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1章 井戸の呪い
3話 鬼頭亜香子の除霊
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達臣の父親は、1人の手には負えないと思い、足立恵子、望月はな、清水由美の父親に連絡して集まってもらう。
彼は話し始める
「野分寺の件とお祓いの件は聞いていますか。」
「はい、とんでもないことになったと思います。」
はなの父親が言う。
「神主の話では、これは細井和重の怨霊のせいらしいです。」
「細井和重ですか。うちの子たちは呪い殺されてしまうのではないですか。」
由美の父親が頭を抱える。
「私に心当たりがあります。家の倉に出る幽霊を除霊してもらったことがあるのです。」
恵子の父親が話し出す。
鬼頭亜香子は、いくつもの仕事をこなして払い屋として名を上げてきている。
2か月前、鬼頭亜香子の事務所に電話がかかってくる。
弟子の一条みおが電話を取る。
それは足立恵子の父親からの電話である
「家の倉の中に幽霊が出るようになったのです。」
「いつ頃から出るようになったのですか。」
「2週間前位からです。今では夜になると枕元に来るのです。何とかしてください。」
「2週間位前に何かありましたか。」
「そういえば、掛け軸を見つけたのです。」
「どのようなものですか。」
「幽霊の絵の掛け軸で何か文字のようなものが書かれた紙に包まれていました。」
「分かりました。先生に話して、折り返し電話します。」
「お願いします。」
みおは電話を切ると亜香子に電話の内容を話す。
亜香子がみおに言う
「みおはどう思う。」
「掛け軸は封印されていたと思います。」
「かなり古い霊のようね。」
「そう思います。」
「私から電話します。」
鬼頭亜香子は、足立恵子の父親に電話して、翌日向かうことにする。
亜香子とみおは、助手のマッスルの運転で足立家へ行く。
恵子の父親は
「ようこそ、おいでくださりました。よろしくお願いします。」
「問題の倉はあれですね。」
母屋の西側に瓦葺に漆喰の壁の倉がある。
「そうです。」
「みお、どう見える。」
亜香子は自分より霊を見る目がよいみおに聞く。
「倉から黒い靄が湧き出しています。悪霊かもしれません。」
「分かったわ、気を引き締めていきましょう。」
亜香子は、倉に入る前に柏手を打つ。
湧き出していた黒い靄が吹き飛ばされるように消える。
恵子の父親が倉の扉を開ける。
中に入ると亜香子は強い霊の気配を感じる。
みおには倉奥に黒い靄を纏った悪霊が立っているのが見える。
「先生、悪霊です。」
「ええ、気配を感じるわ。」
すると突然、棚が倒れてくる。
マッスルが棚を支えて、けが人は出ない。
みおはマッスルに言う
「大丈夫ですか。」
マッスルは、アドミナブル・アンド・サイのポーズで無事を表現する。
マッスルは無口だ、筋肉で会話してくるがみおはまだ慣れない。
亜香子が柏手を打つ。
悪霊は揺らめくが健在である。
亜香子の額に汗が浮かぶ。
彼女はみおに言う
「経文を唱えるから、サポートして。」
「分かりました。」
亜香子は経文を唱え始める。
悪霊は黒い靄を触手のように亜香子に向かって伸ばす。
みおが柏手を打って靄を消す。
次第に悪霊の黒い靄は薄くなってくる。
亜香子は、経文を唱え続ける。
ついに靄が晴れ、女の霊が見えるが消えていく。
亜香子は、経文をやめて、みおに聞く
「どお。」
「完全に消えました。」
「除霊は終わったわね。」
恵子の父親が聞く
「終わりましたか。」
「はい。」
みおが悪霊のいたところに行くと掛け軸が落ちている。
掛け軸には幽霊の絵が描かれている。
みおは、掛け軸から念のようなものを感じる。
「先生、まだ終わっていません。」
「どういうこと。」
「まだ掛け軸に念が残っています。」
亜香子は、掛け軸を封印するか燃やしてしまうかで悩む。
亜香子が掛け軸が入っていた箱を調べると
足立家に怨念をもって死んでいった女の霊を封印したことが判る。
亜香子は掛け軸を再び封印することにする。
彼女は、恵子の父親に掛け軸に封印されていた女の霊が封印をやぶられてできたもので、経文で女の霊は力をなくしたので再び封印したことを説明する。
亜香子はみおに言う
「助かったわ、みおのおかげで仕事が早く終わったわ。」
「ありがとうございます。」
