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12章 宗七の働き

6話 四宮を出る

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 木戸屋の早雲は、少しおびえた様子で帰って行く。
 壮吉が宗七に言う
 「目的はかなったか。」
 「はい、佐山に行けないのは残念ですが。」
 「私は、行かない方が良いと思いますよ。」
宗七は壮吉に礼を言って宿に帰る。
 使用人たちも宿に戻ってくる。
 使用人たちも、話が鬼柳に変わると商人は怯えだしたということであった。
 使用人たちが聞いた話も宗七が聞いた話と一致する。
 さらに凶賊の村は佐山から北へ歩いて3日の位置にあることが判る。
 宗七は、得た情報を書き記し、帝に送る。
 彼は、翌日宿を出て、3人の使用人と4人の護衛と共に大治を出て国府に向かう。

 俺の腕のけがは1か月半で完治する。
 弥次郎はケガの直りの早さに驚く。
 菊は、さっそく結婚式をするため、国府へ向かう準備を始める。
 菊の旅の行列は人用牛車5台に護衛が弥次郎と千代音、達郎、美代を入れて26人である。
 先頭と最後尾の牛車には付き人が乗り、2番目が千代、3番目が菊、4番目が俺と清音、日奈が乗っている。
 弥次郎と千代音は、貴族となったが無理を言って護衛をしている。
 影平は菊の留守を頼まれて四宮に残る。
 1日目の夕方になり寝る場所を決めると美代が陣を張る。
 俺と清音は牛車から出て外で寝る。
 夜、化け物は来ず、そのまま朝を迎える。
 俺たちは鬼柳の襲撃を警戒している。
 4日目まで何事もなく旅は続く。
 4日目、菊は退屈したのか、清音を自分の牛車に呼ぶ。
 すると入れ替わって千代が牛車に入って来る。
 千代は俺に言う
 「4日も牛車の中では退屈ですね。」
 「仕方ないよ。」
 「私は、つな様と離れていてさみしいですわ。」
 「そうか。」
 「慰めてください。」
千代はこれに抱き着いてくる。
 「千代近すぎるよ。」
千代は着物をはだけさせて言う
 「抱いてください。」
千代は俺の手を取ると自分の着物の中に入れる。
 彼女の体は柔らかく温かい。
 俺は千代を抱き始める。
 すると日奈が裸になり俺に言う
 「我慢できません。お情けをお願いします。」
俺は日奈も一緒に抱く。
 俺は千代と日奈のぬくもりに興奮する。
 俺たちが気づくと牛車は止まっている。
 そして、清音と菊が見下ろしている
 清音は俺に冷たく言い放つ
 「お猿さんは、学習しないのね。」
菊が千代に言う
 「自分の牛車に戻ってください。」
 「はい、わかりました。」
千代は顔を赤くしている。
 日奈は涙目である。
 4日目の夕方、寝る場所を決めて、美代が陣を張る。
 俺と清音は外で寝る。清音が俺の横に来て言う
 「つなは私がいないとだめね。」
 「だから、一緒に居てくれ。」
 「分かっているわ。」
そういうと肩を寄せてくる。
 俺は幸せな気分になる。
 5日目の午前、俺たちは扶桑に着く。
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