

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