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第122話 視線

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 ある日、男が海に魚釣りに行く、途中から視線を感じる。
 男はギャラリーが見ているものと思い無視する。
 釣りは日が暮れ夜釣りになる、視線はずうっと感じたままだ。
 釣りを止めることにして振り返ると誰もいない。
 それから男は視線を感じ続ける。
 仕事をしているときも寝ているときも感じるが姿は見えない。
 数日が経つが視線は続いている。
 男が洗面台で顔を洗っている時、鏡を見ると一瞬、鏡に映る。
 水に濡れた男が目をむいて男の斜め後ろから見ているのだ。
 男はびっくりして後ろを見るが何もいない。
 それから、男は後ろが気になる。
 鏡を見る時は、またあの男が映るのではないかと気になる。
 男は困り、探偵事務所に電話するが精神科へ行くように言われる始末だ。
 そして、沙也加の探偵事務所に電話する
 「あの気のせいとかじゃないんです、見られているんです。」
 「どのように見られているのですか。」
 「斜め後ろから水に濡れた男が目をむいて見ているんです。」
 「どうしてそのようなことになったのですか。」
 「海に釣りに行って、視線を感じるようになりました。」
 「それから何があったのです。」
 「四六時中、視線を感じるようになりました。」
 「あなたの言う男は出てきませんが。」
 「それは洗面台で顔を洗っている時、鏡に映り込んだのです。」
 「そうですか。」
 「嘘は言ってません。」
 「分かっています、一度事務所まで来ていただけますか。」
 「お願いします。」
男は初めて話を信じてもらえそうな気がする。
 沙也加の探偵事務所に男が訪れる。
 沙也加はたすくと手をつないでいる。
 男は沙也加に言う
 「姿が見えませんが確かにいるのです。」
 「ええ、憑いているようですね。」
 「憑いているのですか。」
 「はい、男の霊が憑いています。」
 「どうしたらいいでしょうか。」
沙也加はペットボトルから水を出し、水の刃を作り、男の霊に切りつける。
 男の霊は水の刃と共に霧散する。
 男は水を使った手品のようなものに驚く
 「今、何かしたのですか。」
 「霊を祓いました、もう大丈夫ですよ。」
沙也加が言う。
 確かに男は視線を感じなくなる
 「ありがとうございます。」
男は礼を言う。
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