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1章 井戸の呪い
8話 沙衣、呪われる
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帰りの車の中で、運転している恵子の父親が沙衣に聞く
「先生、細井和重と小川武信の怨霊を倒したのですよね。」
「おそらくは細井和重と小川武信の怨霊と思うけど確認のしようがないわ。」
「でも、塚は細井和重と小川武信のものですよ。」
「確かに強い怨霊を除霊したのは確かだけれども家臣のものかもしれないわ。」
「そうですね。これで子供たちが助からないかと思ったんですが。」
「そうなら私の仕事も終わることになりますから良いことです。」
祐二は沙衣が切られたことがショックだった。
これまでにも危ないことはあったが切られて出血するようなことはなかった。
彼女は切られたのに胸が見えた時には傷が無かった。
祐二は沙衣に聞いてみる
「沙衣、切られて出血したのになぜ傷がないの。」
「これのおかげよ。」
「沙衣は祐二にペンダントにしている勾玉を見せる
「それって勾玉。」
「稲荷の使いにもらった勾玉で、願うと傷を癒してくれるわ。」
「そうなんですか。」
「祐二、私の胸しっかり見ていたんでしょ。」
「見えてしまったんですよ。」
「今すぐ、忘れなさい。」
「永久保存してしまいました。」
沙衣は、祐二を殴ると恵子の父親を睨む
「私は恐怖で固まっていましたから覚えていません。」
恵子の父親は弁解する。
学校では恵子が、達臣とはなに髪の毛のようなものが元に戻っていることを話す。
はなは泣きそうになる。
達臣は恵子に聞く
「髪の毛のようなものはいつ元に戻ったの。」
「分からないわ。朝には戻っていたみたい。」
「なら、また今夜、消してもらうことになるね。」
「うん、お父さんが電話で連絡していたよ。」
「お祓いの先生は何しているの。」
「今日は野分寺に行くそうよ。」
「なら、解決するといいね。」
「そうね。」
達臣たちは、沙衣を信じるしかない。
放課後、3人は、恵子の家に向かう。
夕方になると恵子が達臣とはなを連れて家に帰ってくる。
夜7時には、恵子の家に全員が集まる。
達臣の父親が沙衣に聞く
「子供たちの首に髪の毛のようなものはありますか。」
「はい、3人とも髪の毛のようなものが元に戻っています。」
恵子の父親がみんなに言う
「今日、野分寺の前まで行ってきました。」
「野分寺を調べたんじゃないのですか。」
達臣の父親が聞くと沙衣が説明する
「野分寺の前にある塚に2体の怨霊がいました。今日は怨霊を除霊するために力を使い果たしました。」
「除霊したのに何で髪の毛のようなものがまだ巻き付いているんだ。」
はなの父親が声を荒げる
「望月さん落ち着いて。」
達臣の父親がなだめる。
「明日、野分寺を調べます。」
沙衣が言う
「お願いします。先生が頼りなんです。」
達臣の父親が言う。
沙衣は再び水の刃を使って、子供たちの首に巻き付いている髪の毛なようなものを霧散させる。
沙衣と祐二は、恵子の家に2日目も泊まる。
沙衣は、祐二に言う
「昼間のこと思い出して襲ってきたりしないでしょうね。」
「沙衣の胸のことは忘れないけど襲ったりしないよ。」
「胸のことは忘れなさい。」
「最愛の人のことだから忘れられないよ。」
「私は祐二のこと助手としてか思っていないから。」
祐二は、沙衣に昨日と同じことを言われるがめげない。
これまで沙衣と一緒の部屋に泊まった男がいただろうか。
ここまで親し気に話をする男がいただろうか。
それは自分しかいない。
