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第三章 グランドスラム
独占欲
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あれから壮一さんは、澄み切った青空のように晴れやかな表情をするようになった。
デードで街を歩いているときも、私にたくさん笑いかけてくれる。あの強面はどこに行ったのかと思うくらい戸惑ってしまうほどだ。
ほら、道行く人があなたを見ているわ。聞こえる? 女子高生が後ろで「かっこいい」って言っているのよ。
お願いだから、よそ見しないでね。
デートのとき、あなたは相変わらず自分から手を繋いで来ることはない。ほんの少しだけ私の前を行く。だから私からその逞しい腕に自分の腕を絡ませる。そうしたら、嬉しそうに笑って脇を締めてくれるの。
私はあなたの前を向いている時の横顔が大好きよ。
「うん? どうした」
「ううん。なんでもないよ?」
「嘘つけ、なんか考えているだろ」
またバレた。
ショップのウインドウに映る自分は、いつもの私でそんなふうに見えなかったんだけどな。
「あのね。壮一さんの顔を知らない人たちが見ていくの。すれ違いざまに振り向くのよ? さっきも女子高生がかっこいいーって言いながら通り過ぎたんだから」
「はあ? 俺じゃないだろ」
「壮一さんよっ。みんなあなたの事を見てる。……もう、知らないっ」
「おいっ」
状況を話していたら無性に腹が立ってきた。
(だって、だって、だって! 私だけの壮一さんなんだもの。大人気ないただの嫉妬ってやつだけど!)
年齢を重ねても、いろいろな経験をしてもこの嫉妬というモノだけはどうにもコントロールできない。私って本当に面倒臭い女よね。
「蒼子っ」
「ええっ」
思いもよらず、壮一さんは私の手首を掴んで早足に駐車場に向かって行く。恐る恐る彼の顔を見上げると、その眉間にシワが入っている。
(しまった。怒らせた、かも)
車のロックが解錠されて、私は助手席に押しこまれた。そして、彼も直ぐに運転席に乗り込む。
くだらない事で怒らせてしまった。謝った方がいいと思い壮一さんの方に目を向けると、彼はハンドルに手を置いて顔を伏せている。
気のせいだろうか、少しだけ肩が揺れていた。
(どうしよう! めちゃくちゃ壮一さんを怒らせてる!)
「壮一さん、ごめんなさい! もうあんなくだらない事、言いませんから」
「くくくく……」
「あの。壮一、さん?」
「ふっ、ははははっ」
「ひゃっ」
(嘘でしょ⁉︎ 笑っている!)
「蒼子っ。笑わせんじゃねえよ。おまっ、いい歳こいて。何やってんだ……くくっ」
「ちょっと? いい歳こいてってどういう事?」
「あんな、くだらない嫉妬をするな。俺がモテるわけないだろ」
やっぱり壮一さんにバレていた。自分でもくだらないと思ったけれど、こんなに笑われるのはひどいと思う。
「くだらない事じゃないよ。どんな小さな仕草も、表情も見逃したくないんだからっ。他の人にっ、見せたくないの!」
「蒼子」
「もうっ、私ってこんなに心が狭い女なのよ。覚えておいて!」
そこまで言って後悔した。面倒臭い女だって嫌われるかもしれないのに、何をやっているんだろう。
「わたし! 頭っ、冷やしてくるね」
ドアに手を掛けて、車から出ようとした時、
「蒼子、こら、待て」
「え? きゃっ」
なんと壮一さんが後ろから被さってきて、素早くドアを閉めロックされた。
そして、なぜか助手席のシートが倒れ、私はいつの間にか壮一さんの肩越しに、車の天井を見ていた。
「あ、ふっ」
壮一さんが勢いよく私にキスをしてきたことに驚いたし、彼の舌が簡単に私の口内に入って来て混乱した。壮一さんの舌が歯列をなぞったり、内頬をつついたりとどんどん濃いものになって行く。
(ちょっと待って! 手が胸にっ)
「は、んんっ」
シャツ越しに胸の先端を擦られ、だんだんそこが存在を主張し始める。
(まって、ここ外だよ。壮一さんっ!)
唇が離れやっと解放されたと思ったら、今度は私の首にその舌が這い回る。
「あぁ、そ、いちさぁ。待って、んんー」
彼は容赦なくシャツの下に手を忍ばせキャミソールをスカートから引き抜いた。
「あっ!」
「蒼子」
その手は私の胸に迷うことなく到達し、ブラジャーを押し上げた。親指で敏感な胸の先端を押しつぶす。
その瞬間、一気に私の身体に熱が籠ったのが分かった。なによりも壮一さんの目がギラギラしている。
(なぜ、こんな事になっているの?)
