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第94話 美月の仕事

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 美月に呪いの依頼が来る、しかし彼女は浮かない顔をしている
 「美月さんどうしたの。」
たすくが尋ねる
 「この依頼、この前ムカデで呪った相手なの。」
 「今度は前の依頼者を呪うのでしょうか。」
 「これも仕事だから仕方ないわ。」
美月とたすくは依頼者の家に行く。
 移動は運転手付きの車である。
 美月は黒ずくめの衣装を着ている。
 依頼人は青い顔をしている
 「すみません先日まで病で寝込んでいましたので。」
 「そうですか、無理なさらないように。」
美月はまるで何も知らないように話す
 「私はあるプロジェクトのリーダーをしていたのですが病に倒れてダメにしてしまいました。」
 「それは大変ですね。」
 「私は会社の出世コースから外れることになります。」
 「・・・」
美月は黙り込む
 「今日はぜひ果たして欲しい依頼があるのです。」
 「それは何でしょう。」
 「私は病気のために寝込んでいたと思っていました、しかし原因は分からなかったのです。」
 「そうですか。」
 「ある霊能者に見てもらいました、これは呪いだと言われました。」
 「呪った相手を呪ってほしいのですね。」
 「ええ、五條美月を呪い殺してください。」
美月は立ち上がり、たすくに叫ぶ
 「たすく逃げなさい。」
男はナイフで美月の腹を横一文字に切りつける。
 たすくは玄関から外に飛び出し、叫ぶ
 「人殺しだー」
そして110番をする。
 しかし話をしている余裕はない。
 玄関から飛び出てきた美月の髪を男が掴むと彼女はうつぶせに倒れる。
 男は馬乗りになり美月の背中を何度もナイフを突き立てる。
 たすくは男に体当たりし、ナイフを取り上げる。
 男は大人しくなる。
 たすくが叫ぶ
 「美月さん。」
しかし美月は動かない、背中は血に染まっている
 「ざまあみろ。」
男は笑い出す。
 たすくは稲荷の使いからもらった勾玉に美月を助けてと願いを込める。
 美月の出血は止まり傷口は消える。
 警察が駆けつけてきて男を逮捕する。
 その時になって美月は起き上がる。
 男は驚く
 「何でだ、あんなに切りつけて、突きさしたのに死んでいるはずだ。」
 「美月さん大丈夫なのですか。」
 「たすく様が傷を塞いでくれたんでしょ。」
 「はい、お稲荷様の使いの勾玉のおかげです。」
 「私、防刃ベスト来ているの。」
 「そうなんですか。」
 「恨まれる仕事だからね、でも、背中を突かれた時、防刃ベストを突きぬけていたわ。」
 「危なかったですね。」
 「これじゃ依頼料もらえないわどうしましょ。」
たすくは美月も沙也加と同じお金にこだわる性格だと知る。
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