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4章 弥次郎と千代音、仲間になる

7話 菊姫、盗賊討伐を命じる

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 菊は弥次郎と千代音に命じる
 「長篠で盗賊が出没しています。討伐してください。」
 「2人でですか。」
俺は菊に聞く
 「はい、2人にお願いします。」
菊の話では、これは植松良房からもたらされた情報である。
 盗賊討伐に長篠の領主は50名の討伐軍を派遣したが返り討ちにあったそうである。
 領主はこれ以上の軍を持っていないため、帝に使者を送ったところである。
 菊はそれを弥次郎と千代音の2人で討伐しろと言うのである。
 彼らは片膝をつき
 「討伐してまいります。」
と言い、菊から長篠の領主に当てての書簡を預かる。
 菊は同時に帝に向けて使者を送る。
 四宮から長篠まで7日の距離がある。
 俺は菊に言う
 「状況もわからないのに盗賊討伐に2人で行かせるのですか。」
 「反対ですか。」
 「はい、俺たち4人で行くべきです。」
 「それでは意味がありません。」
 「2人の官位を上げるつもりですね。」
 「はい、討伐すれば官8位が狙えます。」
 「それには、俺たちが邪魔ですか。」
 「つな様と清音様は名を上げています。一緒に居ては彼らがかすんでしまいます。」
 「盗賊に負けたらどうするのですか。」
 「彼らは黒い牛鬼と戦って生き残ってますよ。」
 「引き際を心得ているというのですね。」
 「私は彼らを信じていますよ。」
菊は状況を自分のよい方へ動かすつもりである。
 弥次郎と千代音は長篠へ向かっている。
 最初の3日間は何も起こらない。
 4日目の深夜、2人が木の上で寝ていると大牙2匹木の下にやってくる。
 2人は木から飛び降り大牙を2匹とも仕留める。
 すると大牙の群れが現れ、2人を取り囲む。
 群れから大牙が2匹飛び出し襲ってくる。
 弥次郎は大牙を蹴り上げ首をはねる。
 千代音はすれ違いざま大牙に切りつける。
 大牙の群れはかなわないと見たか去って行く。
 その後は何事もなく7日目には長篠に着く。
 2人が門に行くと盗賊を警戒しているのか門番が6人いる。
 弥次郎と千代音が門に近づくと門番は
 「忌み人が何の用だ。」
と問いただす。
 2人は鉄製の札を見せ、弥次郎が言う
 「菊姫様の使いで来た。領主に取次ぎを願う。」
門番の1人が領主の館に走って行く。
 2人は領主の館に向かって歩いていく。
 館に着くと門には案内が待っている。
 2人は領主の部屋に通される。
 領主は2人に
 「菊姫様は何の用であなた方を使わせたのですか。」
弥次郎は、菊から預かった書簡を領主に渡し
 「盗賊の討伐に来ました。」
と言う。
 領主は弥次郎と千代音に
 「2人で何ができるのです。」
書簡を読みながら言う。
 そして、読み終わると2人に聞く
 「盗賊を討伐できるのですか。」
 「そのために来ました。」
弥次郎は答える。
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