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第104話 ヴィットリオ接敵

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 ヴィットリオのドミニク艦長は、二交代制にして、搭載機のクリスを2機づつ索敵出している。今は、シーム3、シーム4が索敵に出ている。
 そんな中、異変が起きる。ヴィットリオのパイロットたちは程度の差こそあれ、みんな嫌な気配に気づき戦闘態勢に入り、クリスのコックピットへ急ぐ。
 彼らは、命令もないのに管制官に発進許可を求める。ドミニク艦長はパイロットの勘を信じてクリスの発進許可を出す。
 クリスは、強化ユニットを装備した4機のクリスを含めて全機が発進していく。しかし彼らの向かう方向は四方八方に散らばっている。
 ドミニク艦長はパイロットたちの勘を信じているが、パイロットたちの行動に疑問を持つ。索敵中のシーム4からムーラーと接敵の連絡を受ける。
 直ちに月裏側の基地へ連絡が飛ぶ。そして、発進していったパイロットたちから次々とムーラーとの接敵の連絡が入る。
 ヴィットリオは、接敵の情報からムーラーの球状の群れの中に囚われていることが分かる。ドミニク艦長はヴィットリオを90度上方に進路を変え、SPA砲の発射準備を指示する。
 「SPA砲の発射用意。」「了解。バレルロック解除します。」
 「バレルの状況はどうか。」「バレルのロック解除よし、2門ともバレル内圧力、上昇中」
 「射線上のクリスに退避指示。」「了解。」「バレル内圧力規定値に到達、クリスの退避終了」
 「直ちに撃て。」「発射」
ヴィットリオの艦首からエネルギーの激流が吐き出され前方のムーラーの群れが飲み込まれ消滅する。
 「ヴィットリオ、最大船速、包囲を抜ける、クリスに通信、我に続け」
ヴィットリオと12機のクリスは包囲を抜ける。
 ドミニク艦長はフリッツ・バルテル副長に確認する。
 「ムーラーは早いが長時間速度は維持できなかったな。」「ヴェネトの戦闘報告にそうあります。」
 「さて、俺たちはどう片付けるかな。」
ヴィットリオのレダーは後方がムーラーの陰で埋め尽くされている、
 強化ユニットを装備した4機のクルスがSPA砲を撃ち込むが、ムーラーの数が多すぎて効果が判らない。
 それにSPA砲は連射ができない、一度撃つとバレルの冷却時間がいる。
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