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2章 鏡界
4話 鏡の世界
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沙衣は書斎にいる。
だが、祐二と静子がいなくなっている。
代わりに男性が部屋の隅に座り込んでいる。
沙衣には、見覚えのある顔である。
彼女は男に話しかける
「赤城宗一さんですね。」
「君は、どうやってここに入ってきたんだ。」
「ここですか。」
「私の書斎にそっくりなのだが左右が逆なんだ。それに出ることが出来ない。」
「私は、あなたの奥さんに雇われた探偵です。」
「そうか、彼女は私を探しているのだな。」
「ここは鏡の中ですか?」
「私はそう考えている。」
「部屋のドアは開かないのですか。」
「試したが無理だった。」
「宗一さんは空腹にはならないのですか。」
「なっていない。どのくらいたったのかもわからない。」
「まるで時間が止まっているようですね。」
「どういうことだ。」
「宗一さんが失踪してから数日たっています。」
「そうか、私はずうっと囚われていくのか。」
宗一は頭を抱える。
沙衣は、窓を見る。
窓は青空を映し出しているが、窓は開けることが出来ない。
次にドアを開けようとするが開けることはできない。
沙衣は
「開きませんね。」
と独り言を言う。
宗一が独り言に反応する
「君もここから出られないんだよ。」
「私は中野沙衣と言います。」
「沙衣さん、君はどうするつもりだい。」
「元凶をつぶして外に出ます。」
「元凶?」
「何かあるはずです。」
沙衣はドアや壁を叩くが打撃音がしない。
まるで部屋が分厚い岩の壁に包まれているようだ。
次に窓に椅子を投げつけるが窓はびくともしない。
沙衣は、一旦落ち着くことにする。
彼女は椅子に座り考えを巡らせる。
祐二と樹は、宗一が姿見を買ったリサイクルショップに来ている。
祐二は、店員に聞く
「この店においていた姿見について教えてください。」
「その姿見は男の人が買っていきましたよ。」
「その男の人と探偵が1人消えているのです。」
それを聞いた店員は目を丸くする。
樹が店員に聞く
「何かあったのですね。」
「はい、家具コーナーに行った人がいなくなるように感じることがあったのです。」
「原因は分かったのですか。」
「いいえ、店長と相談して家具コーナーに防犯カメラを設置したのですが、それからは何も起きていなかったのです。」
「姿見を売りに来た人を教えてください。」
「個人情報ですから、店長に聞かないと教えることはできません。」
「すみませんが店長と連絡を取ってください。」
「分かりました。」
店員は店長と連絡を取る。
店員は2人に言う
「店長は6時頃には戻つてきますのでそれまで待ってください。」
「分かりました。出直すことにします。」
祐二と樹は一度戻ることにする。
2人が五條に戻ると美月と美湖は、鏡について書かれている書物を漁っている。
祐二と樹は2人に任せて休むことにする。
樹は祐二に聞く
「沙衣の助手をしていて大変ではないかい。」
「僕のするのは、荷物持ちですから大丈夫です。」
「それでも恐ろしい目に遭うだろ。」
「いいえ、僕、霊に鈍感なようで悪霊とか見えたことが無いんです。」
「そうなんだ。」
樹は、五條から沙衣に依頼する仕事は、いつも最悪のものばかりであることを知っている。
その仕事の手伝いをしていて平気なら本当に祐二は霊に鈍感なのだろう。
美月と美湖は鏡について調べているが、祭事に関する記述ばかりで、人を閉じ込める鏡については出てこない。
祐二と樹は時間が来たため、再びリサイクルショップに行く。
2人は6時半にリサイクルショップに到着する。
店には、店長が戻ってきている。
祐二は店長に言う
「姿見のために2人人が消えています。姿見について教えてくれませんか。」
「客が家具コーナーで消えるとは聞いていました。本当に人が消えているとは・・・」
「姿見を売りに来た人を教えてくれませんか。」
「あの姿見は、遺品の整理に持ち込まれたものです。」
「持ち主はなくなっているのですね。」
「そうです。独り身だったそうです。」
「遺族に会いたいのですが。」
「分かりました。特別ですよ。」
祐二と樹は、姿見を持ち込んだ遺族について教えてもらう。
2人は翌日、この遺族の所へ行く。
2人は遺族に言う
「清家さんがリサイクルショップに持ち込んだ姿見についてお話を聞きに来たのです。」
「私に話すことはありません。帰ってください。」
「姿見のせいで人が消えているのです。少しで構いませんので聞かせてくれませんか。」
「人が消えたのですか。」
「そうです。少なくとも2人消えています。」
「あれは叔父のコレクションです。」