「霊を見る力はあるのだから独り立ちしていいのよ。」
「まだ私には除霊する力が足りません。」
「あなた位の力があれば十分よ。」
「そうですか。」
みおは納得していない、みおが見てきた払い屋はみんな強かったのだ。
恵子の父親が、鬼頭恵子が除霊をした話を終える。
「そんなことがあったのですか。」
望月はなの父親が聞く。
「はい、それから幽霊は出なくなりました。」
足立恵子の父親はいう。
「その人に頼んでみましょう。」
清水由美の父親が言う。
「分かりました。彼女にかけてみましょう。」
達臣の父親も賛成する。
「依頼料は高いのでみんなで折半しましょう。」
恵子の父親が言うとみんな納得する。
鬼頭亜香子の事務所に恵子の父親が電話するとみおが出る
「お久しぶりです。また、幽霊が出ましたか。」
「いいえ、今日は子供たちのことなんです。」
「どういったことでしょう。」
「子供たちが野分寺と言う寺の井戸をのぞきに行ったのです。」
「何か起こったのですね。」
「はい、寺が炎に包まれたように見えて生首が出てきたそうです。」
「それは怖い思いをしたでしょうね。」
「その後、神主にお祓いをしてもらったのですが、お祓いの途中で神主が倒れてしましまして、神主が言うには細井和重の怨霊のせいだというのです。」
「分かりました。先生に話しますが、今、継続中の仕事がありましてその後になると思いますがよろしいですか。」
「はい、お願いします。」
みおは話を聞くだけで冷や汗が出てくる。
みおは亜香子に電話の内容を話す。
「寺が燃えているように見えて生首が出てきたのね。」
「はい、いやな予感がします。」
「そうね、今の仕事を急ぎましょう。」
亜香子は、寺が燃えて見えたのは霊の心象風景が具現化して見えたのだと思う。
そうすると霊の力はこれまでになく強いことになる。
彼女は、自分の力が通用するのか自信がない。
みおは、野分寺と細井和重について調べることにする。
すると野分寺では、山方早雲に騙された細井和重が首をはねられ、さらされたことが判る。
寺の井戸は、和重の首を洗う時に使われている。
さらに、山方氏は和重に祟られて絶えている。
そして、近代まで洪水などを起こしているとされている。
みおは細井和重の怨霊を祟り神のような存在だと思う。
このような怨霊をどうにかできるのかと思う。
彼は話し始める
「野分寺の件とお祓いの件は聞いていますか。」
「はい、とんでもないことになったと思います。」
はなの父親が言う。
「神主の話では、これは細井和重の怨霊のせいらしいです。」
「細井和重ですか。うちの子たちは呪い殺されてしまうのではないですか。」
由美の父親が頭を抱える。
「私に心当たりがあります。家の倉に出る幽霊を除霊してもらったことがあるのです。」
恵子の父親が話し出す。
鬼頭亜香子は、いくつもの仕事をこなして払い屋として名を上げてきている。
2か月前、鬼頭亜香子の事務所に電話がかかってくる。
弟子の一条みおが電話を取る。
それは足立恵子の父親からの電話である
「家の倉の中に幽霊が出るようになったのです。」
「いつ頃から出るようになったのですか。」
「2週間前位からです。今では夜になると枕元に来るのです。何とかしてください。」
「2週間位前に何かありましたか。」
「そういえば、掛け軸を見つけたのです。」
「どのようなものですか。」
「幽霊の絵の掛け軸で何か文字のようなものが書かれた紙に包まれていました。」
「分かりました。先生に話して、折り返し電話します。」
「お願いします。」
みおは電話を切ると亜香子に電話の内容を話す。
亜香子がみおに言う
「みおはどう思う。」
「掛け軸は封印されていたと思います。」
「かなり古い霊のようね。」
「そう思います。」
「私から電話します。」
鬼頭亜香子は、足立恵子の父親に電話して、翌日向かうことにする。
亜香子とみおは、助手のマッスルの運転で足立家へ行く。
恵子の父親は
「ようこそ、おいでくださりました。よろしくお願いします。」
「問題の倉はあれですね。」
母屋の西側に瓦葺に漆喰の壁の倉がある。
「そうです。」
「みお、どう見える。」
亜香子は自分より霊を見る目がよいみおに聞く。
「倉から黒い靄が湧き出しています。悪霊かもしれません。」
「分かったわ、気を引き締めていきましょう。」
亜香子は、倉に入る前に柏手を打つ。
湧き出していた黒い靄が吹き飛ばされるように消える。
