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1章 井戸の呪い
7話 塚の怨霊
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朝食を終えると恵子の父親は、沙衣に聞く
「髪の毛なようなものを消しているだけでは解決しません。どうするつもりですか。」
「原因を探ろうと思います。」
「野分寺に行くのですね。」
「そこしか今は思い当たりません。」
「私も一緒しても良いですか。」
「命の保証はしませんよ。」
「分かりました。」
沙衣と祐二は、恵子の父親の車で野分寺に行くことになる。
恵子は学校へ行く。
そして、恵子の父親は、達臣の父親の携帯電話に連絡する
「子供の首に髪の毛のようなものが戻っています。今夜、先生にもう一度消してもらいます。」
「分かりました。でもきりがありませんどうしますか。」
「先生と野分寺に行ってきます。」
「野分寺を調べるのですね。気を付けてください。」
「はい、望月さんにも伝えてください。」
「伝えておきます。」
そして、恵子の父親は、車を用意する。
祐二が18リットル入りのポリタンクを2個、車のトランクに積み込む。
恵子の父親は、祐二に聞く
「これは何ですか。」
「水です。僕のリュックサックにも2リットル入りのペットボトルの水が3本入っています。」
「何に使うのですか。」
「沙衣が悪霊とかと戦う時に使います。水で刀とか作るんですよ。」
恵子の父親は昨夜のことを思い出す。
彼は鬼頭先生と比べて沙衣先生は武闘派なのだと思う。
沙衣と祐二は後部座席に乗る。
恵子の父親は野分寺に行くと思うと緊張する。
沙衣は、彼に聞く
「野分寺はどんなところですか。」
「人々が近づかないところです。」
「寺なのに参る人もいないのですか。」
「そうです。細井和重と家臣たちの怨念を鎮めるためだけにあります。」
「娘さんたちはよく行きましたね。」
「はい、知っていれば殴ってでも止めています。」
話しているうちに野分寺に近づいてきている。
恵子の父親は、冷や汗が出るのを感じるが、後の2人は平然としている。
彼は祐二に聞く
「祐二君は怖くはないのですか。」
「僕は霊に鈍感なんで平気です。」
「霊に鈍感で助手が務まるのですか。」
「はい、荷物持ちですから。」
「そうですか。」
恵子の父親は、祓い屋のことは知らないのでそういうものかと思う。
沙衣が、2人に言う
「強い気配を感じるわ。」
「霊の気配ですか。」
「それ以外にある。車を止めて。」
恵子の父親は、車を止めると沙衣に質問する
「先生、野分寺はもう少し先ですよ。どうしたんですか。」
「野分寺の近くに車を止めると車を乗っ取られる恐れがあるわ。逃げられるようにここに車を置いていきましょ。」
「分かりました。」
沙衣の言葉に恵子の父親は、身の危険を感じる。
3人は、歩き始める野分寺までは500メートル位ある。
沙衣は歩くにつれて、気配が無数にあることに気づく。
そのなかでも2つ強い気配がある。
彼女は怨霊がいると判断する。
沙衣と恵子の父親が真剣度を増す中、祐二は蚊帳の外にいる。
沙衣が祐二に言う
「ペットボトルを出して。」
祐二はリュックサックの中から2リットルの水が入ったペットボトルを取り出し沙衣に渡す。
沙衣はペットボトルの水で刀を作る。
野分寺が見えてくる。
野分寺と道の間に2つの塚がある。
沙衣は、恵子の父親に聞く
「あの塚は何。」
「細井和重と小川武信を祀った塚です。」
「なら、あれは細井和重と小川武信の怨霊ね。」
「祐二、ポリタンクの蓋を開けて。」
「1つしか持って来ていないよ。」
「構わないわ。」
しばらくすると塚の周りに霧が出てくる。
沙衣は
「行くわよ。」
