上 下
76 / 144

第76話 牛頭沼3

しおりを挟む
 白い着物の鬼女は、再び突然姿を消す。
 いきなり沙也加が突き飛ばされ、地面に倒れる。
 振り返った沙也加は、鬼女がたすくの後ろに立っているのを見る。
 たすくは、沙也加が突然飛ばされ驚くが、すぐに後ろに異様な気配があるのに気づく。
 彼は、恐る恐る振り返る、そこには、さっき前に立っていた鬼女が間近にいる。
 赤い目はたすくを見つめる、彼は逃げないといけないと思うが体が言うことを効かない
 「たすく、離れて!」
沙也加が叫ぶのが聞える。
 鬼女はたすくを抱きしめ、そのまま沼の方へ移動する。
 彼は何とか逃れようとするが鬼女の力は強い。
 鬼女はたすくを逃すまいと抱きしめる力を強める。
 彼の体に鬼女の胸が押し当てられる。
 彼は命の危機に瀕しているのに鬼女の双丘に意識が向く。
 彼の体は陽の光で輝き始める。
 鬼女は光に焼かれ、たすくを手放すと後ずさる。
 鬼女は肥大化し、茶色い牛の体に鬼の頭を持つ正体を現す
 「うおおおぉぉー」
と叫びながらのたうつ。
 鬼はまだ光のダメージに苦しんでいる。
 沙也加は沼の水で水の刀を作り、鬼に切りかかる。
 彼女は、鬼の首を落とそうとするが途中で刀が止まり、刀が折れる。
 すると牛の体をした鬼は沼の中に逃げ込む。
 沙也加は鬼を気配を沼の水を使って追うが突然、消えてしまう。
 「沙也加、大丈夫。」
たすくが突き飛ばされた沙也加を心配するが、彼女は彼を白い目で見ながら
 「鬼女に抱き着かれて気持ちよかったの。」
 「何のこと。」
 「たすく、光出したでしょ。」
 「そ、それは胸が・・・」
 「胸がどうしたの。」
 「ごめん。」
 「変態。」
沙也加の機嫌は直らない。

沙也加はテレビ支局の局長に報告する
 「沼には牛鬼が現れること」
 「これを退治することが難しいこと」
 「牛頭沼の取材はやめた方が良いこと」
である。
 局長は沙也加に聞く
 「牛鬼には勝てませんか。」
 「分かりません、首を落とそうとしましたが水の刀が折れてしまいました。」
 「そうですか、古馬先生でもダメなら諦めましょう。
テレビの取材は中止になる。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

【一話完結】3分で読める背筋の凍る怖い話

冬一こもる
ホラー
本当に怖いのはありそうな恐怖。日常に潜むあり得る恐怖。 読者の日常に不安の種を植え付けます。 きっといつか不安の花は開く。

〇〇少女ワールド 2

渋谷かな
ホラー
ゾンビやおバカの出るホラー的な展開です。 登場人物の紹介。 大神家。 姉の真理亜、16才、高校1年生。超能力少女、サイキック少女、タイキック少女、天照少女。 妹の楓、7才、小学一年生。超能力少女。 まだ見ぬ兄の一郎、年齢不詳、職業不詳。 父、慎太郎、年齢不詳、世界的に有名なマジシャンらしい。 母、ひばり、年齢不詳、専業主婦。 お友達の〇〇少女たち。 アリア、魔法少女。 イリア、ゾンビ少女。 ウリア、コンビニ少女。コンビニオーナーの御令嬢少女、コンビニオーナー少女。 エリア、いいね少女。 オリア、探偵少女、名探偵少女、呪い少女。 カリア、悪い少女、良い少女。 キリア、教会少女、シスター少女。 クリア、邪な少女、記憶喪失少女 ケリア、暗い少女、明るい少女。根暗少女、一人ボッチ少女、いじめれっ子少女。 コリア、〇〇少女、鈍感少女。韓国少女、K-POP少女。 サリア、破壊少女、壊す少女。破れる少女。 シリア、悪夢少女、病弱な少女、眠り少女。 スリア、教師少女、女教師少女。勉強大好き変態女教師少女。お友達女教師少女。 セリア、悪夢少女。ナイトメア少女。 あらすじ。 テーマは愛と友情と絆と感動の、お友達である。テーマをお友達。週刊少年マンガのようなテーマにすると意外と書けるものであった。 内容はどんな大ヒット作も同じ。それが7つのボールなのか、海賊王なのか、巨人なのか、クリスタルなのか、少しテーマが違うだけ。後はキャラクター・デザインがカッコイイかカワイイかで一般大衆ウケするかどうかだけ。ストーリーを変え過ぎても世界観に世の中がついてこれないのが現代人。 作者には珍しく世界観の出来上がった作品です。だって10万字既に書いて「2」だもの。アハッ!

