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2章 官位を得る
16話 盗賊討伐
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案内が町を出て国府とは反対の方向の道を行く2時間ほど歩くと林の切れ間に草原がある。
俺は討伐部隊の陣形を横陣にして草原を進むと前方の丘に盗賊が現れる。
討伐部隊の動きは盗賊に筒抜けのようだ。
数が異常である明らかに討伐部隊より数は多く500人はいそうである。
しかも陣形を山型の魚鱗にして向かってくる。
中央突破してこちらの陣形を崩し、数ですりつぶすつもりのようだ。
相手は盗賊ではなく軍隊そのものである。
俺は討伐部隊にここにとどまるように指示し、抜刀し盗賊に向かって走り出す。
清音もついてくる。
俺は刀に力を乗せ、力を刃にして刀を振り、刃を飛ばす。
飛ばした刃は魚鱗の中央を前方から後ろへと通り過ぎる。
刃が通って後は血しぶきで赤く染まる。
両翼に盗賊が残るが、彼らは何が起こっているのか理解できていない。
俺は右翼に力の刃を飛ばす。
右翼は血に染まる。
左翼がようやく逃げ始める。
俺は左翼に力の刃を飛ばす。
数人切り損ねるが後は血しぶきに代わる。
俺と清音は走って追いかけ残りを始末しようとするが残りの盗賊5人は降参する。
俺たちは降参した盗賊を討伐部隊に引き渡す。
良房が俺たちの所に駆け付ける
「つな殿、すばらしい戦いぶりです。」
「盗賊にしてはおかしくありませんか。」
「確かに数が多すぎますし、陣形を作って攻めてきました。」
「捕虜が話してくれると助かるのですが。」
「後は調査を待ちましょう。」
良房は何か調べていたのだろうか。
俺と清音は良房の頼みでしばらく扶桑にいることになる。
盗賊討伐の結果は早馬が国府へ走っている。
俺と清音は角倉に戻る。
正面から入るが歓迎される。
宗七が俺に言う
「つな殿、盗賊討伐お疲れ様です。」
「もう知っているのですか。」
「商人は情報が大事ですよ。」
宗七は嬉しそうだ。
翌日、町に出ると盗賊討伐の話が町中に広まっている。
食事処に入ると俺と清音は歓迎される。
町の中に清音のことをあからさまに忌み人と言う者はいないようだ。
3日後、領主の良房に呼び出される。
俺と清音は領主の館に行くと離れに通される
良房は俺たちに話し始める
「盗賊は元農民でした。」
「食い詰めて盗賊になったんですか。」
「いいえ、兵に連れてこられて盗賊になったそうです。」
「犠牲者ですね。」
「そうですが斬首が決まっています。」
「そんなに多く農民がいなくなったら領主が気づきそうですが。」
「領主が知っていたらどうです。」
「その領主が主犯ですか。」
「いいえ、5人はそれぞれ別の領主がいます。」
「大がかりですね。」
「ここだけの話ですが九条正親が裏にいるようです。」
「九条正親とは。」
「竹丸様を推す、官1位の貴族で娘を竹丸様の正室に狙っています。」
「すると菊姫の夫を狙う貴族もいるのですね。」
「はい、あなた様です。」
「えっ。」
「そういう噂もありますから気を付けて下さい。」
「はい、びっくりしました。」
「四條道隆です、官1位の貴族で息子の長良を姫の婿に狙っています。」
俺はとんでもない世界に足を突っ込んでいるようだ。
「国府に戻ったらこれを菊姫にお渡しください。」
良房は書簡を俺に渡す。
こうして俺と清音は国府に戻ることになる。
俺は討伐部隊の陣形を横陣にして草原を進むと前方の丘に盗賊が現れる。
討伐部隊の動きは盗賊に筒抜けのようだ。
数が異常である明らかに討伐部隊より数は多く500人はいそうである。
しかも陣形を山型の魚鱗にして向かってくる。
中央突破してこちらの陣形を崩し、数ですりつぶすつもりのようだ。
相手は盗賊ではなく軍隊そのものである。
俺は討伐部隊にここにとどまるように指示し、抜刀し盗賊に向かって走り出す。
清音もついてくる。
俺は刀に力を乗せ、力を刃にして刀を振り、刃を飛ばす。
飛ばした刃は魚鱗の中央を前方から後ろへと通り過ぎる。
刃が通って後は血しぶきで赤く染まる。
両翼に盗賊が残るが、彼らは何が起こっているのか理解できていない。
俺は右翼に力の刃を飛ばす。
右翼は血に染まる。
左翼がようやく逃げ始める。
俺は左翼に力の刃を飛ばす。
数人切り損ねるが後は血しぶきに代わる。
俺と清音は走って追いかけ残りを始末しようとするが残りの盗賊5人は降参する。
俺たちは降参した盗賊を討伐部隊に引き渡す。
良房が俺たちの所に駆け付ける
「つな殿、すばらしい戦いぶりです。」
「盗賊にしてはおかしくありませんか。」
「確かに数が多すぎますし、陣形を作って攻めてきました。」
「捕虜が話してくれると助かるのですが。」
「後は調査を待ちましょう。」
良房は何か調べていたのだろうか。
俺と清音は良房の頼みでしばらく扶桑にいることになる。
盗賊討伐の結果は早馬が国府へ走っている。
俺と清音は角倉に戻る。
正面から入るが歓迎される。
宗七が俺に言う
「つな殿、盗賊討伐お疲れ様です。」
「もう知っているのですか。」
「商人は情報が大事ですよ。」
宗七は嬉しそうだ。
翌日、町に出ると盗賊討伐の話が町中に広まっている。
食事処に入ると俺と清音は歓迎される。
町の中に清音のことをあからさまに忌み人と言う者はいないようだ。
3日後、領主の良房に呼び出される。
俺と清音は領主の館に行くと離れに通される
良房は俺たちに話し始める
「盗賊は元農民でした。」
「食い詰めて盗賊になったんですか。」
「いいえ、兵に連れてこられて盗賊になったそうです。」
「犠牲者ですね。」
「そうですが斬首が決まっています。」
「そんなに多く農民がいなくなったら領主が気づきそうですが。」
「領主が知っていたらどうです。」
「その領主が主犯ですか。」
「いいえ、5人はそれぞれ別の領主がいます。」
「大がかりですね。」
「ここだけの話ですが九条正親が裏にいるようです。」
「九条正親とは。」
「竹丸様を推す、官1位の貴族で娘を竹丸様の正室に狙っています。」
「すると菊姫の夫を狙う貴族もいるのですね。」
「はい、あなた様です。」
「えっ。」
「そういう噂もありますから気を付けて下さい。」
「はい、びっくりしました。」
「四條道隆です、官1位の貴族で息子の長良を姫の婿に狙っています。」
俺はとんでもない世界に足を突っ込んでいるようだ。
「国府に戻ったらこれを菊姫にお渡しください。」
良房は書簡を俺に渡す。
こうして俺と清音は国府に戻ることになる。
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