水の巫女の助手になる

第97話 美月と一条

　中野たすくは明城大学の学生である、同じ学部の一条みおが声をかけてくる。
　「沙也加さんの探偵事務所どうしたの、しばらく休むって張り紙があったけど。」
　「沙也加、ケガをして入院しているんだ。」
　「なんで教えてくれなかったの。」
　「いやー、聞かれなかったから。」
　「冷たいわよ、でも困ったな。」
　「どうかしたの。」
　「友だちがストーカー被害に遭っていたんだけど、警察にその人捕まったの。」
　「良かったんじゃないの。」
　「それから、友達が寝込んでいるのよ。」
　「病気？」
　「う～ん、少し変なのよ。」
　「どうかしたの。」
　「何か感じるんだけど霊は見えないわ、それで沙也加さんに頼もうとしたの。」
　「なら、美月さんに頼んだら。」
　「あの黒づくめの人。」
　「そう、今、美月さんの所でバイトしているから聞いてみよう。」
　「そうね。」
たすくと一条は美月の家に行くことになる。
　五條家を訪れると
　「たすく様、今日は女連れですか。」
　「今日は依頼者を連れてきました。」
　「そうですか。」
美月の機嫌が悪そうだ。
　３人は離れに行く。
　一条は美月に説明する
　「友だちにストーカーしていた人が捕まったんですけど、その後、友達が寝こんでしまったんです。」
　「疲れが出たのではないですか。」
　「私、霊が見えるのですが、友達の部屋、何か感じるんです。」
　「そうですか、で依頼料はもらえるんでしょうね。」
　「友だちが払えなかったら、私が払います。」
一条は美月を沙也加さんに似てお金に厳しいと思う。
　３人は友達の家に行く、アパートの２階にある部屋である。
　部屋に入ると美月は
　「これ呪われているわよ。」
友だちは
　「あの男だわ。」
と言う、一条か聞く
　「どういうこと。」
　「自分は霊能者だって言っていたの。」
　「霊能者かどうかは分からないけど呪いは本物ね。」
美月が言う。
　たすくと一条にベットをどかせると呪具を使って不思議な文様を描く。
　そして、美月は気を流し込む
　「これでいいわ。」
　「呪いはどうなったんですか。」
一条が質問する
　「呪いをかけた本人の所に帰ったわ。」
呪いをかけたから返されても仕方ないと美月は言うが、呪い屋の言葉に説得力はない。