祐二が自分に酔いしれていると沙衣が言う
「この線から入ってきたら殺すから。」
「分かりました。寝ぼけたら許してください。」
沙衣の顔色が変わる。
祐二はビビる。
「入ったら許さないわよ。」
「はい。」
祐二は沙衣が本気で殺しに来ると確信する。
その夜は祐二が寝ぼけて線を越えることはなかった。
朝、祐二は目が覚めると生きていることにホッとする。
朝食になり、沙衣と祐二は、恵子の家族と同席する。
沙衣は恵子の首を見る。
恵子が沙衣に聞く
「先生、首に髪の毛のようなものはありますか。」
「はい、元に戻っています。」
恵子は泣きそうな顔になる。
「今日、野分寺を調べます。何かわかるかもしれません。」
「お願いします。」
恵子と家族は沙衣にお願いする。
恵子の父親が沙衣たちに申し出る
「今日も一緒に野分寺に行ってもよいですか。」
「昨日、怖い目に遭っていると思いますが、大丈夫ですか。」
「頑張ります。」
沙衣は、父親が無理しているように思えたが、止めることはしなかった。
恵子の父親が車を用意すると祐二は18リットル入りのポリタンクを2個、車のトランクに載せる。
祐二に恵子の父親が言う
「野分寺には井戸があります。井戸水は使えませんか。」
「それは助かります。一応、水は持っていきます。」
祐二は、井戸の水が使えるかわからないので水を持っていくことにする。
昨日と同じように恵子の父親が車を運転して、沙衣と祐二は後部座席に乗る。
恵子の父親は怨霊のことを思い出すと手に震えがくるが子供たちのためにハンドルを握る。
野分寺に着くと、祐二はポリタンクを2個取り出す。
重そうなので恵子の父親が1個持つ。
沙衣は寺から無数の霊の気配を感じる。
3人は塚の間の小道を通って野分寺の境内に入る。
恵子の父親は、沙衣に聞く
「霊はいますか。」
「無数にいますよ。子供たちはここで何をしたのですか。」
「都築さんの所の達臣君が井戸をのぞき込んだのです。」
「何かうわさがあるのですか。」
「井戸の中をのぞくと呪われて、井戸の前で死んでしまうそうです。」
「今回、死んだ子もそうですか。」
「清水由美さんも井戸の前で倒れているところを発見されました。」
「井戸ですか。」
沙衣が井戸を見ると祐二が井戸をのぞき込んでいる。
恵子の父親が驚いて叫ぶ
「祐二さん何やっているんですかー」
「井戸を見ていました。水ありますよ。」
突然、沙衣と恵子の父親は金縛りにあう、祐二は何も感じない。
沙衣は、丹田に力を籠めると体内で気を爆発させ金縛りを解く。
寺が燃えて見え始める。
祐二には見えていない。
そして、武将の生首が飛んできて、恵子の父親を睨みつけると
「おまえ」
と言い、続いて沙衣を睨みつけると
「おまえ」
と言い、最後に祐二を睨みつけると
「おまえ」
と言って飛び去って行く。
しばらく寺は燃え続けて、殺された人の怨嗟の声を聞かされる。
寺が元に戻ると恵子の父親の金縛りは解ける。
沙衣が言う
「これが子供たちに起こったのね。」
「何かありました。」
祐二がのんきに聞いてくる。
沙衣は祐二を蹴り倒すと右足で踏みつけながら言う
「あんたのおかげで呪われたでしょ。」
しかし、祐二の首には髪の毛のようなものはない。
よく見ると髪の毛のようなものは巻き付こうとするが消え去っているのである。
恵子の父親を見ると髪の毛のようなものが巻き付いている。
沙衣は手鏡で自分の首を見ると髪の毛のようなものが巻き付いている。
恵子の父親が沙衣に聞いてくる
「私たちは呪われたのですか。」
「はい、私たちは呪われましたが祐二は逃れているようです。」
「どうして、彼が井戸をのぞいたんですよ。」
「彼は、鈍感なので呪いが効かないようです。」