と言うと塚に向かって走り始める。
祐二と恵子の父親もついて行く。
沙衣は、刀のほかに盾を作り、何かと切り結んでいる。
恵子の父親は、自分の目を疑う、沙衣の前には武将が2人いる。
それも憤怒の形相をしている。
彼は腰が引ける。
「何か見えるのですか。」
祐二が平然と聞く
「あれが見えないのか。」
「はい。」
恵子の父親は、祐二に助手が務まるわけを知る。
こんなことよほど神経が太いか霊に鈍感でなければ務まらないであろう。
沙衣は、2体の怨霊と戦っている。
刀と盾で怨霊の刀をさばきながら、霧の中から水の刃を飛ばして切りつけるが効果は薄い。
彼女は霧をコントロールしている。
しかし、怨霊は連携して攻撃してくる。
この先のために水は残しておきたい。
このままでは怨霊に追いつめられると判断する。
沙衣は、祐二に言う
「祐二、ペットボトルの蓋を全部開けて。」
祐二はリュックサックの中からペットボトルを取り出し蓋を開ける。
「沙衣、開けたよ。」
霧の濃度が増す。
沙衣は、怨霊の刀をさばきながら、水の刃を無数に飛ばす。
怨霊は水の刃に気を取られる。
沙衣は、隙を見つけ、怨霊を刀で切りつける。
しかし、傷はすぐに元に戻る。
もう一体の怨霊が上段から刀を振り下ろす。
沙衣は、後ろに飛び、かわす。
かわしたはずだった。
沙衣の上半身から血が噴き出す。
怨霊は刀を振り下ろすとき、刀身を伸ばして沙衣を切りつけたのだ。
恵子の父親は、吹き出す血に青くなる。
祐二は、助けることが出来ない自分を情けなく思う。
沙衣は、ペンダントにしている稲荷の使いからもらった勾玉に傷が治るように願いを込める。
勾玉は、高校時代に妖怪退治の報酬にもらったのもので願いを込めることにより傷を癒すことが出来る。
沙衣が傷を癒している間に、2体の怨霊は沙衣を間合いに捉えている。
彼女が地面に手をつくと地面から水のとげが2本飛び出して2体の怨霊を串刺しにする。
2体の怨霊は串刺しにされ動きを封じられる。
沙衣は、怨霊の首をはねる。
しかし、首は元に戻る。
沙衣は、1体の怨霊に攻撃を集中する。
彼女は、怨霊を水の刀で切り続ける。
怨霊は、切られるたびに回復していく。
しかし、彼女は攻撃を続ける。
怨霊は徐々に回復のスピードが遅くなっていく。
最後に上段から切りつけると怨霊は霧散する。
その間にもう1体の怨霊はとげを折り刺さったとげを抜くと沙衣にとげを投げつける。
とげは沙衣に到達する前に霧散する。
水でできたとげは、沙衣にコントロールされている。
怨霊が沙衣に向かってくる。
怨霊は刀で突きを繰り出すが、沙衣は水の盾で受け止めると盾からとげが1本飛び出し、怨霊を串刺しにする。
さらに水の刀で首をはねる。
怨霊はすぐに首が元に戻る。
沙衣はもう一度首をはねようとするが、怨霊は後ろに下がり、水の刀を避ける。
彼女は右足でトンと地面を踏む。
すると再び地面から水のとげが飛び出し怨霊を狙う。
怨霊はかろうじてとげをかわす。
そこを沙衣は、怨霊を水の刀で上段から切りつける。
怨霊は後ろに下がりかわそうとするが、水の刀の刀身が伸び頭から真っ二つに切る。
怨霊は元に戻るが沙衣が再び首をはねると霧散する。
沙衣は肩で息をしている。
祐二はリュックサックの中からウインドブレーカーを取り出すと彼女に駆け寄りウインドブレーカーをかける。
沙衣は祐二に言う
「何するの。」
「見えているよ。」
彼女が胸元を確認すると服が切られて胸が見えている。
彼女はそそくさとウインドブレーカーを着こむと祐二をビンタする
「みたでしょ。」
「仕方ないよ。」
「スケベ。」
沙衣は涙目で祐二を睨む。
恵子の父親は、まだ恐怖で固まっている。
沙衣は落ち着きを取り戻すと
「引き返すわよ。」
と言う。
恵子の父親は沙衣に言う
「まだ野分寺に入っていませんよ。」
