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第138話 短命の村3

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 沙也加とたすくは彼女の車アルファロメオスパイダーに乗り羽根村に向かう。
 村に向かう途中、2人は信じられないものを見る。
 人から植物が生えているのである。
 人は中年の男性で植物は男の肌に巻き付いている。
 2人は車を止めて、男に話しかける
 「植物が生えていますけど大丈夫ですか。」
 「何を言っているんだ、植物なんてないぞ。」
男の返事に2人は植物が異界のものではないかと考える。
 2人はキスをするとたすくは光だす。
 光を浴びた植物は焼き消えていく。
 男はからかわれていると思い、怒って行ってしまう。
 沙也加はたすくに言う
 「早死にの村の原因がわかったような気がするわ。」
 「僕もです。」
たすくは答える。
 2人が羽根村に入るとすれ違う住人はみんな、植物が生えている。
 そして、長田りくの家に着く。
 りくが沙也加たちにあいさつをする。
 彼にも植物が生えている。
 沙也加はりくに話す
 「早死にの原因が分かりましたわ。」
 「本当ですか。」
 「村の住人には、あなたも含めて植物が生えています。」
 「植物ですか何も見えませんが。」
 「この世界のものではありません。」
 「信じられませんが。」
 「それが問題です。」
 「すべての村の住人から植物を取り去らなければなりません。」
 「取ることができるのですか。」
 「できます。」
 「なら住人を全部集めればいいのですね。」
 「はい。」
 「お祓いをするということで集会所に集まってもらいます。」
沙也加はりくに住人のことを任せることにする。
 そして、集会所には全住人が集まる。
 沙也加は言う
 「今から合図をするまで目をつむっていてください。」
住人は指示に従って、目をつむる。
 沙也加はたすくとキスをする。
 たすくの体は光だし、住人に取りついた植物を消し去る。
 沙也加が合図する
 「もう目を開けていいですよ。」
住人は目を開け、質問する
 「これで早死にしないのか。」
 「はい、事故や病気でなければ60歳以上生きられますよ。」
 「ありがたい。」
住人は喜ぶ。
 りくは沙也加に
 「ありがとうございます。」
と礼を言うが沙也加は
 「植物は村の外に広がっています、これはどうにもなりません。」
 「先生が回って取り去ることはできませんか。」
 「まず、信じてもらえないでしょうし、どのくらい広がっているのかわかりません。」
 「そうですか、わたくしの彼女を見てもらえませんか。」
 「分かりました。」
りくは恋仲の裕子を連れてくる。
 沙也加とたすくが彼女を見るが植物は生えていない。
 りくは羽根村の早死にを解決したが裕子の両親はりくの話を信じることはない。
 りくと裕子は彼女の両親の反対を押し切って結婚する。
 その頃から羽根村では60歳を超えて生きる人が出てくる。
 そして、村の早死には過去のものとなる。
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