上 下
206 / 244
16章 開戦前夜

3話 勝成の書簡

しおりを挟む
 菊の元に情報が入って来る。
 1つは氏原勝成の書状である。
 書状には、佐山が鉄と鬼の角を集めており、軍備の増強を図っていることが書かれている。
 もう1つは宗七からのもので、角倉を使って調べたものだ。
 菊は、俺と清音、弥次郎、千代音、達郎、美代、宗七、影平を集める。
 彼女は、話だす
 「佐山は戦準備をしているようです。」
 「鬼の角を集めていることが判りました。」
宗七が補足する。
 「佐山の領主は鬼柳だから、鬼を使うかもしれませんよ。」
弥次郎が言う
 「そのためにあなた方がいるではありませんか。」
宗七が答える。
 「俺たちに鬼退治を任せて、兵は敵の兵を倒すのですね。」
 「いいえ、つな様と清音様には第1部隊と第2部隊を率いてもらいます。」
 「鬼は私と千代音、達郎、美代で対応するのですか。」
弥次郎が聞くと宗七は答える。
 「あなた方4人は遊軍となって鬼に備えてもらいます。」
 「第1部隊と第2部隊でも鬼に対応できると思いますが。」
 「つな様と清音様に率いてもらうのは、ほかの軍に組み込まれないためです。官3位のつな様と清音様なら命令権を奪えないでしょう。」
話を聞いていた菊は言う
 「大治での戦は、宗七にまかせます。」
 「ご期待に応えて見せます。」
宗七は答える。
 菊は、四宮の軍が、いつでも大治に援軍に向かえることを書簡にして、帝と勝成に送る。
 帝の元に勝成からの書簡が届く。
 帝は書簡を読むと四條忠正と九条頼之を呼び出す。
 帝は四條忠正に言う
 「四條忠正、兵1000と連れて大治に向かえ、大治では氏原勝成の指揮下に入れ。」
 「国攻めを行うのですか。」
 「いいえ、奴国の襲撃に備えるのです。」
 「はっ。」
 「鬼柳は、能鬼師を従えています。戦では鬼と戦うことになるかもしれません。」
 「肝に銘じます。」
帝は九条頼之に言う
 「九条頼之、鬼との戦闘を考慮して兵1000を鍛えなさい。」
 「はっ。」
 「戦が起これば大治に向かってもらいます。」
 「わかりました。」
帝は、菊に大治に有事の際、援軍を出すように書簡を送る。
 それから、1週間後、帝の元に菊からの書簡が届く。
 書簡には菊が勝成と連携を取って対応しており、援軍の準備ができていることが書かれている。
 帝は菊の早い対応に感心する。
 九条正親は、頼之の元を訪れる。
 頼之は、叔父の正親の来訪に
 「叔父様、心配為されているのですか。」
 「鬼柳は得体の知れない男だ、気を付けてかかれ。」
 「はい、承知しております。」
 「兵をどのように鍛えるつもりだ。」
 「兵を100人づつ分けて、山狩りをさせるつもりです。」
 「山狩りをするのか。」
 「そうです。化け物と戦って強くなってもらいます。」
 「けが人や死者が出るぞ。」
 「弱いままでは役に立ちません。」
 「そうか。」
正親は、頼之が兵を実戦で強くしようとしていることを知る。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる

フルーツパフェ
大衆娯楽
 転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。  一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。  そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!  寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。 ――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです  そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。  大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。  相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。      

性奴隷を飼ったのに

お小遣い月3万
ファンタジー
10年前に俺は日本から異世界に転移して来た。 異世界に転移して来たばかりの頃、辿り着いた冒険者ギルドで勇者認定されて、魔王を討伐したら家族の元に帰れるのかな、っと思って必死になって魔王を討伐したけど、日本には帰れなかった。 異世界に来てから10年の月日が流れてしまった。俺は魔王討伐の報酬として特別公爵になっていた。ちなみに領地も貰っている。 自分の領地では奴隷は禁止していた。 奴隷を売買している商人がいるというタレコミがあって、俺は出向いた。 そして1人の奴隷少女と出会った。 彼女は、お風呂にも入れられていなくて、道路に落ちている軍手のように汚かった。 彼女は幼いエルフだった。 それに魔力が使えないように処理されていた。 そんな彼女を故郷に帰すためにエルフの村へ連れて行った。 でもエルフの村は魔力が使えない少女を引き取ってくれなかった。それどころか魔力が無いエルフは処分する掟になっているらしい。 俺の所有物であるなら彼女は処分しない、と村長が言うから俺はエルフの女の子を飼うことになった。 孤児になった魔力も無いエルフの女の子。年齢は14歳。 エルフの女の子を見捨てるなんて出来なかった。だから、この世界で彼女が生きていけるように育成することに決めた。 ※エルフの少女以外にもヒロインは登場する予定でございます。 ※帰る場所を無くした女の子が、美しくて強い女性に成長する物語です。