帝国海軍の猫大佐

鏡野ゆう
キャラ文芸
護衛艦みむろに乗艦している教育訓練中の波多野海士長。立派な護衛艦航海士となるべく邁進する彼のもとに、なにやら不思議な神様(?)がやってきたようです。 ※小説家になろう、カクヨムでも公開中※ ※第5回キャラ文芸大賞で奨励賞をいただきました。ありがとうございます※

鹿翅島‐しかばねじま‐

寝る犬
ホラー
【アルファポリス第3回ホラー・ミステリー大賞奨励賞】 ――金曜の朝、その島は日本ではなくなった。  いつもと変わらないはずの金曜日。  穏やかな夜明けを迎えたかに見えた彼らの街は、いたる所からあがる悲鳴に満たされた。  一瞬で、音も無く半径数キロメートルの小さな島『鹿翅島‐しかばねじま‐』へ広がった「何か」は、平和に暮らしていた街の人々を生ける屍に変えて行く。  隔離された環境で、あるものは戦い、あるものは逃げ惑う。  ゾンビアンソロジー。   ※章ごとに独立した物語なので、どこからでも読めます。   ※ホラーだけでなく、コメディやアクション、ヒューマンドラマなど様々なタイプの話が混在しています。   ※各章の小見出しに、その章のタイプが表記されていますので、参考にしてください。   ※由緒正しいジョージ・A・ロメロのゾンビです。

おとなしあたー

音無威人
ホラー
ミステリー、恋愛、ホラー、コメディなど様々なジャンルをごちゃまぜにした短編集。皮肉めいた話や残酷な話が多め。念のためR15に。 ※小説家になろうにも掲載しています

『ショート怪談』訪れるもの

見崎志念
ホラー
何が来ても受け入れてはいけません

ハイ拝廃墟

eden
ホラー
主人公の久礼開扉(くれいあくと)は、自殺志願者を募るサイトの管理人をしている。 「もう死にたい」 「楽になりたい」 そんな思いを抱いてやってくる者たちに、久礼は実験に協力するよう呼びかける。 実験に協力することを承諾した自殺志願者は、久礼によって廃墟に案内される。 そこで行われる実験とはいったい――――。 https//www.zisatsusigannsyahaihaihaikyoXXXXXXXXXXXX 『ハイ!今日逝こう』 死にたい人募集。 楽にしてあげます。 管理人~クレイ~

【完結】僕の不在証明

花柳 都子
ミステリー
 僕こと逆木梓は、20歳の冬に死んだ。目が覚めたのは死後の世界。この世にもあの世にも存在しない場所。そこで出会ったひとりの男。僕は問われる。『もしも生まれ変われるとしたら、もう一度自分がいいか』それとも『別人がいいか』。答えは決まっている。前者を選ばない人間がいるものか。僕は僕がいい。そこで課された『生まれ変わり認定試験』。“走馬灯“を辿りながら自らの人生を改めることができれば合格。晴れてもう一度自分の人生を生きられる。果たして証明するのは『生きた証』かそれとも『そこにいなかった証』か。あの世でもこの世でもない世界で宙ぶらりんの僕は、自らの『存在証明』をするため、過去の旅へと出発する──。

処理中です...