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14章 囚われの菊姫
4話 首の皮1枚
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俺と清音は、国府の門を駆け抜け、大通りの突き当りにある城の外門で馬を止める。
俺は門兵に言う
「熊野つなである。帝に火急の用件あり、お目通りを願いに参った。」
門兵の1人が連絡に走る。
門兵は大声で言う
「開門。」
木製の両扉がゆっくりと開く。
俺たちは馬で100メートルほど進むと馬を降りる。
そして中門を通り、建物に着くと履き物を脱ぎ中に入る。
俺たちは、足早に廊下を進む。
階段を2階上がり、なにもない部屋に着く。
俺たちは、目の前で菊を攫われている。
話を聞いた帝は俺たちを拘束するかもしれない。
洞戸村には軍を派遣すればよいのだから。
俺は覚悟を決める。
清音が狐の面を外す。
俺は、部屋を守る兵に言う
「帝に火急の用件があります。お目通り願いたい。」
2人の兵は黙ってふすまを開ける。
俺と清音は中に進み、部屋の中央で正座して平伏する。
俺たちの前の部屋で1段高くなっているところに帝が座っている。
帝は俺に声をかける
「どうしました。」
「菊を鬼柳に攫われました。」
「つなと清音は付いていたのですか。」
「はい、私たちの目の前で攫われました。」
「あなた方を拘束しなければなりませんが、話すことがあれば言いなさい。」
「鬼柳は、菊を人質に私たちを大治の洞戸村に呼んでいます。猶予は9日です。」
「それだけですか、2人を拘束しなさい。」
控えていた正虎と勝時が前に出る
「植松良房殿から書簡を預かっています。」
俺は書簡を差し出す。
正虎が受け取り帝に渡す。
帝は書簡を読む。
俺と清音は正虎と勝時に取り押さえられる。
帝は書簡を読むと俺と清音に声をかける
「2人で黒鬼を倒したのは本当ですか。」
「はい。」
帝は黙り込む。
そして、正虎と勝時に言う
「2人を離しなさい。」
俺たちは再び平伏する。
「つなと清音、菊の救出を命じます。失敗すれば命はありませんよ。」
「命に代えても成し遂げます。」
俺と清音は首の皮1枚で拘束を免れる。
さらに帝は二振りの刀を持ってこさせる。
「これは黒鬼の角で作った刀です。美代に与えることになっていましたが、今、必要でしょう。」
俺と清音に黒鬼の角の刀が渡される。
「つなの刀は黒揮、清音の刀は黒曜と言います。」
「ありがとうございます。」
刀を受け取る、黒い牛鬼の刀と同じく黒い刀身に柄には板倉巴の帝の家紋がある。
俺たちは昼食を食べると夕方まで部屋で睡眠をとる。
そして中庭に出ると陣を張って黒鬼を待つことにする。
正虎と勝時は興味深そうに聞いてくる。
そして黒鬼を待ち伏せると聞くと一緒に陣に入り見張りをする。
深夜になると城の屋根に黒い影が現れる。
城の御庭番は見逃さない。
黒い影に切りつけるが刀が役に立たない。
御庭番は黒い影の鋭い爪に引き裂かれる。
黒い影は、体重を殺して中庭に降りる。
庭にはわずかな音しか出ない。
その瞬間黒い影は両足を切り飛ばされる。
俺が陣の中から力の刃を放ったのだ。
そして次の瞬間、黒い影の両腕が切り飛ばされる。
俺と清音が陣を出て、腕を切り飛ばしたのである。
黒鬼の角の刀は、これまで切れなかった黒鬼を易々と切り裂いたのである。
さらに清音は影が地面に落ちる前に首をはねる。
俺は刀を黒い影の心臓に突き立てる。
正虎と勝時は俺と清音の動きが見えていたが反応することはできないでいた。
中庭の物音に人々が起きてきて灯りがともされる。
そして黒い影の正体が明らかになる。
帝も起きてくる。
俺と清音、正虎、勝時は片膝をつく。
帝が聞く
「誰が黒鬼を討ちましたか。」
「つな殿と清音殿です。」
正虎が言う。