【本編完結】さようなら、そしてどうかお幸せに ~彼女の選んだ決断

Hinaki
ファンタジー
16歳の侯爵令嬢エルネスティーネには結婚目前に控えた婚約者がいる。 23歳の公爵家当主ジークヴァルト。 年上の婚約者には気付けば幼いエルネスティーネよりも年齢も近く、彼女よりも女性らしい色香を纏った女友達が常にジークヴァルトの傍にいた。 ただの女友達だと彼は言う。 だが偶然エルネスティーネは知ってしまった。 彼らが友人ではなく想い合う関係である事を……。 また政略目的で結ばれたエルネスティーネを疎ましく思っていると、ジークヴァルトは恋人へ告げていた。 エルネスティーネとジークヴァルトの婚姻は王命。 覆す事は出来ない。 溝が深まりつつも結婚二日前に侯爵邸へ呼び出されたエルネスティーネ。 そこで彼女は彼の私室……寝室より聞こえてくるのは悍ましい獣にも似た二人の声。 二人がいた場所は二日後には夫婦となるであろうエルネスティーネとジークヴァルトの為の寝室。 これ見よがしに少し開け放たれた扉より垣間見える寝台で絡み合う二人の姿と勝ち誇る彼女の艶笑。 エルネスティーネは限界だった。 一晩悩んだ結果彼女の選んだ道は翌日愛するジークヴァルトへ晴れやかな笑顔で挨拶すると共にバルコニーより身を投げる事。 初めて愛した男を憎らしく思う以上に彼を心から愛していた。 だから愛する男の前で死を選ぶ。 永遠に私を忘れないで、でも愛する貴方には幸せになって欲しい。 矛盾した想いを抱え彼女は今――――。 長い間スランプ状態でしたが自分の中の性と生、人間と神、ずっと前からもやもやしていたものが一応の答えを導き出し、この物語を始める事にしました。 センシティブな所へ触れるかもしれません。 これはあくまで私の考え、思想なのでそこの所はどうかご容赦して下さいませ。

F級テイマーは数の暴力で世界を裏から支配する

ゆーき@書籍発売中
ファンタジー
ある日、信号待ちをしていた俺は車にひかれて死んでしまった。 そして、気が付けば異世界で、貴族家の長男に転生していたのだ! 夢にまで見た異世界に胸が躍る――が、5歳の時に受けた”テイム”の祝福が、最低位のF級!? 一縷の望みで測った魔力容量と魔力回路強度も平凡だって!? 勘当されたら、その先どうやって生きてけばいいんだー! と、思っていたのだが…… 「あれ? 俺の”テイム”何かおかしくね?」 ちょくちょくチートな部分があったことで、俺は”強く”なっていくのであった

【完結】国立第5魔導研究所の研究日誌

九条美香
ファンタジー
魔法が存在すると証明された世界。 学者たちは、古代の魔法を復活させるべく、研究を行っていた。 伊藤天音は、魔導師としての才を見出され、魔導養成学校に通うことになる。しかし、彼女は古代の「魔法」を愛しており、現代の魔導技術に関心が持てなかった。 だが、魔導師養成学校での優秀な成績を見込まれ、天音は国に5つしかない国立魔導研究所に配属されることになる。さっさと出世して魔導研究をしなくて済む役人になりたいと考えている天音は、研究所でいち早く成果を出せるよう、配属が決まってからも努力を続けた。 しかし、配属されたそこは曲者ばかりの弱小研究所で― 「転属したい」 天音の夢は叶うのか。 転属することはできるのか。 これは、とある研究所の、曲者魔導師たちに振り回される新人の研究日誌。 魔導を嫌っていた天音だが、研究員たちの過去を聞くにつれ、考えが変わってきて― 天音は何を選択するのか。新たな物語が始まる。 第1部、完結。これより新人魔導師の訓練が始まる。 第2部、完結。これより発掘調査を開始する。 第3部、完結。これより新人魔導師の後輩育成が始まる。 第4部、完結。これより第2回発掘調査を開始する。 第5部、完結。これより第3回発掘調査が始まる。 第6部、完結。これより研究発表会の準備を開始する。 第7部、完結。これより研究発表会が始まる。 第8部、完結。これより新たな物語が開始する。 続編『魔法保護課第5支部の業務日誌』 https://www.alphapolis.co.jp/novel/506367434/322818479?preview=1 連載開始。 小説家になろう、カクヨムでも連載中。

夜遊び大好きショタ皇子は転生者。乙女ゲームでの出番はまだまだ先なのでレベル上げに精を出します

ma-no
ファンタジー
【カクヨムだけ何故か九千人もフォロワーがいる作品w】  ブラック企業で働いていた松田圭吾(32)は、プラットホームで意識を失いそのまま線路に落ちて電車に……  気付いたら乙女ゲームの第二皇子に転生していたけど、この第二皇子は乙女ゲームでは、ストーリーの中盤に出て来る新キャラだ。  ただ、ヒロインとゴールインさえすれば皇帝になれるキャラなのだから、主人公はその時に対応できるように力を蓄える。  かのように見えたが、昼は仮病で引きこもり、夜は城を出て遊んでばっかり……  いったい主人公は何がしたいんでしょうか…… ☆アルファポリス、小説家になろう、カクヨムで連載中です。  一日置きに更新中です。

退屈な人生を歩んでいたおっさんが異世界に飛ばされるも無自覚チートで無双しながらネットショッピングしたり奴隷を買ったりする話

菊池 快晴
ファンタジー
無難に生きて、真面目に勉強して、最悪なブラック企業に就職した男、君内志賀(45歳)。 そんな人生を歩んできたおっさんだったが、異世界に転生してチートを授かる。 超成熟、四大魔法、召喚術、剣術、魔力、どれをとっても異世界最高峰。 極めつけは異世界にいながら元の世界の『ネットショッピング』まで。 生真面目で不器用、そんなおっさんが、奴隷幼女を即購入!? これは、無自覚チートで無双する真面目なおっさんが、元の世界のネットショッピングを楽しみつつ、奴隷少女と異世界をマイペースに旅するほんわか物語です。

カジュアルセックスチェンジ

フロイライン
恋愛
一流企業に勤める吉岡智は、ふとした事からニューハーフとして生きることとなり、順風満帆だった人生が大幅に狂い出す。

処理中です...