「どこで手に入れたかわかりますか。」
「いいえ、あの姿見は白い布に巻かれ何か文様の描かれた紙が貼ってあったのです。」
「封印されていたのですね。」
「骨董屋が気味悪がって引き取ってくれなかったのでリサイクルショップに売ったのです。」
「叔父さんの日記とか残っていませんか。」
「あります。差し上げますのでこれ以上関わらないでください。」
祐二は日記を4冊渡される。
2人は五條家に戻り、日記を調べることにする。
そして、姿見のことが書かれているのを見つける
「鏡魔の姿見を手に入れる。」
「持ち主が次々と失踪しているそうだが、私は一目見て気に入る。」
「今日は友人を招いて姿見を見せる。」
「私の目の前で友人が消える。」
「友人が鏡のせいで消えたなど誰も信じないであろう。」
「私は、霊媒師を読んで姿見を見てもらう。」
「霊媒師は何ともならないと言い、白い布を巻いて文様を描いた紙を貼って封印をする。」
祐二と樹は日記を読んで持ち主にも何ともならず封印されていたことを知る。
祐二が言う
「鏡魔の姿見と言う名前なんですね。」
「いわくつきの品です。」
2人は美月と美湖に報告する。
美月はいう
「聞いたことありませんね。」
「持ち主が次々と失踪しているなんてとんでもないわ。」
美湖も言うが解決策は分からない。
沙衣は時間の感覚が判らなくなっている。
彼女は、椅子でドアを壊しにかかるが、ドアはびくともせず椅子が壊れる。
宗一が諦めたように言う
「無駄だよ。死ぬまでここにいるんだ。」
「私はごめんよ。」
沙衣は、ミネラルウォーターのペットボトルを取り出すと蓋を開ける。
彼女は、右の手のひらにペットボトルの水を流し始める。
水は流れ落ちず、右手の上で刀を形づくっていく。
宗一は、沙衣のすることに驚く。
沙衣は刀の密度を高めて、固く鋭くする。
刀でドアを切りつけると傷がつく。
沙衣は、さらに刀に集中して、固く鋭くする。
再び刀で切りつける。
今度はドアが切れる手ごたえがある。
宗一は沙衣に聞く
「なんだそれは。」
「水の刀です。私、水を操れるのです。」
沙衣は答える。
「信じられん。」
宗一は言うが目の前で起きているのだ。
彼は深く考えることをやめる。
ドアは刀の切り口からひび割れが発生する。
ひび割れは広がって行き、部屋全体に広がる。
すると部屋が割れる。
壁も塚も天井も粉々になる。
周りは暗い空間が広がっている。
しかし、暗くて見えないわけではない。
沙衣と宗一の姿は見えている。
そして、2人は何もないところに立っている。
だが、祐二と静子がいなくなっている。
代わりに男性が部屋の隅に座り込んでいる。
沙衣には、見覚えのある顔である。
彼女は男に話しかける
「赤城宗一さんですね。」
「君は、どうやってここに入ってきたんだ。」
「ここですか。」
「私の書斎にそっくりなのだが左右が逆なんだ。それに出ることが出来ない。」
「私は、あなたの奥さんに雇われた探偵です。」
「そうか、彼女は私を探しているのだな。」
「ここは鏡の中ですか?」
「私はそう考えている。」
「部屋のドアは開かないのですか。」
「試したが無理だった。」
「宗一さんは空腹にはならないのですか。」
「なっていない。どのくらいたったのかもわからない。」
「まるで時間が止まっているようですね。」
「どういうことだ。」
「宗一さんが失踪してから数日たっています。」
「そうか、私はずうっと囚われていくのか。」
宗一は頭を抱える。
沙衣は、窓を見る。
窓は青空を映し出しているが、窓は開けることが出来ない。
次にドアを開けようとするが開けることはできない。
沙衣は
「開きませんね。」
と独り言を言う。
宗一が独り言に反応する
「君もここから出られないんだよ。」
「私は中野沙衣と言います。」
「沙衣さん、君はどうするつもりだい。」
「元凶をつぶして外に出ます。」
「元凶?」
「何かあるはずです。」
沙衣はドアや壁を叩くが打撃音がしない。
まるで部屋が分厚い岩の壁に包まれているようだ。
次に窓に椅子を投げつけるが窓はびくともしない。
沙衣は、一旦落ち着くことにする。
彼女は椅子に座り考えを巡らせる。
祐二と樹は、宗一が姿見を買ったリサイクルショップに来ている。
祐二は、店員に聞く
「この店においていた姿見について教えてください。」
「その姿見は男の人が買っていきましたよ。」
「その男の人と探偵が1人消えているのです。」
それを聞いた店員は目を丸くする。
樹が店員に聞く
「何かあったのですね。」
「はい、家具コーナーに行った人がいなくなるように感じることがあったのです。」
「原因は分かったのですか。」
「いいえ、店長と相談して家具コーナーに防犯カメラを設置したのですが、それからは何も起きていなかったのです。」