「水を使い果たしたし、私も血を流しすぎたわ。」
「分かりました。」
3人は2体の怨霊を除霊して、野分寺から引き返す。
「髪の毛なようなものを消しているだけでは解決しません。どうするつもりですか。」
「原因を探ろうと思います。」
「野分寺に行くのですね。」
「そこしか今は思い当たりません。」
「私も一緒しても良いですか。」
「命の保証はしませんよ。」
「分かりました。」
沙衣と祐二は、恵子の父親の車で野分寺に行くことになる。
恵子は学校へ行く。
そして、恵子の父親は、達臣の父親の携帯電話に連絡する
「子供の首に髪の毛のようなものが戻っています。今夜、先生にもう一度消してもらいます。」
「分かりました。でもきりがありませんどうしますか。」
「先生と野分寺に行ってきます。」
「野分寺を調べるのですね。気を付けてください。」
「はい、望月さんにも伝えてください。」
「伝えておきます。」
そして、恵子の父親は、車を用意する。
祐二が18リットル入りのポリタンクを2個、車のトランクに積み込む。
恵子の父親は、祐二に聞く
「これは何ですか。」
「水です。僕のリュックサックにも2リットル入りのペットボトルの水が3本入っています。」
「何に使うのですか。」
「沙衣が悪霊とかと戦う時に使います。水で刀とか作るんですよ。」
恵子の父親は昨夜のことを思い出す。
彼は鬼頭先生と比べて沙衣先生は武闘派なのだと思う。
沙衣と祐二は後部座席に乗る。
恵子の父親は野分寺に行くと思うと緊張する。
沙衣は、彼に聞く
「野分寺はどんなところですか。」
「人々が近づかないところです。」
「寺なのに参る人もいないのですか。」
「そうです。細井和重と家臣たちの怨念を鎮めるためだけにあります。」
「娘さんたちはよく行きましたね。」
「はい、知っていれば殴ってでも止めています。」
話しているうちに野分寺に近づいてきている。
恵子の父親は、冷や汗が出るのを感じるが、後の2人は平然としている。
彼は祐二に聞く
「祐二君は怖くはないのですか。」
「僕は霊に鈍感なんで平気です。」
「霊に鈍感で助手が務まるのですか。」
「はい、荷物持ちですから。」
「そうですか。」
恵子の父親は、祓い屋のことは知らないのでそういうものかと思う。
沙衣が、2人に言う
「強い気配を感じるわ。」
「霊の気配ですか。」
「それ以外にある。車を止めて。」
恵子の父親は、車を止めると沙衣に質問する
「先生、野分寺はもう少し先ですよ。どうしたんですか。」
「野分寺の近くに車を止めると車を乗っ取られる恐れがあるわ。逃げられるようにここに車を置いていきましょ。」
「分かりました。」
沙衣の言葉に恵子の父親は、身の危険を感じる。
3人は、歩き始める野分寺までは500メートル位ある。
沙衣は歩くにつれて、気配が無数にあることに気づく。
そのなかでも2つ強い気配がある。
彼女は怨霊がいると判断する。
沙衣と恵子の父親が真剣度を増す中、祐二は蚊帳の外にいる。
沙衣が祐二に言う
「ペットボトルを出して。」
祐二はリュックサックの中から2リットルの水が入ったペットボトルを取り出し沙衣に渡す。
沙衣はペットボトルの水で刀を作る。
野分寺が見えてくる。
野分寺と道の間に2つの塚がある。
沙衣は、恵子の父親に聞く
「あの塚は何。」
「細井和重と小川武信を祀った塚です。」
「なら、あれは細井和重と小川武信の怨霊ね。」
「祐二、ポリタンクの蓋を開けて。」
「1つしか持って来ていないよ。」
「構わないわ。」
しばらくすると塚の周りに霧が出てくる。
沙衣は
「行くわよ。」
と言うと塚に向かって走り始める。
祐二と恵子の父親もついて行く。
沙衣は、刀のほかに盾を作り、何かと切り結んでいる。
恵子の父親は、自分の目を疑う、沙衣の前には武将が2人いる。