帝が俺たちに言う
「期待していますよ。」
「はい。」
俺たちは腕を上げているが鬼柳にかなうかというと難しいのだ。
俺は門兵に言う
「熊野つなである。帝に火急の用件あり、お目通りを願いに参った。」
門兵の1人が連絡に走る。
門兵は大声で言う
「開門。」
木製の両扉がゆっくりと開く。
俺たちは馬で100メートルほど進むと馬を降りる。
そして中門を通り、建物に着くと履き物を脱ぎ中に入る。
俺たちは、足早に廊下を進む。
階段を2階上がり、なにもない部屋に着く。
俺たちは、目の前で菊を攫われている。
話を聞いた帝は俺たちを拘束するかもしれない。
洞戸村には軍を派遣すればよいのだから。
俺は覚悟を決める。
清音が狐の面を外す。
俺は、部屋を守る兵に言う
「帝に火急の用件があります。お目通り願いたい。」
2人の兵は黙ってふすまを開ける。
俺と清音は中に進み、部屋の中央で正座して平伏する。
俺たちの前の部屋で1段高くなっているところに帝が座っている。
帝は俺に声をかける
「どうしました。」
「菊を鬼柳に攫われました。」
「つなと清音は付いていたのですか。」
「はい、私たちの目の前で攫われました。」
「あなた方を拘束しなければなりませんが、話すことがあれば言いなさい。」
「鬼柳は、菊を人質に私たちを大治の洞戸村に呼んでいます。猶予は9日です。」
「それだけですか、2人を拘束しなさい。」
控えていた正虎と勝時が前に出る
「植松良房殿から書簡を預かっています。」
俺は書簡を差し出す。
正虎が受け取り帝に渡す。
帝は書簡を読む。
俺と清音は正虎と勝時に取り押さえられる。
帝は書簡を読むと俺と清音に声をかける
「2人で黒鬼を倒したのは本当ですか。」
「はい。」
帝は黙り込む。
そして、正虎と勝時に言う
「2人を離しなさい。」
俺たちは再び平伏する。
「つなと清音、菊の救出を命じます。失敗すれば命はありませんよ。」
「命に代えても成し遂げます。」
俺と清音は首の皮1枚で拘束を免れる。
さらに帝は二振りの刀を持ってこさせる。
「これは黒鬼の角で作った刀です。美代に与えることになっていましたが、今、必要でしょう。」
俺と清音に黒鬼の角の刀が渡される。
「つなの刀は黒揮、清音の刀は黒曜と言います。」
「ありがとうございます。」
刀を受け取る、黒い牛鬼の刀と同じく黒い刀身に柄には板倉巴の帝の家紋がある。
俺たちは昼食を食べると夕方まで部屋で睡眠をとる。
そして中庭に出ると陣を張って黒鬼を待つことにする。
正虎と勝時は興味深そうに聞いてくる。
そして黒鬼を待ち伏せると聞くと一緒に陣に入り見張りをする。
深夜になると城の屋根に黒い影が現れる。
城の御庭番は見逃さない。
黒い影に切りつけるが刀が役に立たない。
御庭番は黒い影の鋭い爪に引き裂かれる。
黒い影は、体重を殺して中庭に降りる。
庭にはわずかな音しか出ない。
その瞬間黒い影は両足を切り飛ばされる。
俺が陣の中から力の刃を放ったのだ。
そして次の瞬間、黒い影の両腕が切り飛ばされる。
俺と清音が陣を出て、腕を切り飛ばしたのである。
黒鬼の角の刀は、これまで切れなかった黒鬼を易々と切り裂いたのである。
さらに清音は影が地面に落ちる前に首をはねる。
俺は刀を黒い影の心臓に突き立てる。
正虎と勝時は俺と清音の動きが見えていたが反応することはできないでいた。
中庭の物音に人々が起きてきて灯りがともされる。
そして黒い影の正体が明らかになる。
帝も起きてくる。
俺と清音、正虎、勝時は片膝をつく。
帝が聞く
「誰が黒鬼を討ちましたか。」
「つな殿と清音殿です。」
正虎が言う。
帝が俺たちに言う
「期待していますよ。」
「はい。」
俺たちは腕を上げているが鬼柳にかなうかというと難しいのだ。
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