220 / 244
17章 大治防衛戦
10話 敗走の先
しおりを挟む
副将と10人の兵は、草原を抜け、奴国に出る。
副将は、10人の兵を解散させる
彼は兵に言い含める
「戦のことは話すんじゃないぞ。しばらく身を隠すんだ。」
8人の兵は、自分の村に帰って行く。
しかし、2人の兵が残る。
副将は彼らに聞く
「どうしたんだ。早く行け。」
「私たちは、佐山の町の者です。」
「そうか、佐山に戻れば殺されるぞ。」
「はい、どうすればよいか。」
「他の町に行け。佐山には戻るなよ。」
「分かりました。」
2人は去って行く。
副将は佐山に向かう。
彼は鬼柳が人間でないことを知っている。
仕えていた孟鬼も鬼柳と同じ鬼人である。
鬼柳は失敗を許さないであろう。
副将は町の門に着く。
彼はそこで兵たちに拘束される。
兵は言う
「我慢してください。鬼柳様の指示です。」
「分かっている。」
副将は、おとなしく従う。
彼は、鬼柳の前に引っ立てられる。
鬼柳は言う
「おまえ1人か?」
「そうです。あとは皆、戦場で死にました。」
「おまえは、なぜ生きている。」
「鬼柳様に報告するためです。」
「申してみよ。」
「最初、わが軍は優勢でした。」
「1万の兵だ優勢で当たり前だ。」
「しかし、200ほどの部隊が2つ加勢してから状況が変わりました。」
「当たり前だ。つなと清音が率いる部隊だからな。」
鬼柳の言葉に副将は茫然となる。
あのつなと清音が戦場にいたなど知っていなかったのである。
副将の口から洩れる
「どうしてですか?」
「何のことだ。」
「知っていたら、なぜ知らせてくれないのですか。」
「おまえたちがどうなるか楽しんでいたのさ。」
「兵の命をなんと思っているのですか。」
「精鋭が来た時、全軍で突撃すればよかったのだ。」
「私もそう進言しました。」
「分かっているではないか。玉砕すれば、つなと清音を葬れたかもしれないぞ。」
「私は、玉砕なんて考えていないぞ。」
「そうだったな、兵を10人逃がすくらいだからな。」
副将は、青くなる鬼柳にすべてを見透かされているように感じるのだ。
彼は黙り込む、もう言葉が出てこないのだ。
鬼柳は、副将が黙り込むとつまらなそうな顔になり言い放つ
「おまえは、鬼の餌になれ。」
副将は連れていかれる。
鬼柳は密偵を放ち、戦の状況を知り尽くしている。
当然、孟鬼の最期も知っている。
つなが1人で孟鬼に勝ったのだ。
彼が恐ろしく腕を上げていることが判る。
つなたちが鬼人と渡り合うだけの剣の腕を持っている。
鬼柳は、彼らに恐怖を感じる。
副将は、10人の兵を解散させる
彼は兵に言い含める
「戦のことは話すんじゃないぞ。しばらく身を隠すんだ。」
8人の兵は、自分の村に帰って行く。
しかし、2人の兵が残る。
副将は彼らに聞く
「どうしたんだ。早く行け。」
「私たちは、佐山の町の者です。」
「そうか、佐山に戻れば殺されるぞ。」
「はい、どうすればよいか。」
「他の町に行け。佐山には戻るなよ。」
「分かりました。」
2人は去って行く。
副将は佐山に向かう。
彼は鬼柳が人間でないことを知っている。
仕えていた孟鬼も鬼柳と同じ鬼人である。
鬼柳は失敗を許さないであろう。
副将は町の門に着く。
彼はそこで兵たちに拘束される。
兵は言う
「我慢してください。鬼柳様の指示です。」
「分かっている。」
副将は、おとなしく従う。
彼は、鬼柳の前に引っ立てられる。
鬼柳は言う
「おまえ1人か?」
「そうです。あとは皆、戦場で死にました。」
「おまえは、なぜ生きている。」
「鬼柳様に報告するためです。」
「申してみよ。」
「最初、わが軍は優勢でした。」
「1万の兵だ優勢で当たり前だ。」
「しかし、200ほどの部隊が2つ加勢してから状況が変わりました。」
「当たり前だ。つなと清音が率いる部隊だからな。」
鬼柳の言葉に副将は茫然となる。
あのつなと清音が戦場にいたなど知っていなかったのである。
副将の口から洩れる
「どうしてですか?」
「何のことだ。」
「知っていたら、なぜ知らせてくれないのですか。」
「おまえたちがどうなるか楽しんでいたのさ。」
「兵の命をなんと思っているのですか。」
「精鋭が来た時、全軍で突撃すればよかったのだ。」
「私もそう進言しました。」
「分かっているではないか。玉砕すれば、つなと清音を葬れたかもしれないぞ。」
「私は、玉砕なんて考えていないぞ。」
「そうだったな、兵を10人逃がすくらいだからな。」
副将は、青くなる鬼柳にすべてを見透かされているように感じるのだ。
彼は黙り込む、もう言葉が出てこないのだ。
鬼柳は、副将が黙り込むとつまらなそうな顔になり言い放つ
「おまえは、鬼の餌になれ。」
副将は連れていかれる。
鬼柳は密偵を放ち、戦の状況を知り尽くしている。
当然、孟鬼の最期も知っている。
つなが1人で孟鬼に勝ったのだ。
彼が恐ろしく腕を上げていることが判る。
つなたちが鬼人と渡り合うだけの剣の腕を持っている。
鬼柳は、彼らに恐怖を感じる。
0
お気に入りに追加
25
あなたにおすすめの小説
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
性奴隷を飼ったのに
お小遣い月3万
ファンタジー
10年前に俺は日本から異世界に転移して来た。