それも憤怒の形相をしている。
彼は腰が引ける。
「何か見えるのですか。」
祐二が平然と聞く
「あれが見えないのか。」
「はい。」
恵子の父親は、祐二に助手が務まるわけを知る。
こんなことよほど神経が太いか霊に鈍感でなければ務まらないであろう。
沙衣は、2体の怨霊と戦っている。
刀と盾で怨霊の刀をさばきながら、霧の中から水の刃を飛ばして切りつけるが効果は薄い。
彼女は霧をコントロールしている。
しかし、怨霊は連携して攻撃してくる。
この先のために水は残しておきたい。
このままでは怨霊に追いつめられると判断する。
沙衣は、祐二に言う
「祐二、ペットボトルの蓋を全部開けて。」
祐二はリュックサックの中からペットボトルを取り出し蓋を開ける。
「沙衣、開けたよ。」
霧の濃度が増す。
沙衣は、怨霊の刀をさばきながら、水の刃を無数に飛ばす。
怨霊は水の刃に気を取られる。
沙衣は、隙を見つけ、怨霊を刀で切りつける。
しかし、傷はすぐに元に戻る。
もう一体の怨霊が上段から刀を振り下ろす。
沙衣は、後ろに飛び、かわす。
かわしたはずだった。
沙衣の上半身から血が噴き出す。
怨霊は刀を振り下ろすとき、刀身を伸ばして沙衣を切りつけたのだ。
恵子の父親は、吹き出す血に青くなる。
祐二は、助けることが出来ない自分を情けなく思う。
沙衣は、ペンダントにしている稲荷の使いからもらった勾玉に傷が治るように願いを込める。
勾玉は、高校時代に妖怪退治の報酬にもらったのもので願いを込めることにより傷を癒すことが出来る。
沙衣が傷を癒している間に、2体の怨霊は沙衣を間合いに捉えている。
彼女が地面に手をつくと地面から水のとげが2本飛び出して2体の怨霊を串刺しにする。
2体の怨霊は串刺しにされ動きを封じられる。
沙衣は、怨霊の首をはねる。
しかし、首は元に戻る。
沙衣は、1体の怨霊に攻撃を集中する。
彼女は、怨霊を水の刀で切り続ける。
怨霊は、切られるたびに回復していく。
しかし、彼女は攻撃を続ける。
怨霊は徐々に回復のスピードが遅くなっていく。
最後に上段から切りつけると怨霊は霧散する。
その間にもう1体の怨霊はとげを折り刺さったとげを抜くと沙衣にとげを投げつける。
とげは沙衣に到達する前に霧散する。
水でできたとげは、沙衣にコントロールされている。
怨霊が沙衣に向かってくる。
怨霊は刀で突きを繰り出すが、沙衣は水の盾で受け止めると盾からとげが1本飛び出し、怨霊を串刺しにする。
さらに水の刀で首をはねる。
怨霊はすぐに首が元に戻る。
沙衣はもう一度首をはねようとするが、怨霊は後ろに下がり、水の刀を避ける。
彼女は右足でトンと地面を踏む。
すると再び地面から水のとげが飛び出し怨霊を狙う。
怨霊はかろうじてとげをかわす。
そこを沙衣は、怨霊を水の刀で上段から切りつける。
怨霊は後ろに下がりかわそうとするが、水の刀の刀身が伸び頭から真っ二つに切る。
怨霊は元に戻るが沙衣が再び首をはねると霧散する。
沙衣は肩で息をしている。
祐二はリュックサックの中からウインドブレーカーを取り出すと彼女に駆け寄りウインドブレーカーをかける。
沙衣は祐二に言う
「何するの。」
「見えているよ。」
彼女が胸元を確認すると服が切られて胸が見えている。
彼女はそそくさとウインドブレーカーを着こむと祐二をビンタする
「みたでしょ。」
「仕方ないよ。」
「スケベ。」
沙衣は涙目で祐二を睨む。
恵子の父親は、まだ恐怖で固まっている。
沙衣は落ち着きを取り戻すと
「引き返すわよ。」
と言う。
恵子の父親は沙衣に言う
「まだ野分寺に入っていませんよ。」
「水を使い果たしたし、私も血を流しすぎたわ。」
「分かりました。」
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