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14章 海から来たもの

7話 沙衣、島へ行く

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 船宿に戻ると沙衣は梨沙子から詳しい事情を聞く。梨沙子は宇高の島へ来た時からのことを話し始める。
 「私は島の外から夫の元へ嫁ぎました。まだ結婚してから一カ月経っていません。」
 「島にはマビメ様と言う生き神様がいます。ずうっと若い姿のままで銀髪の着物を着た美しい人です。」
 「彼女は水を操ったり、抱いた男を意のままにする力を持っています。彼女は仕え人と言う男を従えていました。」
 「私が結婚して2週間後に仕え人が急死しました。それでマビメ様は新しい男を探し始めました。」
 「彼女は夫を新しい仕え人に選びました。私は夫を奪われたのです。」
 「私は、島に行ってマビメを殺せばいいのね。」
話を聞いていた沙衣は梨沙子に言う。
 「そんなことできるのですか。」「戦ってみないとわからないわ。」
 「お願いします。助けてください。」「分かったわ。」
沙衣は梨沙子の依頼を受けることにする。
 「それでどうやって島へ行くの。」「知り合いの漁師に迎えに来てもらいます。」
梨沙子は漁協で無線を借りると知り合いの漁師に連絡を取る。
 3人は1時間ほど待つと漁師が港に来る。漁師は梨沙子に言う。
 「梨沙子ちゃん、本当に島へ帰るのかい。」「はい。」
 「やめた方が良いと思うよ。島の若い衆が梨沙子ちゃんを嫁にしょうと待ち構えているよ。」「私は、はまおさんを取り返します。」
 「マビメ様は水を操るから殺されてしまうよ。」「沙衣さんに助けてもらいます。」
 「このお嬢さんかい。悪いことは言わないからやめておきな。」
沙衣は無言で水の刀を作りだし漁師に突き付ける。漁師は青くなる。
 「この方は、マビメ様と同じなのかい。」「私は探偵です。水を操る力を持っています。」
祐二は、沙衣を探偵とは呼べないと思うが黙っておくことにする。
 「じゃあ、そちらの男は仕え人かい。」「僕はアルバイトです。」
祐二は沙衣と抱き合えるのなら仕え人になってもいいと思う。
 漁師は3人を船に乗せて、宇高の島へ向かう。港に着くと若い衆が待ち構えていたが沙衣の姿を見ると逃げ帰って行く。
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