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第28話 公方良賢の事件

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 ある親族経営会社の社長が原因不明の病に倒れる。
 医師が手を尽くしても原因は不明でだんだん弱っていく。
 最後は神にすがる思いで知り合いのつてを頼って、お祓いで実績のある神主に見てもらう。
 神主は、呪いにかけられていると説明し、お祓いをするが失敗する。
 神主も同じ呪いに掛かり倒れてしまった。

 公方良賢から、古馬沙也加が独り立ちして、半年が経過する頃、良賢の元に呪いの話が持ち込まれる。
 「解呪はしておりませんので申し訳ありません。」
良賢は断るが、依頼者は
 「もう頼るところがありません、見るだけでもお願いできないでしょうか。」
 「分かりました、お力になれるか分かりませんが行きましょう。」
こうして公方良賢は、呪いにかかわってしまう。

 呪いに倒れた社長の元に良賢は訪れる。
 良賢が見ると全身に汚物のようなものが張り付き、うごめき、体内にまで侵入しているのが分かる。
 良賢ははっきりと言う
 「あなたは長くはありません、死ぬ前にすることはありますか。」
 「これは、私が社長になったことを快く思っていない者の仕業でしょう、そいつらの思い通りにさせたくありません。」
社長も死を覚悟していたのか、要望を伝える。
 「分かりました、一時的ですが動ける力を差し上げましょう。」
良賢はそう言うと丹田に手を当て力を送る。
 「これで立てますよ。」
社長は動かなくなった体を起こす。
 「凄い」
 「これは一時的です、毎朝、私がこれをしますので、命があるうちに目的を果たしてください。」
 「感謝します。」
それから社長は精力的にうごく、社内の体制を見直し、1カ月かけて、社長候補に居座っていた者を排除し、候補ではなかった専務を社長候補に据える。
 そして、社長は力尽きるように眠りにつく。

 良賢は社長に近い親族から感謝されたが
 「私は救えなかったのですよ。」
といい、謝礼を受け取らなかった。
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