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13章 チェンジリング

プロローグ

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 山を切り開いて作られた住宅地に相通そうつうゆたかは生まれる。住宅地には同じ年頃の家族が住んでいるため、ゆたかには同じ年頃の友達が多い。
 彼らは、山の中を遊び場としている。親たちには山の奥には行かないように言われていた。ゆたかは幼稚園から帰ると毎日のように友達と遊んですごしている。
 小学校の入学を控えた春、ゆたかは友達と山で遊んでいるさなか行方不明になる。友達は山の中を探すが見つからない。夕方になって友達は親に報告する。
 近所の大人たちが集まり、夜の山を探すが見つからない。ゆたかの両親は警察に行方不明の届け出を出す。
 次の日から警察と消防団が山狩りを行う。しかし、なかなか見つからない。母親は真新しいランドセルを抱きしめてゆたかの帰りを待つ。
 3週間、警察と消防団の山狩りが行われたが何の成果も得られず、山狩りは終了する。
 ゆたかの両親は悲嘆にくれる。ゆたかの部屋の勉強机とランドセルが相通家を空虚なものにしている。
 ゆたかが行方不明になってから1か月経った朝、住宅街の住民が散歩をしていると道をふらふらと歩く、ゆたかを発見して保護する。
 ゆたかは救急車で病院に搬送される。病院の検査で彼は何の異常もないことが判る。
 両親は喜んでゆたかを迎えに行く。しかし、彼は両親を覚えていなかった。というより言葉すら忘れて赤子の状態になったいた。
 それでも両親は彼が帰ってきたことに感謝し、根気強く、言葉から教えていく。
 こうして、ゆたかは1年遅れで小学校へ入学する。ゆたかは帰って来てからおかしな行動をするようになっていた。
 彼は何もない空間を見つめたり、誰もいないのに話をしたりするのだ。母親は気味悪く感じていたが面に出さずにいた。
 山は相変わらず子供たちの遊び場となっている。ゆたかが行方不明になってから5年後、再び行方不明事件が起きる。
 警察と消防団が3週間山狩りを続けるがなんの成果も選らずに終わる。そして、1か月後、子供は住宅街を歩いているところを保護される。
 その子供もけがなどの異常はなかったが記憶を全て無くしていた。
 町内会で子供が山で遊ぶことが議題に上がり、今後、子供たちだけで山に入ることが禁止されることになる。
 その後、子供の行方不明はなくなる。ゆたかも無事成長を続け、高校になるころには、何もない空間を見つめたり、誰もいないのに話をしたりすることはなくなる。
 ゆたかが大学へ進学し就職活動を始めたころ、住宅街で事件が起きる。突然、住民の子供が行方不明になり、1か月後に発見されるが言葉を忘れるほど記憶が無くなっていた。
 ゆたかは自分に起きたことと同じだなと思う。この時、すぐるから連絡がある。
 彼は2人目の行方不明者でゆたかと同じ境遇だったので年が違ったが交流がある。彼はゆたかに言う。
 「僕は行方不明になった子がいなくなる前を見ました。」「霊か何かに操られていたの。」
 「いいえ、ただ頭から白いひものようなものが伸びていて操られるように山に入って行ったんです。」「誰かに話した。」
 「こんな話、ゆたかさんしか信じてくれないですよ。」「そうか、今は様子を見よう。」
2人は行方不明になってから、霊などが見えるようになっていた。
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