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第60話 稲荷の使いの依頼3

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 翌日の深夜、沙也加とたすくは、浜田稲荷前の歩道にいる。
 今日は水を多量に持ってきている、2リットル入りペットボトル6本である、ペットボトルの蓋はすでに開けてある。
 深夜2時頃になると急に霧が出てくる、昨夜と同じだ。
 沙也加は水の陣を張り、妖が来るのを待つ。
 しばらくすると肉の塊のような妖が浮遊してくる。
 妖は5匹が列をなしている、先頭の妖が陣の前に来る。
 すると沙也加とたすくは口づけをする。
 たすくの体は、光だし周りは陽の光で待たされる。
 陣の前にいた妖は光に焼かれ消滅する。
 残りの妖も目を光でやられる。
 沙也加はたすくに言う
 「林の中へ」
 「はい」
たすくは浜田稲荷の松林に退避する。
 松林は結界になっており妖は入って来れない。
 同時に沙也加が水の刀と盾を作り、妖に立ち向かう。
 たすくは霊を見ることはできないが異界に行ったためか異形の姿が見えるように妖と姿も見ることができた。

 沙也加が2番目の妖を刀で真っ二つに切る。
 すると残りの3匹の妖は黒い髪の毛のようなものを逆立て、針のように飛ばす、妖は目が見えていないので全方位に針を飛ばしたため。
 妖どうしが針を打ち合う形になる、沙也加は水の盾で針を防ぎながら、3番目の妖を刀で串刺しにして刃を滑らせ切り裂く。
 彼女は4匹目の妖も刀で串刺しにして体を切り裂く、その時、5番目の妖が視力を回復する。
 妖は黒い髪の毛のようなものを数十本伸ばして湾曲させ、沙也加の体を串刺しにする。
 彼女は血を吐き、動きを止める。
 「さやかー」
 たすくは叫びながら林から飛び出し妖に体当たりするが妖の針の雨を浴びてしまう。
 たすくは力を振り絞って沙也加の所に行くと口づけをする。
 たすくの体は再び光だし妖を消し去り、沙也加を串刺しにし、たすくに刺さった毛のようなものも消し去る。
 しかし、体に空いた穴は塞がらず、多量の血を2人は流す
 「沙也加」
たすくが呼びかけるが返事は無い。
 彼も体が重く動けない。
 彼は死を覚悟する。
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