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6章 四條道隆の乱

9話 扶桑の合戦

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 四條道隆は、毎晩の夜襲に
 「弥次郎と千代音め、こんなに厄介な連中だったとは・・・」
まともな対策もできず、愚痴をこぼす。
 それでも道隆は
 「苦難の道のりだったが、これも帝のため、逆賊を討つため力を貸してくれ。」
と軍を鼓舞する。

 俺と清音は馬で街道を走ったため、すでに扶桑につき、菊と合流している。
 今は、扶桑の町の外で、菊の軍500と良房の軍500がそれぞれ横陣形で道隆の軍に対峙している。
 道隆の軍1700は鶴翼の陣形で丘の上を陣取っている。
 俺は馬に乗り道隆の軍に近づく。
 すると道隆は弓矢を射掛けてくる。
 俺は弓の射程外から刀に力を乗せ、力を刃の形にして飛ばす。
 力の刃は右翼の兵を切りながら通過する。
 さらに左翼に力の刃を飛ばし、左翼の兵を切る。
 道隆の軍は味方の血しぶきが上がり混乱する。
 そこへ、清音、弥次郎と千代音が騎馬で本陣に突入する。
 菊の軍と良房の軍が魚鱗の陣形で道隆の軍にぶつかる。
 道隆の軍は、すでに統率が撮れていない。
 一方的に菊の軍と良房の軍が押していく。
 戦いは菊の軍と良房の軍が道隆の軍を蹂躙して終わる。
 四條道隆は弥次郎が捕える。

 四條道隆は、菊と良房に
 「この逆賊め、勝ったと思うなよ。」
と言い放つ、良房は言う
 「軍を動かして、戦乱を起こしたのは道隆殿ですぞ。」
 「私は正義をなしたまでだ。」
道隆の目は真剣そのものである。
 「鬼柳儀幽を知っていますか。」
 「あの方は関係ない。」
 「誰なのですか。」
 「知らないのか。愚か者め。」
 「教えてもらえますか。」
 「・・・」
道隆は急に話さなくなる。
 菊が良房に言う
 「知らないのではないのですか。」
 「あの方は素晴らしい人だ。」
 「どう素晴らしいのですか。」
 「わたしたちの・・・」
道隆は答えられない。
 菊は戦の件を書状にして早馬で帝に届ける。

 帝は、菊の書状を読み、菊の無事に安堵する。
 彼は戦の当事者を国府に召喚する。
 戦の原因を究明して、道隆についている者たちをあぶりだすつもりである。

 菊と良房は召喚に応じて、道隆を連れて扶桑を出る。
 6台の牛車の行列で護衛は俺たちを入れて、50人になる。
 これには千代も行列に加わっているためである。
 大行列は街道を進んでいく。
 俺たちは、道隆を襲ってくるのではないかと警戒している。
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