「姿見を売りに来た人を教えてください。」
「個人情報ですから、店長に聞かないと教えることはできません。」
「すみませんが店長と連絡を取ってください。」
「分かりました。」
店員は店長と連絡を取る。
店員は2人に言う
「店長は6時頃には戻つてきますのでそれまで待ってください。」
「分かりました。出直すことにします。」
祐二と樹は一度戻ることにする。
2人が五條に戻ると美月と美湖は、鏡について書かれている書物を漁っている。
祐二と樹は2人に任せて休むことにする。
樹は祐二に聞く
「沙衣の助手をしていて大変ではないかい。」
「僕のするのは、荷物持ちですから大丈夫です。」
「それでも恐ろしい目に遭うだろ。」
「いいえ、僕、霊に鈍感なようで悪霊とか見えたことが無いんです。」
「そうなんだ。」
樹は、五條から沙衣に依頼する仕事は、いつも最悪のものばかりであることを知っている。
その仕事の手伝いをしていて平気なら本当に祐二は霊に鈍感なのだろう。
美月と美湖は鏡について調べているが、祭事に関する記述ばかりで、人を閉じ込める鏡については出てこない。
祐二と樹は時間が来たため、再びリサイクルショップに行く。
2人は6時半にリサイクルショップに到着する。
店には、店長が戻ってきている。
祐二は店長に言う
「姿見のために2人人が消えています。姿見について教えてくれませんか。」
「客が家具コーナーで消えるとは聞いていました。本当に人が消えているとは・・・」
「姿見を売りに来た人を教えてくれませんか。」
「あの姿見は、遺品の整理に持ち込まれたものです。」
「持ち主はなくなっているのですね。」
「そうです。独り身だったそうです。」
「遺族に会いたいのですが。」
「分かりました。特別ですよ。」
祐二と樹は、姿見を持ち込んだ遺族について教えてもらう。
2人は翌日、この遺族の所へ行く。
2人は遺族に言う
「清家さんがリサイクルショップに持ち込んだ姿見についてお話を聞きに来たのです。」
「私に話すことはありません。帰ってください。」
「姿見のせいで人が消えているのです。少しで構いませんので聞かせてくれませんか。」
「人が消えたのですか。」
「そうです。少なくとも2人消えています。」
「あれは叔父のコレクションです。」
「どこで手に入れたかわかりますか。」
「いいえ、あの姿見は白い布に巻かれ何か文様の描かれた紙が貼ってあったのです。」
「封印されていたのですね。」
「骨董屋が気味悪がって引き取ってくれなかったのでリサイクルショップに売ったのです。」
「叔父さんの日記とか残っていませんか。」
「あります。差し上げますのでこれ以上関わらないでください。」
祐二は日記を4冊渡される。
2人は五條家に戻り、日記を調べることにする。
そして、姿見のことが書かれているのを見つける
「鏡魔の姿見を手に入れる。」
「持ち主が次々と失踪しているそうだが、私は一目見て気に入る。」
「今日は友人を招いて姿見を見せる。」
「私の目の前で友人が消える。」
「友人が鏡のせいで消えたなど誰も信じないであろう。」
「私は、霊媒師を読んで姿見を見てもらう。」
「霊媒師は何ともならないと言い、白い布を巻いて文様を描いた紙を貼って封印をする。」
祐二と樹は日記を読んで持ち主にも何ともならず封印されていたことを知る。
祐二が言う
「鏡魔の姿見と言う名前なんですね。」
「いわくつきの品です。」
2人は美月と美湖に報告する。
美月はいう
「聞いたことありませんね。」
「持ち主が次々と失踪しているなんてとんでもないわ。」
美湖も言うが解決策は分からない。
沙衣は時間の感覚が判らなくなっている。
彼女は、椅子でドアを壊しにかかるが、ドアはびくともせず椅子が壊れる。
宗一が諦めたように言う
「無駄だよ。死ぬまでここにいるんだ。」
「私はごめんよ。」
沙衣は、ミネラルウォーターのペットボトルを取り出すと蓋を開ける。
彼女は、右の手のひらにペットボトルの水を流し始める。
水は流れ落ちず、右手の上で刀を形づくっていく。
宗一は、沙衣のすることに驚く。
沙衣は刀の密度を高めて、固く鋭くする。
刀でドアを切りつけると傷がつく。
沙衣は、さらに刀に集中して、固く鋭くする。
再び刀で切りつける。
今度はドアが切れる手ごたえがある。
宗一は沙衣に聞く
「なんだそれは。」
「水の刀です。私、水を操れるのです。」
沙衣は答える。
「信じられん。」
宗一は言うが目の前で起きているのだ。
彼は深く考えることをやめる。
ドアは刀の切り口からひび割れが発生する。
ひび割れは広がって行き、部屋全体に広がる。
すると部屋が割れる。
壁も塚も天井も粉々になる。
周りは暗い空間が広がっている。
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