「ぁ、は、待って、待って。あんっ」
「逃げるなよ。素直に受け入れろ」
「いやよ。だって、ここ外だもん。見えちゃうから」
「見えないよ。スモークかかってるから、外からは絶対に見えない」
(何よその、自信⁉︎)
再び唇を塞がれて、胸を触っていた手は徐々にスカートへと伸ばされた。私は膝と膝を合わせ、なんとか彼の侵入を拒んだ。
(見えなくっても、嫌よ、ダメだって)
頑張って膝に集中していたら、シャツを捲られて胸に舌が乗せられた。
「んああっ!」
電気が流れたみたいに反応してしまう。お陰で膝の力が抜けてしまって、内腿までその手の侵入を許してしまった。
(ダメ、やだ、恥ずかしい)
でも、本当はすごく感じている。あの冷静な壮一さんが、こんな場所でも私を求めてくれる。そう思ったらもうどうなってもいいと思えてしまう。
「ふん、壮一っ。あ、あ、ああん」
壮一さんは嬉しそうに緩く頬を上げ、目を細めた。
(この顔も、私だけのものなの)
ショーツの上から割れ目に沿って指でなぞられると、もう抑制力なんて失って、なけなしの理性さえも手放してしまう。
すぐにでも彼が欲しい。
「ヤベえな……」
「そういち……」
「くっ」
壮一さんは身体を起こし、素早く乱れた私の服を整えると少しだけシートを起こす。そして手早く私にシートベルトをかけた。
「悪い。ヤリ過ぎた。車出すぞ」
エンジンがかかると車はすぐに発車した。いつもより早急な運転は、駐車場内にタイヤの音を響かせて地上に飛び出した。
「あの?」
「身体、起こすなよ。蒼子の顔、今はヤベえから。誰にも見せたくない」
「えっ」
「俺ん家でいいか。飯は後だ」
私の返事も待たずに、少し荒っぽく車は走った。
確かにさっきの自分の痴態を思い出すと、死ぬほど恥ずかしい。あまりにもの恥ずかしさに、私は両手で顔を覆った。
◇
会話は殆どしないまま、壮一さんのマンションに着いた。私は黙ったまま車を降り、壮一さんの後を追う。顔はほてったままで、例えるなら発情中と言った状態だった。
エントランスに入ると、マンションの住人だろうかエレベーターから降りてきた。
咄嗟に私は俯いた。
「蒼子?」
「はい」
小さな声で答えると、壮一さんが私に手を差し出す。どうしたのかと考えていると、壮一さんが私の手を握ってくれた。
初めて彼から手を繋いできたのだ。
指と指を絡ませるものではないのに、その大きな手に包まれると全身を抱き締められているような感覚になった。
壮一さんは私を背に隠すようにして住人とすれ違い、エレベーターに乗りこんだ。
ああ、この手の温もりは何ものにも代えられないわ。どんなに深い部分で繋がっても、直接的な繋がりは手なんだと思い知る。
壮一さんて不器用だけど、とても優しい人。とても強いけれど、とても繊細な人。
鍵を開け部屋に入ると、真っ直ぐリビングに進む壮一さん。私はその後を、いつものようについて進む。
この部屋に何度も訪れたし泊まった。黒と白の組み合わせが多いこの部屋は、壮一さんらしく余計な物は置かないシンプルな空間だ。
私は黙ってソファーに腰を下ろした。
壮一さんはキッチンで勢いよく水を煽っていた。
(なんだか、気まずいなって思うのは私だけ?)
