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15章 町の発展

4話 四宮に帰る

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 朝になり、俺たちは朝食を食べる。
 菊と清音は機嫌がいいが俺は眠い。
 食事を終えると旅の準備をする。
 番頭が必要なものを揃えてくれている。
 菊は番頭に言う
 「お世話になりました。」
 「またお越しください。」
俺たちは馬に乗り、角倉を出発する。
 町の通りを進むと町の人が声をかける
 「気を付けて。」
 「また来いよ。」
俺と清音は手を振ってこたえる。
 町の門を出ると馬で駆け出す。
 旅の途中、襲撃されることなく快適に進んでいる。
 あと1泊すれば四宮に到着できるはずである。
 何事もなく1日目は夕方になる。
 俺たちは寝る場所を決め、陣を張る。
 深夜になると一つ目が3匹近づいてくる。
 俺たちは肩を寄せ合って寝ていたが、俺と清音は気づき静かにしている。
 一つ目は陣の近くをうろつくがしばらくすると去って行く。
 2日目、朝早くから出発する。
 このペースだと昼過ぎには四宮に着くはずだ。
 そして、昼食を摂り、馬を走らせてしばらくすると町の塀が見えてくる。
 塀はまだ新しくきれいである。
 俺は四宮の外側の塀だと思う。
 近づくと塀に囲まれた町は巨大である。
 菊が俺に言う
 「何ですか、この巨大なものは。」
 「四宮の外側の塀です。外から見ると壮観ですね。」
近づくとまだところどころ工事中である。
 門もまだできていない。
 俺たちはゆっくりと進む。
 外側の塀の中には町が出来つつある。
 清音が横に来て言う
 「大きな町ね。いろんな町に行ったけど、ここが一番大きいわ。」
 「そうですね。本当に。」
菊が興奮気味に言う。
 門に着くと門番の1人が館に走る。
 館に着くと影平と宗七が出迎える。
 影平は泣きそうになりながら言う
 「菊姫様、ご無事で安心いたしました。」
 「心配をかけました。」
俺は弥次郎、千代音、達郎、美代の姿がないことに気になる。
 宗七が言う
 「中で話しましょう。」
俺たちは館に入り、菊の部屋へ行く。
 俺は、宗七と影平に聞く
 「弥次郎さんたちがいませんけど、どうしましたか。」
宗七が答える
 「彼らは、兵の訓練をしています。」
 「訓練ですか。」
 「詳しくは、後で話します。」
影平が俺と清音に言う
 「菊姫様の救出、ありがとうございます。」
 「私たちは失敗を取り返しただけです。」
 「いいえ、よくぞやってくれました。鬼柳の手下を討ち取ったと聞き及んでいます。」
影平は植松良房の書簡で状況を知っているようである。
 宗七が言う
 「帝に処罰されなくて助かりました。」
 「官位が無くても宗七さんの役に立ちますよ。」
 「私は、つな様に早く官1位になって欲しいのです。」
 「宗七さんも私に帝位に就いて欲しいのですか。」
 「それは、私の計画に織り込み済みですよ。」
 「つな、がんばってね。」
菊が嬉しそうに言う。
 この後、俺と菊、清音は夕方まで休憩をとることにする。
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