恵子の父親は崩れ落ちる。
沙衣は、祐二は単に霊に鈍感なだけでなくて、耐霊体質のようなものだと考える。
「先生、細井和重と小川武信の怨霊を倒したのですよね。」
「おそらくは細井和重と小川武信の怨霊と思うけど確認のしようがないわ。」
「でも、塚は細井和重と小川武信のものですよ。」
「確かに強い怨霊を除霊したのは確かだけれども家臣のものかもしれないわ。」
「そうですね。これで子供たちが助からないかと思ったんですが。」
「そうなら私の仕事も終わることになりますから良いことです。」
祐二は沙衣が切られたことがショックだった。
これまでにも危ないことはあったが切られて出血するようなことはなかった。
彼女は切られたのに胸が見えた時には傷が無かった。
祐二は沙衣に聞いてみる
「沙衣、切られて出血したのになぜ傷がないの。」
「これのおかげよ。」
「沙衣は祐二にペンダントにしている勾玉を見せる
「それって勾玉。」
「稲荷の使いにもらった勾玉で、願うと傷を癒してくれるわ。」
「そうなんですか。」
「祐二、私の胸しっかり見ていたんでしょ。」
「見えてしまったんですよ。」
「今すぐ、忘れなさい。」
「永久保存してしまいました。」
沙衣は、祐二を殴ると恵子の父親を睨む
「私は恐怖で固まっていましたから覚えていません。」
恵子の父親は弁解する。
学校では恵子が、達臣とはなに髪の毛のようなものが元に戻っていることを話す。
はなは泣きそうになる。
達臣は恵子に聞く
「髪の毛のようなものはいつ元に戻ったの。」
「分からないわ。朝には戻っていたみたい。」
「なら、また今夜、消してもらうことになるね。」
「うん、お父さんが電話で連絡していたよ。」
「お祓いの先生は何しているの。」
「今日は野分寺に行くそうよ。」
「なら、解決するといいね。」
「そうね。」
達臣たちは、沙衣を信じるしかない。
放課後、3人は、恵子の家に向かう。
夕方になると恵子が達臣とはなを連れて家に帰ってくる。
夜7時には、恵子の家に全員が集まる。
達臣の父親が沙衣に聞く
「子供たちの首に髪の毛のようなものはありますか。」
「はい、3人とも髪の毛のようなものが元に戻っています。」
恵子の父親がみんなに言う
「今日、野分寺の前まで行ってきました。」
「野分寺を調べたんじゃないのですか。」
達臣の父親が聞くと沙衣が説明する
「野分寺の前にある塚に2体の怨霊がいました。今日は怨霊を除霊するために力を使い果たしました。」
「除霊したのに何で髪の毛のようなものがまだ巻き付いているんだ。」
はなの父親が声を荒げる
「望月さん落ち着いて。」
達臣の父親がなだめる。
「明日、野分寺を調べます。」
沙衣が言う
「お願いします。先生が頼りなんです。」
達臣の父親が言う。
沙衣は再び水の刃を使って、子供たちの首に巻き付いている髪の毛なようなものを霧散させる。
沙衣と祐二は、恵子の家に2日目も泊まる。
沙衣は、祐二に言う
「昼間のこと思い出して襲ってきたりしないでしょうね。」
「沙衣の胸のことは忘れないけど襲ったりしないよ。」
「胸のことは忘れなさい。」
「最愛の人のことだから忘れられないよ。」
「私は祐二のこと助手としてか思っていないから。」
祐二は、沙衣に昨日と同じことを言われるがめげない。
これまで沙衣と一緒の部屋に泊まった男がいただろうか。
ここまで親し気に話をする男がいただろうか。
それは自分しかいない。
祐二が自分に酔いしれていると沙衣が言う
「この線から入ってきたら殺すから。」
「分かりました。寝ぼけたら許してください。」
沙衣の顔色が変わる。
祐二はビビる。
「入ったら許さないわよ。」
「はい。」
祐二は沙衣が本気で殺しに来ると確信する。
