上 下
85 / 87

第85話 影鬼5

しおりを挟む
 鬼は心臓を貫かれ死んだはずである。
 しかし、貫かれ壊された心臓は再生を始める。
 鬼のこぶだらけの体が滑らかに変化する。
 たけるに切り飛ばされた右手も再生している。
 鬼は、鈴鹿の血肉を取り込み、体のつくりが変化したのだ。
 鬼は、鈴鹿の前に立つ。

 たけるは刀で手のひらを切り、彼の刀、羽左衛門ノ贄ノ夜叉に血を吸わせる。
 刀は赤く輝く。
 彼は刀で影を切りつける。
 影は裂け、波立つ。
 彼は、裂け目から影の中へ入る。
 中は黒く暗いが鬼と鈴鹿の姿は、はっきり見える。
 たけるは鬼の後ろに立って言う
 「鈴鹿、大丈夫か。」
 「ええ、鬼が私の血肉を取り込んで強くなったわ。」
 「切るのに変わりはない。」
たけるは言い切る。
 鬼は右手刀で鈴鹿の心臓を狙うが、彼女は避け、右腕を切り落とそうとする。
 しかし、鬼は素早い動きで刀を避ける。
 さらにたけるが後ろから切りかかるが、鬼は体を傾けぎりぎりで避ける。
 鬼は、左の手刀でたけるの首を狙う、彼は神速で後退して避ける。
 さらに鬼は追撃して、左の手刀でたけるの心臓を貫く。
 たけるは、目の前が暗くなり倒れる。
 鬼は左手に付いた血をうまそうになめる。
 鈴鹿は怒り、神速で鬼の前に立つと首を狙って刀をふる。
 鬼は半歩下がり体をそらし、刀を避ける。
 鈴鹿と鬼の戦いは膠着状態から徐々に鈴鹿が押され始める。
 彼女は鬼の手刀をかわしているが、体に鬼の手刀でつけられた傷が増えてくる。
 しかし、傷はふさがり消えていくので大きなダメージにはならない。
 鬼は鈴鹿の刀を完全にかわしている。
 戦いは鬼に優位に進んでいるが、一点見落としている。
 鬼の心臓に刀が生える。
 刀は赤く輝き鬼の血を吸っていく。
 たけるの心臓が再生して復活すると鬼の後ろから刀で心臓を貫いたのだ。
 呪われた鬼切の刀は鬼の血を吸い尽くす。
 鈴鹿はミイラ化した鬼の首をはねる。
 すると鬼の鬼気は消える。

 外では影に変化が起きる。
 影が盛り上がるとはじけて消える。
 後には、たけると鈴鹿、鬼の死体が残る。
 たけるは気持ちを落ち着け刀を鞘に納める。
 刀は虚空へと沈んでいく。
 彼の心の中はまだ鬼への憎しみで満たされている。
 憎しみの沼の中でもがき這い出ようとする。
 その時、暖かい光が差し、彼は這い出ることができる。
 たけるが気が付くと鈴鹿が抱き着いている。
 「助けに来てくれたのね。」
 「ああ、当然だ。」
たけるは照れくさそうに言う。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

淫らな蜜に狂わされ

歌龍吟伶
恋愛
普段と変わらない日々は思わぬ形で終わりを迎える…突然の出会い、そして体も心も開かれた少女の人生録。 全体的に性的表現・性行為あり。 他所で知人限定公開していましたが、こちらに移しました。 全3話完結済みです。

今日の授業は保健体育

にのみや朱乃
恋愛
(性的描写あり) 僕は家庭教師として、高校三年生のユキの家に行った。 その日はちょうどユキ以外には誰もいなかった。 ユキは勉強したくない、科目を変えようと言う。ユキが提案した科目とは。

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

とある高校の淫らで背徳的な日常

神谷 愛
恋愛
とある高校に在籍する少女の話。 クラスメイトに手を出し、教師に手を出し、あちこちで好き放題している彼女の日常。 後輩も先輩も、教師も彼女の前では一匹の雌に過ぎなかった。 ノクターンとかにもある お気に入りをしてくれると喜ぶ。 感想を貰ったら踊り狂って喜ぶ。 してくれたら次の投稿が早くなるかも、しれない。

処理中です...