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3章 貴族になる

11話 植松良房は情報通である

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 扶桑の門に行くと俺は門番に言う
 「領主の植松様に取次願いたい。」
門番の1人が走っていく。
 俺たちは領主の館に向かっていく。
 町の人々が俺たちを見る
 「角倉の守り人だぞ。」
 「この行列は菊姫様か。」
町の人々には俺たちが菊といることが知れているらしい。
 領主の館に入ると、菊は牛車から降りる。
 菊を植松良房が出迎える
 「菊姫様ようこそおいでくださりました。」
 「急な来訪迷惑をかけました。」
 「いいえ、つな殿、清音殿もお久しぶりです。」
良房は菊を広間に案内する。
 菊には俺と清音が後に続く。
 菊は良房に言う
 「盗賊は大変でしたね。」
 「はい、つな殿と清音殿を送っていただきありがとうございます。」
 「盗賊を操っていた犯人は分かりましたか。」
 「いえ、証拠がありません。」
 「九条正親ですか。」
 「いいえ、彼は私が気に入らなかったようですが動いていませんでした。」
 「私はそう思っていましたが。」
 「今となっては、状況が急変して貴族たちは右往左往しています。」
 「なぜですか。」
 「九条正親様が姫様に着いたからです。」
 「四條道隆はどうですか。」
 「彼はつな殿を目の敵にしています、今は姫様に付け入る隙を伺っています。」
 「そうですか、あなたはどうするつもりですか。」
 「私は姫様に恩があります。」
 「誰に着くのですか。」
 「姫様とつな殿に着こうと思います。」
 「どうしてつな様に着くのですか。」
 「姫様が夫に考えているからです。」
 「面白いことを言いますね、今の言葉覚えておきます。」
良房は扶桑にいて状況を詳しく知っている。
 彼は独自の情報網を持っているようだ。
 俺たちは次に角倉へ行く。
 角倉に着くと宗七が待っている。
 菊は宗七に言う
 「3日ここに逗留しますのでお願いします。」
 「ゆるりと、旅の疲れを癒してください。」
俺たちは離れに泊まることになる。
 俺と清音は、母屋の大事な客を招くときに使う部屋に宗七といる。
 俺は宗七に聞く
 「あれからどうだった。」
 「菊姫と商談を成功させたということで客が増えたよ。」
 「今度の領主はどうだい。」
 「領主様も客になっている、悪い噂は聞かないよ。」
俺は赤鬼の角を2本と大牙の牙4本を出す。
 赤鬼の角は銀貨5枚、大牙の牙は銀貨1枚なので金貨1枚と銀貨4枚になる。
 俺は宗七に言う
 「護衛にも大牙を狩った者がいるから換金してくれ。」
 「分かった。」
彼は答え、清音に聞く
 「清音様、つな様とは関係が進みましたか。」
 「一緒に寝るようになった。」
 「それは良かったです。」
 「何を聞くんですか。」
俺は宗七に抗議する
 「あなたには清音様と菊姫様の2人と関係を深めてもらわなければなりません。」
 「菊姫様の夫になれというのですか。」
 「そうです、官3位にはなってもらわなければなりません。」
 「今の官位では身分が低いですか。」
 「菊姫様も何か官位を上げるチャンスをうかがっているでしょう。」
俺は今のままでもよいが周りはそうはいかないらしい。
 3日間で菊は宗七に必要なものを注文する。
 俺と清音は午前中は剣の訓練をして午後はのんびりする。
 夜は同じ布団で寝て甘い夢を見る。
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