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10章 新しい仲間

8話 青鬼退治

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 達郎と美代は、四宮を出て歩き始める。
 1日目の夕方になり寝る場所を決める、
 街道沿いの手ごろな木を見つける。
 今夜はこの木の上で過ごすことになる。
 美代は木の周りに陣を張る。
 達郎が美代に聞く
 「どうして陣を張れるの。」
 「つな様に習いました。」
達郎は驚くが美代は言う
 「結構、簡単にできますよ。」
達郎もつなに習ったことがあるが陣には気を流さなくてはならない。
 彼は陣を張るだけの気を流せなかったのである。
 深夜になると大牙が2匹陣の周りをうろつく。
 達郎と美代は飛び降り大牙の首を切って仕留める。
 すると20匹くらいの大牙に囲まれる。
 大牙は2人の周りを回り、隙を見て襲ってくる。
 達郎と美代は一撃で大牙を倒す。
 大牙の群れはかなわないと見たのか、去って行く。
 朝になると美代は、夜のうちにさばいておいた大牙の肉を焼きだす。
 味付けは塩だけである。
 達郎は、美代が焼いた肉を食べる。
 食べられないことはないが匂いがきつい。
 しかし、美代のあーんである。
 食べないわけにはいかない。
 達郎と美代は、急いでいたが、体調を考えて休みながら歩いてゆく。
 2日目の夕方になり、手ごろな木を見つけて陣を張り、木の上で寝る。
 達郎と美代は、地面で寝ると化け物に襲われやすいため、必ず木の上で寝るのだ。
 達郎は寝ながらも熟睡することはない、常に周囲を警戒している。
 美代も同じである。
 この夜は化け物は来なかった。
 3日目の午後、2人は村に着く。
 2人を見つけた村人は
 「何の用だ、忌み人は立ち去れ。」
と言う。
 達郎と美代は官9位の証を出し、達郎が言う
 「菊姫様の命により青鬼退治に来た。」
村人は、驚き2人を村長の所に案内する。
 村長は家の中に案内するが、美代が聞く
 「忌み人の私が入っていいの。」
 「はい、菊姫様の使いですから、お入りください。」
2人は広間に通される。
 達郎が言う
 「青鬼5匹に村人が攫われたと言いますが、状況はどうですか。」
 「毎晩、青鬼は現れます。家畜や人を攫っていくのです。」
 「家畜は残っていますか。」
 「昨晩、すべて攫われました。」
 「今度は人が狙われますね。」
 「すでに3人攫われています。」
 「今晩、待ち構えて、倒します。」
 「お二人で大丈夫ですか。」
 「私たちなら、青鬼の5匹位大丈夫ですよ。」
 「それが、青鬼は7匹に増えています。」
達郎から汗が吹き出し、美代を見る。
 美代は笑顔でうなづく。
 「大丈夫です、退治します。」
 「お願いします。」
村長は喜ぶ。
 2人は夕食を食べる。
 美代がかいがいしく達郎にあーんをしている。
 2人の周りだけ別世界である。
 さらに一緒に風呂に入る。
 部屋には布団がくっつけて敷いてある。
 村長は2人の中を勘違いしたようだ。
 夜、達郎と美代は、村の南側の入り口に陣取る。
 2人は物陰に隠れて青鬼が来るのを待つ。
 深夜になると振動が近づいてくる。
 達郎はフクロウの達郎と呼ばれるほど目が良い。
 7匹の青鬼を認めると美代に言う
 「固まって青鬼が7匹近づいてきている。」
美代は刀を抜き、刀に力を乗せる。
 そして力を刃の形にする。
 美代は青鬼を十分惹きつけると道に物陰から飛び出し、力の刃を飛ばす。
 力の刃は4匹の青鬼を2つにする。
 達郎が気配を殺し青鬼に迫る。
 青鬼が気づいた時には、達郎の間合いになっている。
 彼は青鬼の胴を深く切る。
 致命傷である。
 達郎に気づいた青鬼が腕を振り、達郎を捕まえようとする。
 彼は巧みにかわす。
 青鬼の後ろから美代が首をはねる。
 もう1匹の青鬼に隙ができる。
 達郎は青鬼の右腕を切り飛ばし、首をはねる。
 村人が気づいて出てきたときにはすべて終わっている。
 達郎と美代は村人に感謝される。
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