戦場で死ぬはずだった俺が、女騎士に拾われて王に祭り上げられる（改訂版）

第298話 カール司令官の決断

　ヘルヘイムのSPA砲の威力は大きく、1発で多量のムーラーを消している。接近するムーラーは、３０機のフレームシリーズと可動式ビームバルカン砲で掃討している。
　しかし、この状態はいつまでも続かない。ムーラの数が減らないのである。とうとうヘルヘイムにムーラーが取りつく、ムーラーは装甲を破り侵入する。
　ヘルヘイムは外部装甲と内部装甲の間にビーム兵器を備えている。侵入したムーラーはビーム兵器に焼かれる。ヘルヘイムはムーラーと戦うために造られているのである。
　SPA砲を撃ち続け、ヘルヘイムに近づくムーラーを掃討する戦いが続く。フレームシリーズが消耗してきたので、要塞の中で待機しているフレームシリーズと交代して補給する。
　カール司令官は、これだけの数がいて本拠地がないのを不審に思う。彼は、ムーラーに接敵していないレジナ、ヴィットリオ、ヴェネト、ルチヌ、クーロンヌ、ミッチェル、ハインド、トライアンフに小惑星帯まで下がるように指示する。
　ルーカス提督の艦隊がヘルヘイムに到着する。ルーカス提督は熱核弾頭ミサイルを撃ち込み援護する。さらにベネディット級４隻とスクルド級６隻がSPA砲を撃ち込む。
　フレームシリーズ８４機が戦いに加わる。やっとムーラーは数を激減しだす。しばらくするとムーラーは消滅する。
　カール司令官はルーカス提督に言う。
　「直ちに地球に向かってほしい。」「私は木星宙域へ行くように指示されました。」
　「本拠地は木星宙域にはいない。地球へすでに向かっている。」「分かりました。」
ルーカス提督は方向転換して地球へ向かう。カール指令官は状況を報告する。
　彼はムーラーの群れの中にいるベネディット、ホワイトアースは、ゲリエール、ケベックに合流するように指示する。
　さらにゼラス、レパルスに戻るように指示する。ベネディット、ホワイトアースとゲリエール、ケベックはムーラーの群れを引き連れて近づいてくる。
　カール指令官はSPA砲の発射準備を指示する。
　「SPA砲、圧力規定値に到達」「４隻に射線から離れるように指示」
　「射線から離れました」「撃て」
エネルギーの本流が吐き出されムーラーの群れを焼いて、消し去る。ゼラス、レパルスもムーラーの群れを引き連れている。
　カール指令官はSPA砲の発射準備を指示する
　「SPA砲、圧力規定値に到達」「ゼラス、レパルスに射線から離れるように指示」
　「２隻とも射線から離れました」「撃て」
エネルギーの本流が吐き出されムーラーの群れを焼いて、消し去る。カール指令官はヘルヘイムを地球に向けて移動を開始させる。
　ベネディット、ホワイトアース、ゲリエール、ケベック、ゼラス、レパルスを補給ののち地球へ先行させる。