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4章 弥次郎と千代音、仲間になる

8話 弥次郎と千代音、盗賊を討伐する

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 弥次郎は領主に聞く
 「盗賊はどこにいますか。」
 「町から2時間ほど北へ行った山道に出る。」
 「盗賊のねぐらは分かってますか。」
 「ああ、山道を右にそれたところにある岩山にいる。」
 「岩山ですか。」
 「討伐軍を向かわせたが足場が悪くて負けてしまったんだ。」
 「相手は何人くらいいますか。」
 「40人くらいだ。」
 「多いですね。」
 「応援は出せないぞ。」
 「いりません、明日の朝には頭目の首を献上してご覧に入れます。」
 「頼もしい言葉だ。よろしく頼む。」
弥次郎と千代音は夜襲をかけることにする。
 2人は夕方には盗賊が出るという山道に来ている。
 彼らはすでに監視役の盗賊を発見している。
 後は、彼が岩山にあるねぐらまで案内してくれるはずである。
 辺りが暗くなってくると彼は、監視をやめ引き返していく。
 弥次郎と千代音は、気配と足音を消し後をつける。
 2人は気づかれることなく、ねぐらにたどり着く。
 ねぐらは巨岩を屋根にした雨風をしのげるだけのねぐらである。
 ねぐらの周囲を回り逃げられないように襲撃方法を考え、万一に備え罠を仕掛けておく。
 深夜になり、盗賊たちは寝入る。
 弥次郎と千代音は動き出す。
 見張りの盗賊を2人、音もなく忍び寄り仕留める。
 2人は堂々とめぐらに入る。
 気配を消し、足音もしないため、盗賊は誰も起きない。
 2人は寝ている盗賊の心臓を一突きで殺していく。
 20人ほどを殺したところで、頭目が血の匂いに目を覚ます。
 彼は招かざる客に気づき
 「お前ら、おきんか。敵襲だ。」
と大声を出す。
 盗賊たちは寝ぼけながら起きだす。
 弥次郎と千代音は疾風のようにかけ盗賊を切り殺していく。
 その速さに誰も対応できない。
 刀も抜けずに切られていく。
 頭目は刀を抜き構えるが2人の敵ではない。
 弥次郎が頭目の刀をはじき、首を落とす。
 この時生き残っている盗賊はいない。
 翌朝、弥次郎と千代音は、長篠の門をくぐる。
 領主の館に行くと領主は起きたところである。
 弥次郎と千代音は、中庭で領主を待つ。
 領主が来ると弥次郎は
 「約束の物をお持ちしました。」
 と言って、盗賊の頭目の首を差し出す。
 領主は、驚きながら
 「よくやってくれた。配下の盗賊はどうした。」
 「全て始末しました。一人も残ってはいません。」
 「そうかでかしたぞ。一応、確認させておくれ。」
 「はい。」
領主は兵6人に盗賊のねぐらを調べさせる。
 その間、弥次郎と千代音は部屋で休むことにする。
 兵が調べると盗賊は全滅していることが分かる。
 領主は喜び、2人に報奨金を渡す。
 そして、菊への礼を書いた書簡を弥次郎に預ける。
 2人はすぐに長篠を出発しようとするが、領主が祝いの宴を開くと言って引き留める。
 弥次郎たちは断り切れず、翌日出発することになる。
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