その夜は祐二が寝ぼけて線を越えることはなかった。
朝、祐二は目が覚めると生きていることにホッとする。
朝食になり、沙衣と祐二は、恵子の家族と同席する。
沙衣は恵子の首を見る。
恵子が沙衣に聞く
「先生、首に髪の毛のようなものはありますか。」
「はい、元に戻っています。」
恵子は泣きそうな顔になる。
「今日、野分寺を調べます。何かわかるかもしれません。」
「お願いします。」
恵子と家族は沙衣にお願いする。
恵子の父親が沙衣たちに申し出る
「今日も一緒に野分寺に行ってもよいですか。」
「昨日、怖い目に遭っていると思いますが、大丈夫ですか。」
「頑張ります。」
沙衣は、父親が無理しているように思えたが、止めることはしなかった。
恵子の父親が車を用意すると祐二は18リットル入りのポリタンクを2個、車のトランクに載せる。
祐二に恵子の父親が言う
「野分寺には井戸があります。井戸水は使えませんか。」
「それは助かります。一応、水は持っていきます。」
祐二は、井戸の水が使えるかわからないので水を持っていくことにする。
昨日と同じように恵子の父親が車を運転して、沙衣と祐二は後部座席に乗る。
恵子の父親は怨霊のことを思い出すと手に震えがくるが子供たちのためにハンドルを握る。
野分寺に着くと、祐二はポリタンクを2個取り出す。
重そうなので恵子の父親が1個持つ。
沙衣は寺から無数の霊の気配を感じる。
3人は塚の間の小道を通って野分寺の境内に入る。
恵子の父親は、沙衣に聞く
「霊はいますか。」
「無数にいますよ。子供たちはここで何をしたのですか。」
「都築さんの所の達臣君が井戸をのぞき込んだのです。」
「何かうわさがあるのですか。」
「井戸の中をのぞくと呪われて、井戸の前で死んでしまうそうです。」
「今回、死んだ子もそうですか。」
「清水由美さんも井戸の前で倒れているところを発見されました。」
「井戸ですか。」
沙衣が井戸を見ると祐二が井戸をのぞき込んでいる。
恵子の父親が驚いて叫ぶ
「祐二さん何やっているんですかー」
「井戸を見ていました。水ありますよ。」
突然、沙衣と恵子の父親は金縛りにあう、祐二は何も感じない。
沙衣は、丹田に力を籠めると体内で気を爆発させ金縛りを解く。
寺が燃えて見え始める。
祐二には見えていない。
そして、武将の生首が飛んできて、恵子の父親を睨みつけると
「おまえ」
と言い、続いて沙衣を睨みつけると
「おまえ」
と言い、最後に祐二を睨みつけると
「おまえ」
と言って飛び去って行く。
しばらく寺は燃え続けて、殺された人の怨嗟の声を聞かされる。
寺が元に戻ると恵子の父親の金縛りは解ける。
沙衣が言う
「これが子供たちに起こったのね。」
「何かありました。」
祐二がのんきに聞いてくる。
沙衣は祐二を蹴り倒すと右足で踏みつけながら言う
「あんたのおかげで呪われたでしょ。」
しかし、祐二の首には髪の毛のようなものはない。
よく見ると髪の毛のようなものは巻き付こうとするが消え去っているのである。
恵子の父親を見ると髪の毛のようなものが巻き付いている。
沙衣は手鏡で自分の首を見ると髪の毛のようなものが巻き付いている。
恵子の父親が沙衣に聞いてくる
「私たちは呪われたのですか。」
「はい、私たちは呪われましたが祐二は逃れているようです。」
「どうして、彼が井戸をのぞいたんですよ。」
「彼は、鈍感なので呪いが効かないようです。」
恵子の父親は崩れ落ちる。
沙衣は、祐二は単に霊に鈍感なだけでなくて、耐霊体質のようなものだと考える。
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