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9章 化け猫
プロローグ
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戦国の時代が終わって少し経った頃、那古に佐竹と言う藩士の家があり、その家には野良猫が住み着いていた。
猫は黒かったが足は足袋を履いたように白く、背中は牡丹の花のような白い模様があった。
子供の佐竹良房は、野良猫の面倒を見ていて、背中の模様からぼたんと名付けていた。
良房は大人になり、やがて年老いていき、70歳で亡くなる。この間、ぼたんは良房の傍らにいた。
佐竹の家の者は、ぼたんを化け猫と呼ぶものもいたが、良房の息子もぼたんを大事にする。
良房の孫良直の代になっても、ぼたんは良直に大切にされる。
良直に不幸が訪れる。道で同じ藩士の加納太郎と争いになり、刃傷沙汰の末、切り殺されてしまう。
息子の良光はまだ15歳で、敵を討つには力の差があった。しかし、良光は敵を討ちに行く。
この時、なぜか猫のぼたんが付いて来る。良光はぼたんに言う
「父の敵を討つ手伝いをしてくれないか。」
ぼたんはニヤーとだけ鳴く。
良光は加納太郎と対峙する。良光は勇気を振り絞って切り込んでいくが太郎の刀に軽々と弾き飛ばされる。
太郎は良光に止めを刺そうとする。この時、巨大な爪が振るわれ、太郎は刀を両腕ごと切り飛ばされる。
良光の後ろには巨大な化け猫が姿を現している。太郎は我を失って茫然としている。良光は刀を拾うと太郎の心臓に刀を刺す。
こうして良光はかたき討ちに成功する。彼は後にぼたんがかたき討ちを手伝ったことを話すが信じる者はいない。
良光は、年を取り代を息子に譲って隠居する。彼にはぼたんに話しかける癖がある。
ある時、酒を飲んでいるとぼたんが欲しそうな顔をしているので皿に酒を入れてやる。
ぼたんは、皿の酒を飲み干す。良光は酒を注いでやる。
良光の話は父親の話になり、敵の加納太郎の話になる。良光はぼたんに言う。
「あの時はありがとう。加勢してくれなければ死んでいただろう。」
「わしも良直を殺されて腹に据えかねておった。礼はいらんよ。」
良光は聞き違いかとも思ったが、確かにぼたんが話ている。
「ぼたん、おまえさん、話せたのか。」
「内緒にしておくれ、言ってもボケたと思われるだけだがな。」
「私とお前さんの秘密だ。」
良光はぼたんと一杯やりながら話をするようになる。
そんな良光とも別れの時が来る。
ぼたんは、佐竹一族と共に時代を経て、過ごしていく。
ぼたんは良光のような変わり者が出てくると話をして過ごす。
そして一族を見守り続けている。それは現代まで続いている。
猫は黒かったが足は足袋を履いたように白く、背中は牡丹の花のような白い模様があった。
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良房は大人になり、やがて年老いていき、70歳で亡くなる。この間、ぼたんは良房の傍らにいた。
佐竹の家の者は、ぼたんを化け猫と呼ぶものもいたが、良房の息子もぼたんを大事にする。
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良直に不幸が訪れる。道で同じ藩士の加納太郎と争いになり、刃傷沙汰の末、切り殺されてしまう。
息子の良光はまだ15歳で、敵を討つには力の差があった。しかし、良光は敵を討ちに行く。
この時、なぜか猫のぼたんが付いて来る。良光はぼたんに言う
「父の敵を討つ手伝いをしてくれないか。」
ぼたんはニヤーとだけ鳴く。
良光は加納太郎と対峙する。良光は勇気を振り絞って切り込んでいくが太郎の刀に軽々と弾き飛ばされる。
太郎は良光に止めを刺そうとする。この時、巨大な爪が振るわれ、太郎は刀を両腕ごと切り飛ばされる。
良光の後ろには巨大な化け猫が姿を現している。太郎は我を失って茫然としている。良光は刀を拾うと太郎の心臓に刀を刺す。
こうして良光はかたき討ちに成功する。彼は後にぼたんがかたき討ちを手伝ったことを話すが信じる者はいない。
良光は、年を取り代を息子に譲って隠居する。彼にはぼたんに話しかける癖がある。
ある時、酒を飲んでいるとぼたんが欲しそうな顔をしているので皿に酒を入れてやる。
ぼたんは、皿の酒を飲み干す。良光は酒を注いでやる。
良光の話は父親の話になり、敵の加納太郎の話になる。良光はぼたんに言う。
「あの時はありがとう。加勢してくれなければ死んでいただろう。」
「わしも良直を殺されて腹に据えかねておった。礼はいらんよ。」
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「ぼたん、おまえさん、話せたのか。」
「内緒にしておくれ、言ってもボケたと思われるだけだがな。」
「私とお前さんの秘密だ。」
良光はぼたんと一杯やりながら話をするようになる。
そんな良光とも別れの時が来る。
ぼたんは、佐竹一族と共に時代を経て、過ごしていく。
ぼたんは良光のような変わり者が出てくると話をして過ごす。
そして一族を見守り続けている。それは現代まで続いている。
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