上 下
80 / 119
14章 海から来たもの

2話 仕え人

しおりを挟む
 梨沙子は島に来てから積極的に島の人々と交流していく。彼女は島で喫茶店を開こうと考えている。
 島の人々の協力なしでは経営が成り立たないので、積極的に動いているのだ。
 はまおと梨沙子の結婚式が行われて2週間後、マビメ様の仕え人が急死する。
 マビメ様が崖に咲いている花を所望したので、仕え人がその花を取りに崖へ行き、転落死したのである。
 死んだ仕え人は人々によって葬式に出される。式が終わると人々は不安そうに次の仕え人に誰が選ばれるかささやき合う。
 仕え人はマビメによって選ばれる。仕え人になるとマビメの物となり、家族と引き離される。仕え人が自由になるのは死んだときだけである。
 マビメが島を徘徊し始める。マビメは銀髪の美しい女であるが、男たちは恐れて家に引きこもる。
 梨沙子は島を回っている時、銀髪の美しい女にすれ違う。彼女は「きれいな人」と思うが因縁の相手になるとは思っていない。
 彼女は、仲良くなった漁師の妻と話をする。
 「マビメ様、島をうろついているから落ち着かないねえ。」「マビメ様はどんな姿なのですか。」
 「銀髪で着物姿のきれいな方だよ。」「私、さっきすれ違いましたよ。」
 「大丈夫だったかい。マビメ様は不思議な力を使うそうだよ。」「どんな力ですか。」
 「聞いているのは、水を操ったり、抱いた男を意のままにするそうだよ。」「どうして島をうろついているのですか。」
 「仕え人が死んでしまっただろ。だから新しい男を探しているのさ。」「だから男の人たちは家にこもっているのですね。」
 「みんな、仕え人にはなりたくないからね。はまおさん若いから気を付けてね。」「教えてくれてありがとうございます。」
梨沙子は島の中を人々が出歩かなくなった理由を知る。はまおが家にこもっていることも納得がいく。
 彼女は、マビメにかかわらないようにするため家に帰ることにする。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

保健室の秘密...

とんすけ
大衆娯楽
僕のクラスには、保健室に登校している「吉田さん」という女の子がいた。 吉田さんは目が大きくてとても可愛らしく、いつも艶々な髪をなびかせていた。 吉田さんはクラスにあまりなじめておらず、朝のHRが終わると帰りの時間まで保健室で過ごしていた。 僕は吉田さんと話したことはなかったけれど、大人っぽさと綺麗な容姿を持つ吉田さんに密かに惹かれていた。 そんな吉田さんには、ある噂があった。 「授業中に保健室に行けば、性処理をしてくれる子がいる」 それが吉田さんだと、男子の間で噂になっていた。

401号室

ツヨシ
ホラー
その部屋は人が死ぬ

【1行文ホラー】世の中にある非日常の怖い話[完結済]

テキトーセイバー
ホラー
タイトル変更いたしました 恐怖体験話を集めました。かなり短めの1行文で終わります。

体育教師に目を付けられ、理不尽な体罰を受ける女の子

恩知らずなわんこ
現代文学
入学したばかりの女の子が体育の先生から理不尽な体罰をされてしまうお話です。

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

飢餓

すなみ やかり
ホラー
幼い頃、少年はすべてを耐えた。両親は借金の重圧に耐え切れず命をとうとしたが、医師に絶命された少年にはその後苦難が待っていた。盗みに手を染めてもなお、生きることの代償は重すぎた。 追い詰められた彼が選んだ最後の手段とは――「食べること」。 飢えと孤独がもたらした行為の果てに、少年は何を見出すのか___…

鐘ヶ岡学園女子バレー部の秘密

フロイライン
青春
名門復活を目指し厳しい練習を続ける鐘ヶ岡学園の女子バレー部 キャプテンを務める新田まどかは、身体能力を飛躍的に伸ばすため、ある行動に出るが…

追っかけ

山吹
ホラー
小説を書いてみよう!という流れになって友達にどんなジャンルにしたらいいか聞いたらホラーがいいと言われたので生まれた作品です。ご愛読ありがとうございました。先生の次回作にご期待ください。

処理中です...