恵子の父親が倉の扉を開ける。
中に入ると亜香子は強い霊の気配を感じる。
みおには倉奥に黒い靄を纏った悪霊が立っているのが見える。
「先生、悪霊です。」
「ええ、気配を感じるわ。」
すると突然、棚が倒れてくる。
マッスルが棚を支えて、けが人は出ない。
みおはマッスルに言う
「大丈夫ですか。」
マッスルは、アドミナブル・アンド・サイのポーズで無事を表現する。
マッスルは無口だ、筋肉で会話してくるがみおはまだ慣れない。
亜香子が柏手を打つ。
悪霊は揺らめくが健在である。
亜香子の額に汗が浮かぶ。
彼女はみおに言う
「経文を唱えるから、サポートして。」
「分かりました。」
亜香子は経文を唱え始める。
悪霊は黒い靄を触手のように亜香子に向かって伸ばす。
みおが柏手を打って靄を消す。
次第に悪霊の黒い靄は薄くなってくる。
亜香子は、経文を唱え続ける。
ついに靄が晴れ、女の霊が見えるが消えていく。
亜香子は、経文をやめて、みおに聞く
「どお。」
「完全に消えました。」
「除霊は終わったわね。」
恵子の父親が聞く
「終わりましたか。」
「はい。」
みおが悪霊のいたところに行くと掛け軸が落ちている。
掛け軸には幽霊の絵が描かれている。
みおは、掛け軸から念のようなものを感じる。
「先生、まだ終わっていません。」
「どういうこと。」
「まだ掛け軸に念が残っています。」
亜香子は、掛け軸を封印するか燃やしてしまうかで悩む。
亜香子が掛け軸が入っていた箱を調べると
足立家に怨念をもって死んでいった女の霊を封印したことが判る。
亜香子は掛け軸を再び封印することにする。
彼女は、恵子の父親に掛け軸に封印されていた女の霊が封印をやぶられてできたもので、経文で女の霊は力をなくしたので再び封印したことを説明する。
亜香子はみおに言う
「助かったわ、みおのおかげで仕事が早く終わったわ。」
「ありがとうございます。」
「霊を見る力はあるのだから独り立ちしていいのよ。」
「まだ私には除霊する力が足りません。」
「あなた位の力があれば十分よ。」
「そうですか。」
みおは納得していない、みおが見てきた払い屋はみんな強かったのだ。
恵子の父親が、鬼頭恵子が除霊をした話を終える。
「そんなことがあったのですか。」
望月はなの父親が聞く。
「はい、それから幽霊は出なくなりました。」
足立恵子の父親はいう。
「その人に頼んでみましょう。」
清水由美の父親が言う。
「分かりました。彼女にかけてみましょう。」
達臣の父親も賛成する。
「依頼料は高いのでみんなで折半しましょう。」
恵子の父親が言うとみんな納得する。
鬼頭亜香子の事務所に恵子の父親が電話するとみおが出る
「お久しぶりです。また、幽霊が出ましたか。」
「いいえ、今日は子供たちのことなんです。」
「どういったことでしょう。」
「子供たちが野分寺と言う寺の井戸をのぞきに行ったのです。」
「何か起こったのですね。」
「はい、寺が炎に包まれたように見えて生首が出てきたそうです。」
「それは怖い思いをしたでしょうね。」
「その後、神主にお祓いをしてもらったのですが、お祓いの途中で神主が倒れてしましまして、神主が言うには細井和重の怨霊のせいだというのです。」
「分かりました。先生に話しますが、今、継続中の仕事がありましてその後になると思いますがよろしいですか。」
「はい、お願いします。」
みおは話を聞くだけで冷や汗が出てくる。
みおは亜香子に電話の内容を話す。
「寺が燃えているように見えて生首が出てきたのね。」
「はい、いやな予感がします。」
「そうね、今の仕事を急ぎましょう。」
亜香子は、寺が燃えて見えたのは霊の心象風景が具現化して見えたのだと思う。
そうすると霊の力はこれまでになく強いことになる。
彼女は、自分の力が通用するのか自信がない。
みおは、野分寺と細井和重について調べることにする。
すると野分寺では、山方早雲に騙された細井和重が首をはねられ、さらされたことが判る。
寺の井戸は、和重の首を洗う時に使われている。
さらに、山方氏は和重に祟られて絶えている。
そして、近代まで洪水などを起こしているとされている。
みおは細井和重の怨霊を祟り神のような存在だと思う。
このような怨霊をどうにかできるのかと思う。
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