「蒼子。さっきは、悪かった」
「ううん。気にしないで、大丈夫だから」
壮一さんは私の前までくると、膝を突いて私と視線を合わる。そんな仕草にもドキリとしてしまう。
「蒼子に見せたいものがある」
「わたしに、見せたいもの?」
「ああ」
壮一さんは私の手を取ると、寝室の隣の部屋に向かった。私が勝手に書斎だと思っていた部屋だ。そして、何となくそこは踏み入ってはならない空気をしていた部屋だ。
「初めてだ。この部屋に、俺以外の人間を入れるのは」
そう言いながら、何かを決意したように壮一さんはドアを開けた。
その部屋に初めて入った私は目を疑った。同時に歓喜のようなものが込み上げてきた。
「壮一さん! これっ!」
私はそれ以上の言葉が出せなかった。ただ涙だけが溢れて来る。どうしようもない熱が込みあげてきて、私は壮一さんの背中に縋りついて泣いた。
泣かずにはいられなかったのだ。
デードで街を歩いているときも、私にたくさん笑いかけてくれる。あの強面はどこに行ったのかと思うくらい戸惑ってしまうほどだ。
ほら、道行く人があなたを見ているわ。聞こえる? 女子高生が後ろで「かっこいい」って言っているのよ。
お願いだから、よそ見しないでね。
デートのとき、あなたは相変わらず自分から手を繋いで来ることはない。ほんの少しだけ私の前を行く。だから私からその逞しい腕に自分の腕を絡ませる。そうしたら、嬉しそうに笑って脇を締めてくれるの。
私はあなたの前を向いている時の横顔が大好きよ。
「うん? どうした」
「ううん。なんでもないよ?」
「嘘つけ、なんか考えているだろ」
またバレた。
ショップのウインドウに映る自分は、いつもの私でそんなふうに見えなかったんだけどな。
「あのね。壮一さんの顔を知らない人たちが見ていくの。すれ違いざまに振り向くのよ? さっきも女子高生がかっこいいーって言いながら通り過ぎたんだから」
「はあ? 俺じゃないだろ」
「壮一さんよっ。みんなあなたの事を見てる。……もう、知らないっ」
「おいっ」
状況を話していたら無性に腹が立ってきた。
(だって、だって、だって! 私だけの壮一さんなんだもの。大人気ないただの嫉妬ってやつだけど!)
年齢を重ねても、いろいろな経験をしてもこの嫉妬というモノだけはどうにもコントロールできない。私って本当に面倒臭い女よね。
「蒼子っ」
「ええっ」
思いもよらず、壮一さんは私の手首を掴んで早足に駐車場に向かって行く。恐る恐る彼の顔を見上げると、その眉間にシワが入っている。
(しまった。怒らせた、かも)
車のロックが解錠されて、私は助手席に押しこまれた。そして、彼も直ぐに運転席に乗り込む。
くだらない事で怒らせてしまった。謝った方がいいと思い壮一さんの方に目を向けると、彼はハンドルに手を置いて顔を伏せている。
気のせいだろうか、少しだけ肩が揺れていた。
(どうしよう! めちゃくちゃ壮一さんを怒らせてる!)
「壮一さん、ごめんなさい! もうあんなくだらない事、言いませんから」
「くくくく……」
「あの。壮一、さん?」
「ふっ、ははははっ」
「ひゃっ」
(嘘でしょ⁉︎ 笑っている!)
「蒼子っ。笑わせんじゃねえよ。おまっ、いい歳こいて。何やってんだ……くくっ」
「ちょっと? いい歳こいてってどういう事?」
「あんな、くだらない嫉妬をするな。俺がモテるわけないだろ」
やっぱり壮一さんにバレていた。自分でもくだらないと思ったけれど、こんなに笑われるのはひどいと思う。
「くだらない事じゃないよ。どんな小さな仕草も、表情も見逃したくないんだからっ。他の人にっ、見せたくないの!」
「蒼子」
「もうっ、私ってこんなに心が狭い女なのよ。覚えておいて!」
そこまで言って後悔した。面倒臭い女だって嫌われるかもしれないのに、何をやっているんだろう。
「わたし! 頭っ、冷やしてくるね」
ドアに手を掛けて、車から出ようとした時、
「蒼子、こら、待て」
「え? きゃっ」
なんと壮一さんが後ろから被さってきて、素早くドアを閉めロックされた。
そして、なぜか助手席のシートが倒れ、私はいつの間にか壮一さんの肩越しに、車の天井を見ていた。
「あ、ふっ」
壮一さんが勢いよく私にキスをしてきたことに驚いたし、彼の舌が簡単に私の口内に入って来て混乱した。壮一さんの舌が歯列をなぞったり、内頬をつついたりとどんどん濃いものになって行く。
(ちょっと待って! 手が胸にっ)
「は、んんっ」
シャツ越しに胸の先端を擦られ、だんだんそこが存在を主張し始める。
(まって、ここ外だよ。壮一さんっ!)
唇が離れやっと解放されたと思ったら、今度は私の首にその舌が這い回る。
「あぁ、そ、いちさぁ。待って、んんー」
彼は容赦なくシャツの下に手を忍ばせキャミソールをスカートから引き抜いた。
「あっ!」
「蒼子」
その手は私の胸に迷うことなく到達し、ブラジャーを押し上げた。親指で敏感な胸の先端を押しつぶす。
その瞬間、一気に私の身体に熱が籠ったのが分かった。なによりも壮一さんの目がギラギラしている。
(なぜ、こんな事になっているの?)
「ぁ、は、待って、待って。あんっ」
「逃げるなよ。素直に受け入れろ」
「いやよ。だって、ここ外だもん。見えちゃうから」
「見えないよ。スモークかかってるから、外からは絶対に見えない」
(何よその、自信⁉︎)
再び唇を塞がれて、胸を触っていた手は徐々にスカートへと伸ばされた。私は膝と膝を合わせ、なんとか彼の侵入を拒んだ。
(見えなくっても、嫌よ、ダメだって)
頑張って膝に集中していたら、シャツを捲られて胸に舌が乗せられた。
「んああっ!」
電気が流れたみたいに反応してしまう。お陰で膝の力が抜けてしまって、内腿までその手の侵入を許してしまった。
(ダメ、やだ、恥ずかしい)
でも、本当はすごく感じている。あの冷静な壮一さんが、こんな場所でも私を求めてくれる。そう思ったらもうどうなってもいいと思えてしまう。
「ふん、壮一っ。あ、あ、ああん」
壮一さんは嬉しそうに緩く頬を上げ、目を細めた。
(この顔も、私だけのものなの)
ショーツの上から割れ目に沿って指でなぞられると、もう抑制力なんて失って、なけなしの理性さえも手放してしまう。
すぐにでも彼が欲しい。
「ヤベえな……」
「そういち……」
「くっ」
壮一さんは身体を起こし、素早く乱れた私の服を整えると少しだけシートを起こす。そして手早く私にシートベルトをかけた。
「悪い。ヤリ過ぎた。車出すぞ」
エンジンがかかると車はすぐに発車した。いつもより早急な運転は、駐車場内にタイヤの音を響かせて地上に飛び出した。
「あの?」
「身体、起こすなよ。蒼子の顔、今はヤベえから。誰にも見せたくない」
「えっ」
「俺ん家でいいか。飯は後だ」
私の返事も待たずに、少し荒っぽく車は走った。
確かにさっきの自分の痴態を思い出すと、死ぬほど恥ずかしい。あまりにもの恥ずかしさに、私は両手で顔を覆った。
◇
会話は殆どしないまま、壮一さんのマンションに着いた。私は黙ったまま車を降り、壮一さんの後を追う。顔はほてったままで、例えるなら発情中と言った状態だった。
エントランスに入ると、マンションの住人だろうかエレベーターから降りてきた。
咄嗟に私は俯いた。
「蒼子?」
「はい」
小さな声で答えると、壮一さんが私に手を差し出す。どうしたのかと考えていると、壮一さんが私の手を握ってくれた。
初めて彼から手を繋いできたのだ。
指と指を絡ませるものではないのに、その大きな手に包まれると全身を抱き締められているような感覚になった。
壮一さんは私を背に隠すようにして住人とすれ違い、エレベーターに乗りこんだ。
ああ、この手の温もりは何ものにも代えられないわ。どんなに深い部分で繋がっても、直接的な繋がりは手なんだと思い知る。
壮一さんて不器用だけど、とても優しい人。とても強いけれど、とても繊細な人。
鍵を開け部屋に入ると、真っ直ぐリビングに進む壮一さん。私はその後を、いつものようについて進む。
この部屋に何度も訪れたし泊まった。黒と白の組み合わせが多いこの部屋は、壮一さんらしく余計な物は置かないシンプルな空間だ。
私は黙ってソファーに腰を下ろした。
壮一さんはキッチンで勢いよく水を煽っていた。
(なんだか、気まずいなって思うのは私だけ?)
「蒼子。さっきは、悪かった」
「ううん。気にしないで、大丈夫だから」
壮一さんは私の前までくると、膝を突いて私と視線を合わる。そんな仕草にもドキリとしてしまう。
「蒼子に見せたいものがある」
「わたしに、見せたいもの?」
「ああ」
壮一さんは私の手を取ると、寝室の隣の部屋に向かった。私が勝手に書斎だと思っていた部屋だ。そして、何となくそこは踏み入ってはならない空気をしていた部屋だ。
「初めてだ。この部屋に、俺以外の人間を入れるのは」
そう言いながら、何かを決意したように壮一さんはドアを開けた。
その部屋に初めて入った私は目を疑った。同時に歓喜のようなものが込み上げてきた。
「壮一さん! これっ!」
私はそれ以上の言葉が出せなかった。ただ涙だけが溢れて来る。どうしようもない熱が込みあげてきて、私は壮一さんの背中に縋りついて泣いた。
泣かずにはいられなかったのだ。
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