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3章 貴族になる

12話 菊姫、寄り道をする

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 俺たちは角倉で3日間休んだ後、四宮に向けて出発する。
 町から出るまでの間、町の人々から声援が来る
 「つなさん、清音さん、また戻って来いよ。」
 「がんばれよ。」
牛車の中から菊が俺に言う
 「人気があるな。」
 「この町ではいろいろありましたから。」
俺は答える。
 1日目は何事もなく夕方を迎える。
 俺たちは寝る場所を決め、陣を張る
 深夜、一つ目が5匹やってくるが、護衛も静かにしている。
 5匹はしばらく付近を嗅ぎまわるが立ち去って行く。
 2日目も何事もなく過ぎる。
 3日目、俺たちは川に出る。
 菊が牛車から出てくる。
 「お前たちはここで休んでおれ。」
 「つな様と清音様はついて来ておくれ。」
彼女は清音の水浴び仲間になってしまっている。
 上流に歩いていくと水浴びにちょうどいい場所がある
 菊と清音はさっそく着物を脱いで裸になる。
 うん、美少女の裸は癒される。
 「つなも早くしろ。」
清音が俺をせかす、
 俺たちは3人で水浴びをする。
 水浴びから戻ると再び出発する。
 古参の護衛が俺に言う
 「水浴びのことばれているぞ。」
 「分かった、ありがとう。」
俺はまずいと思うが帝の耳に入った時のことを考えるのはやめておく。
 もう、水浴びだけでなく風呂も一緒なのだ。
 今更、言い逃れはできない。
 夕方になり、寝る場所を決めて、陣を張る。
 深夜、大牙が3匹陣の周りをうろつくが去って行く。
 4日目の夕方、大牙の群れに追われ木に登っている男を発見する。
 俺と清音が助けに走る。
 大牙の群れは30匹以上いる。
 大牙は俺たちに気づき6匹向かってくる。
 俺は刀に力を乗せ、刃の形にして、刀を振り飛ばす。
 力の刃は6匹の大牙を切り裂く。
 俺たちは大牙の群れに迫る、
 清音が向かってきた大牙をすれ違いざまに切る。
 俺も向かってきた大牙を刀で突き殺す。
 すると大牙は去って行く。
 男は、俺たちが菊姫の行列と知り、平伏する。
 菊は男に聞く
 「なぜ、追われていた、旅人か。」
 「私は近くの村の者です。」
 「それがこんなところで何をしている。」
 「村が大牙の群れに囲まれています。」
 「助けの要請はしたのか。」
 「いいえ、村から出ると大牙に襲われてしまいます。」
 「それで襲われていたのか。」
 「はい。」
 「おぬしは運が良いぞ。」
 「運ですか。」
 「我らが村を助けよう。」
菊の一言で寄り道することになる。
 俺たちは村に入る。
 村長が俺たちを迎える。
 彼は俺たちを広間に通す。
 彼が俺たちに話し始める
 「大牙が現れたのは2週間前です、それから村は群れに囲まれ、夜になると家畜が襲われます。」
 「まだ人は襲われていないのですね。」
 「いいえ、四宮へ5人使いをやりましたが帰ってきません。」
 「みんな襲われたのですね。」
 「そうです、村を離れると群れが後をつけていきます。」
 「つな様、清音様、お願いしてもよろしいですか。」
 「分かりました。」
 「護衛は自分の仕事に専念してください。」
 「はい。」
護衛は牛車を守り、俺と清音が大牙を退治することになる。
 深夜になり大牙が村の中に入って来る。
 俺は物陰から出ると1匹目の首をはねる。
 さらに襲ってくる大牙を横なぎにする。
 大牙は村の外に逃げていく。
 俺は場所を変えながら大牙を探す。
 清音は村に入ってきた大牙3匹とすれ違う、彼女の後ろには3匹の死体が転がる。
 俺と清音は一晩で10匹の大牙を狩る。
 翌日、俺は1人で村を飛び出す。
 俺の後ろには30匹ほどの大牙が迫ってきている。
 俺は刀に力を乗せ、力を刃の形にして、刀を振り、大牙の群れに向かって飛ばす。
 力の刃は大牙の群れを通り過ぎる。
 20匹ほどの大牙が倒れる。
 残った大牙は村の方へ逃げるが清音が退路を断つ。
 残りの大牙は俺と清音で全滅させる。
 群れは33匹の大牙がいた。
 俺と清音は51匹の大牙を退治したことになる。
 村から残った大牙が離れていくのが見える。
 俺と清音は村人から感謝され、菊は俺たちを褒める。
 俺たちはすぐに旅を再開して途中、1泊して四宮に着く。
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