異世界に転移して来たばかりの頃、辿り着いた冒険者ギルドで勇者認定されて、魔王を討伐したら家族の元に帰れるのかな、っと思って必死になって魔王を討伐したけど、日本には帰れなかった。
異世界に来てから10年の月日が流れてしまった。俺は魔王討伐の報酬として特別公爵になっていた。ちなみに領地も貰っている。
自分の領地では奴隷は禁止していた。
奴隷を売買している商人がいるというタレコミがあって、俺は出向いた。
そして1人の奴隷少女と出会った。
彼女は、お風呂にも入れられていなくて、道路に落ちている軍手のように汚かった。
彼女は幼いエルフだった。
それに魔力が使えないように処理されていた。
そんな彼女を故郷に帰すためにエルフの村へ連れて行った。
でもエルフの村は魔力が使えない少女を引き取ってくれなかった。それどころか魔力が無いエルフは処分する掟になっているらしい。
俺の所有物であるなら彼女は処分しない、と村長が言うから俺はエルフの女の子を飼うことになった。
孤児になった魔力も無いエルフの女の子。年齢は14歳。
エルフの女の子を見捨てるなんて出来なかった。だから、この世界で彼女が生きていけるように育成することに決めた。
※エルフの少女以外にもヒロインは登場する予定でございます。
※帰る場所を無くした女の子が、美しくて強い女性に成長する物語です。
異世界転生目立ちたく無いから冒険者を目指します
桂崇
ファンタジー
小さな町で酒場の手伝いをする母親と2人で住む少年イールスに転生覚醒する、チートする方法も無く、母親の死により、実の父親の家に引き取られる。イールスは、冒険者になろうと目指すが、周囲はその才能を惜しんでいる
転生して異世界の第7王子に生まれ変わったが、魔力が0で無能者と言われ、僻地に追放されたので自由に生きる。
黒ハット
ファンタジー
ヤクザだった大宅宗一35歳は死んで記憶を持ったまま異世界の第7王子に転生する。魔力が0で魔法を使えないので、無能者と言われて王族の籍を抜かれ僻地の領主に追放される。魔法を使える事が分かって2回目の人生は前世の知識と魔法を使って領地を発展させながら自由に生きるつもりだったが、波乱万丈の人生を送る事になる
システムバグで輪廻の輪から外れましたが、便利グッズ詰め合わせ付きで他の星に転生しました。
大国 鹿児
ファンタジー
輪廻転生のシステムのバグで輪廻の輪から外れちゃった!
でも神様から便利なチートグッズ(笑)の詰め合わせをもらって、
他の星に転生しました!特に使命も無いなら自由気ままに生きてみよう!
主人公はチート無双するのか!? それともハーレムか!?
はたまた、壮大なファンタジーが始まるのか!?
いえ、実は単なる趣味全開の主人公です。
色々な秘密がだんだん明らかになりますので、ゆっくりとお楽しみください。
*** 作品について ***
この作品は、真面目なチート物ではありません。
コメディーやギャグ要素やネタの多い作品となっております
重厚な世界観や派手な戦闘描写、ざまあ展開などをお求めの方は、
この作品をスルーして下さい。
*カクヨム様,小説家になろう様でも、別PNで先行して投稿しております。
殿下、人違いです。殿下の婚約者はその人ではありません
真理亜
ファンタジー
第二王子のマリウスが学園の卒業パーティーで婚約破棄を突き付けた相手は人違いだった。では一体自分の婚約者は誰なのか? 困惑するマリウスに「殿下の婚約者は私です」と名乗り出たのは、目も眩まんばかりの美少女ミランダだった。いっぺんに一目惚れしたマリウスは、慌てて婚約破棄を無かったことにしようとするが...
序盤で殺される悪役貴族に転生した俺、前世のスキルが残っているため、勇者よりも強くなってしまう〜主人公がキレてるけど気にしません
そらら
ファンタジー
↑「お気に入りに追加」を押してくださいっ!↑
大人気ゲーム「剣と魔法のファンタジー」の悪役貴族に転生した俺。
貴族という血統でありながら、何も努力しない怠惰な公爵家の令息。
序盤で王国から追放されてしまうざまぁ対象。
だがどうやら前世でプレイしていたスキルが引き継がれているようで、最強な件。
そんで王国の為に暗躍してたら、主人公がキレて来たんだが?
「お前なんかにヒロインは渡さないぞ!?」
「俺は別に構わないぞ? 王国の為に暗躍中だ」
「ふざけんな! 原作をぶっ壊しやがって、殺してやる」
「すまないが、俺には勝てないぞ?」
※ カクヨム様にて、異世界ファンタジージャンル総合週間ランキング40位入り。1300スター、3800フォロワーを達成!
田舎貴族の学園無双~普通にしてるだけなのに、次々と慕われることに~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
田舎貴族であるユウマ-バルムンクは、十五歳を迎え王都にある貴族学校に通うことになった。
最強の師匠達に鍛えられ、田舎から出てきた彼は知らない。
自分の力が、王都にいる同世代の中で抜きん出ていることを。
そして、その価値観がずれているということも。
これは自分にとって普通の行動をしているのに、いつの間にかモテモテになったり、次々と降りかかる問題を平和?的に解決していく少年の学園無双物語である。
※ 極端なざまぁや寝取られはなしてす。
基本ほのぼのやラブコメ、時に戦闘などをします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる