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そして始まる二人の物語ー本編ー
Speed Smart & Service
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たった数時間の間にいろいろな感情を味わったけれど、こうしてまた二人でいられる。そう思うと海音の緩んだ頬はなかなか元には戻らない。夕ご飯を食べ終わって部屋に戻ってもそれは同じ。
「海音、にやにやしすぎじゃないか?」
「ふふっ。だって、嬉しいもん」
「まぁ、なんだ。色々と不甲斐なかった、海音には頭が上がらないよ」
「なんでよ。怪我は名誉の勲章でしょ? 元奥さんの件は過ぎたことだし、私にだって似たような過去があるもの。相手の気持ちも知らずに、一方的に捨てられた! て、被害者ぶってたし」
「海音……」
「そんな顔せんと。頑張ったショウさんは私が癒やして差し上げます。先ずはお風呂やね。動かしたらい痛いでしょ? 背中とか手が届かないだろうから洗ってあげる」
「えっ(マジかっ)」
沈んでいた勝利の心も、もう一人の勝利もグイーンと元気になったのは内緒だ。
◇
着替えを持ってバスルームに入ると待ち構えた海音が零れんばかりの笑顔で勝利を迎えた。腕まくり裾まくりをして。そう、服は脱がずに部屋着をを着たままだった。それを見た勝利がちょっとガッカリしたのは言うまでもなく。
「海音は入らなくていいのか」
「え? ショウさんが先です。はい、脱いで脱いで」
何度も肌を晒しあったけれど、こんな明るい場所で、しかも前に立たれて脱げと言われると、さすがの勝利も腰が引けた。一応、まだ恥じらいはあるらしい。
「あ、ごめん。準備しとくから入ってきてね」
海音は先にバスルームに入って、ボディタオルを広げたりバスチェアを置いた。洗ってあげると言ってしまったのを少し後悔していた。よく考えると勝利の裸を見るのは半年ぶり、まさか自分が盛るとは思っていないけれど実際その裸を見たら。
(なんかドキドキしてきた)
勝利が前をタオルで押さえて入って来た。バスチェアに座わってもらい、海音はシャワーで勝利の躰を流した。勝利の肩や背中は変わらず硬い筋肉で覆われており、盛り上がったその肉はまるで鎧。この筋肉が勝利を護ってきたのだ。海音はボディタオルを泡立たせて勝利の背中から洗った。「どう? 弱かったら言ってね」と肩越しに勝利の顔を見る。
「いや、ちょうどいいな。気持ちがいいよ」
「そう? でも、遠慮なく言ってね」
広くて逞しい背中。背骨のくぼみ、太い腰は日々のトレーニングで作り上げてきたもの。ゴツゴツした、でも肉厚な男の躰を海音は美しいと思う。本人はもうおっさんだからと言うけれど、全然おっさんじゃない! 気が付くと海音はその美しい躰のラインを掌で辿っていた。
「っ、海音」
「ん?」
「そのタッチは俺に対する挑発か」
「え、そのタッチ。あ、ごめん擽ったかったよね。ごめんごめん」
「海音はもう少し男の躰を知る必要があるな。ちょっと俺の前に座れ」
勝利は海音の腕を掴むとすぽっと自分の脚の間に座らせた。「お尻が濡れる!」と騒ぐ海音を片腕でくいと引き寄せる。その反動で海音の背中は勝利の躰に密着し、同時に濡れたタイルがじわじわズボンを湿らせる。そして、海音が背中に感じたもの。
「怒ったと?」
「怒ったんじゃなくて、起きたんだよ。ほら、どうするんだよこれ。海音が素手で撫でるからさ」
「ええっ、でも触ったのは背中であって、ソコじゃ、ひゃっ!」
勝利は海音の首筋をペロリと舐めた。そのまま上に移動して耳朶をカプリ。ビックリして出た声は浴室内で反響した。
「直接触らなくたって感じるだろ? な、海音だって」
勝利の低くて優しい物言いが海音の耳を敏感にさせた。勝利の声がじわっーと沁みるように海音の躰の中に拡散していった。「はぁ……」と漏れた声を聞いて勝利が更に追い打ちをかける。
「愛する女に触れられたら尚更だ。海音はどう思う。俺から触れられたら感じるか? ちゃんと俺の愛情は伝わっているか」
魔法にかけられたみたいに思考が侵されていく。勝利の熱くて優しい愛情に溺れている。もう何があっても浮き上がることは出来ない深い深い海の底にいるようだ。
「伝わってるよ。その愛情がないと、もう生きていけない。離れていた時も感じてた、勝利さんの愛情」
海音は躰ごと振り返り勝利の太腿に手を突いて伸び上がると、ぶつかるように激しくその唇に吸い付いた。伸び始めた勝利の顎髭が海音の柔らかな肌をジリと突(つつ)いた。それさえも気持ちが良いい。海音は勝利の肩に負担をかけてはイケないと自分から躰を寄せて、口を開いた。その中にある熱い舌を誘い出してお帰りと迎え入れた。
ずっとこうしたかった。もの寂しい秋の夜、元彼と遭遇したあの日、寒い冬の始まり、一人で越えた聖夜の夜、除夜の鐘の音にこれまでの事を振り返った。勝利のことを想い叶うなら触れたかった。離れていた半年間がぐるぐると海音の頭の中を走り抜ける。海音の舌は勝利の舌を追い回し、情熱的に絡みつく。二人の息が少しづつ荒く熱く燃えていく。
「っはっ、はぁはぁ」
「なぁ、飢えた仔猫は何が欲しい」
「ショウさんは飢えてないと? 私、だけなん?」
「んなわけないだろ、ほらっ」
ぐっと押し付けられた腰の男の昂りが海音の腹部に突き刺さった。洋服越しでも分かるそのガチガチの情熱に海音は思わずフッと笑ってしまう。それが気に食わなかったのか、勝利は眉間にシワを寄せて膝立ちの海音のズボンを引き下した。
「きゃっ、ちょっとぉ」
「ちょっとぉじゃないんだよ。ほら、全部脱げ! もうこの服は着れないって、びょ濡れだ」
「濡らしたのはショウさんなんに」
「おおそうだ、濡らしたのは俺だな。責任取って海音の全部を濡らしてやる覚悟しろ」
「え、やだっ。あーもう、怪我人のすることじゃないってば! ぁ、んんー」
ギャーギャー騒ぐ海音の口を勝利はキスで塞ぎ、傷みが響かない右手で器用に海音の服を脱がせた。そしてトドメに海音の手を自分の昂りに持っていく。すると大騒ぎだった海音が静かになった。
「海音だから、我慢できない」
「でも、左胸痛いって」
「だから、海音が動いてくれないか。コイツ、もう鎮まらないってさ」
勝利は優しく導くように海音の腰を引き寄せて、膝立ちの脚を横に開かせた。そのあわいに、指を忍ばせる。太くて皮の厚い、ロープを握りしめる時に出来たマメが海音の女の躰を呼び戻す。「あっ」海音は久しぶりの感覚に腰が震えるのが分かった。額を勝利の右肩に押し付けて悶え耐える。はぁはぁと熱のこもった息を吐きながら、勝利のモノも頑張って握りしめた。もう海音の躰はガクガクと揺れ始め今の態勢を維持する事が難しくなっている。
「んあっ……しょ、しょうりさっ」
「イクか? イケよ、我慢しなくていい。海音、ほら。イケっ」
「ふっぁ」
ピクンッ、ピクンッと跳ねる躰はどうにもコントロール出来なくて、海音は涙を流した。久しぶりの強すぎる刺激に躰中が歓喜しているのが分かる。
「自分でしてなかったのか」
「するわけ、ないやん。私、そう言うのできない。勝利さんのが、いいもん」
「このやろ、なんて事を言うんだ。こんな躰じゃなかったら……くそぉぉ。まぁいい。よし、俺の股の間に立て。あ、膝立ちな」
「え?」
勝利は海音の太腿の間に自身の昂りを挟み込んで海音の脚をギュと閉じさせた。海音は目を大きく開いて驚く。「え! 何これ、何これぇぇ」まるでそこが膣の中だと言うように海音の腰は前後に揺らされた。
「っ、はっ! 我慢がきかないからココで一回、出すっ。ゴムねえしなっ」
(そうか……あっ。けど、これっ激しっ)
そして、今は二人ベッドの上。ベッドヘッドに大きなクッションを重ねそれを勝利は背もたれにした。海音は顔を真っ赤にして勝利を跨いで上から見下ろしている状態。まさか、あの一回で収まるわけがなかった。勝利に関しては言うまでもないけれど、実は海音も。一度点いた火は消えない。海の男に愛された海が好きは女は、すっかり逞しくなった。本当は最初から勝利が負けっぱなしだなんて海音は知らない。
(海音は気づいてないんだよなぁ、自分のソレが名器だってさ)
「ショウさん、やったことないとよ」
「あ?」
「自分で、挿れたことない」
(マジか! 初めてなのかこの態勢。いや、なんか分かるな。一度、海音の中を知ったら余裕なんてどっか逝って、ガシガシ腰を振りたくなるもんなぁ)
「そうか、なら手伝ってやるから。その前にコレ装着しないとな」
勝利はコンドームのパッケージをパリと破り、こうやってつけるんだぞと見せつけた。海音はもう釘付けで、そそり勃つそれに丁寧に被せる仕草を瞬きもせずに見ていた。
「よし。さ、コイツを跨いでくれ。そして、こうやって持って、そうだ。で、海音のいい所にあててみろよ。初めは挿れなくてもいい。気持ちいいところを探すんだ」
「っ、わ、分からない」
「なら教えてやる。海音のいい所は、ココな」
「ふあっ」
先を少しだけ埋め込まれ盛り上がったソレで入り口の浅い部分を擦られると、激しい快感が駆け上がっていった。ああ、もう我慢できない! と。海音はそのまま腰をへたり込むように下ろした。「くっ」と声を漏らしたのは勝利だ。温かなそれに全部包み込まれて、息が止まりそうだった。揺れる海音の腰の動きは、初心者と言うのもあってかなりもどかしい。白くなりかけた頭で腰を突き上げると左の鎖骨に電気が奔った。「いっ(痛え)」という言葉を慌てて飲み込んだ。それにしても地獄だ。緩く絡みついた肉壁がゴキュ、ゴキュと波打つ度にもう一人の勝利は悲鳴を上げた。
「海音っ、すまん」
「うわっ」
ごろんと態勢を入れ替えた。海音が下、勝利が上。痛まない方の右腕だけで支えて、勝利主導で律動を再開した。決してこの為に鍛えているわけではないけれど、片腕腕立て伏せなんて延々とできる! と、言わんばかりに自身の熱をこれでもかと放った。
..。o○☆○o。..:*゜♡ *:..。o○☆○o。
Speed, Smart, Serviceは海上保安庁のモットーである。勝利のSpeedとSmartさ、海音のSmileとServiceで久しぶりの熱い熱い夜は更けていったのです。
「海音、にやにやしすぎじゃないか?」
「ふふっ。だって、嬉しいもん」
「まぁ、なんだ。色々と不甲斐なかった、海音には頭が上がらないよ」
「なんでよ。怪我は名誉の勲章でしょ? 元奥さんの件は過ぎたことだし、私にだって似たような過去があるもの。相手の気持ちも知らずに、一方的に捨てられた! て、被害者ぶってたし」
「海音……」
「そんな顔せんと。頑張ったショウさんは私が癒やして差し上げます。先ずはお風呂やね。動かしたらい痛いでしょ? 背中とか手が届かないだろうから洗ってあげる」
「えっ(マジかっ)」
沈んでいた勝利の心も、もう一人の勝利もグイーンと元気になったのは内緒だ。
◇
着替えを持ってバスルームに入ると待ち構えた海音が零れんばかりの笑顔で勝利を迎えた。腕まくり裾まくりをして。そう、服は脱がずに部屋着をを着たままだった。それを見た勝利がちょっとガッカリしたのは言うまでもなく。
「海音は入らなくていいのか」
「え? ショウさんが先です。はい、脱いで脱いで」
何度も肌を晒しあったけれど、こんな明るい場所で、しかも前に立たれて脱げと言われると、さすがの勝利も腰が引けた。一応、まだ恥じらいはあるらしい。
「あ、ごめん。準備しとくから入ってきてね」
海音は先にバスルームに入って、ボディタオルを広げたりバスチェアを置いた。洗ってあげると言ってしまったのを少し後悔していた。よく考えると勝利の裸を見るのは半年ぶり、まさか自分が盛るとは思っていないけれど実際その裸を見たら。
(なんかドキドキしてきた)
勝利が前をタオルで押さえて入って来た。バスチェアに座わってもらい、海音はシャワーで勝利の躰を流した。勝利の肩や背中は変わらず硬い筋肉で覆われており、盛り上がったその肉はまるで鎧。この筋肉が勝利を護ってきたのだ。海音はボディタオルを泡立たせて勝利の背中から洗った。「どう? 弱かったら言ってね」と肩越しに勝利の顔を見る。
「いや、ちょうどいいな。気持ちがいいよ」
「そう? でも、遠慮なく言ってね」
広くて逞しい背中。背骨のくぼみ、太い腰は日々のトレーニングで作り上げてきたもの。ゴツゴツした、でも肉厚な男の躰を海音は美しいと思う。本人はもうおっさんだからと言うけれど、全然おっさんじゃない! 気が付くと海音はその美しい躰のラインを掌で辿っていた。
「っ、海音」
「ん?」
「そのタッチは俺に対する挑発か」
「え、そのタッチ。あ、ごめん擽ったかったよね。ごめんごめん」
「海音はもう少し男の躰を知る必要があるな。ちょっと俺の前に座れ」
勝利は海音の腕を掴むとすぽっと自分の脚の間に座らせた。「お尻が濡れる!」と騒ぐ海音を片腕でくいと引き寄せる。その反動で海音の背中は勝利の躰に密着し、同時に濡れたタイルがじわじわズボンを湿らせる。そして、海音が背中に感じたもの。
「怒ったと?」
「怒ったんじゃなくて、起きたんだよ。ほら、どうするんだよこれ。海音が素手で撫でるからさ」
「ええっ、でも触ったのは背中であって、ソコじゃ、ひゃっ!」
勝利は海音の首筋をペロリと舐めた。そのまま上に移動して耳朶をカプリ。ビックリして出た声は浴室内で反響した。
「直接触らなくたって感じるだろ? な、海音だって」
勝利の低くて優しい物言いが海音の耳を敏感にさせた。勝利の声がじわっーと沁みるように海音の躰の中に拡散していった。「はぁ……」と漏れた声を聞いて勝利が更に追い打ちをかける。
「愛する女に触れられたら尚更だ。海音はどう思う。俺から触れられたら感じるか? ちゃんと俺の愛情は伝わっているか」
魔法にかけられたみたいに思考が侵されていく。勝利の熱くて優しい愛情に溺れている。もう何があっても浮き上がることは出来ない深い深い海の底にいるようだ。
「伝わってるよ。その愛情がないと、もう生きていけない。離れていた時も感じてた、勝利さんの愛情」
海音は躰ごと振り返り勝利の太腿に手を突いて伸び上がると、ぶつかるように激しくその唇に吸い付いた。伸び始めた勝利の顎髭が海音の柔らかな肌をジリと突(つつ)いた。それさえも気持ちが良いい。海音は勝利の肩に負担をかけてはイケないと自分から躰を寄せて、口を開いた。その中にある熱い舌を誘い出してお帰りと迎え入れた。
ずっとこうしたかった。もの寂しい秋の夜、元彼と遭遇したあの日、寒い冬の始まり、一人で越えた聖夜の夜、除夜の鐘の音にこれまでの事を振り返った。勝利のことを想い叶うなら触れたかった。離れていた半年間がぐるぐると海音の頭の中を走り抜ける。海音の舌は勝利の舌を追い回し、情熱的に絡みつく。二人の息が少しづつ荒く熱く燃えていく。
「っはっ、はぁはぁ」
「なぁ、飢えた仔猫は何が欲しい」
「ショウさんは飢えてないと? 私、だけなん?」
「んなわけないだろ、ほらっ」
ぐっと押し付けられた腰の男の昂りが海音の腹部に突き刺さった。洋服越しでも分かるそのガチガチの情熱に海音は思わずフッと笑ってしまう。それが気に食わなかったのか、勝利は眉間にシワを寄せて膝立ちの海音のズボンを引き下した。
「きゃっ、ちょっとぉ」
「ちょっとぉじゃないんだよ。ほら、全部脱げ! もうこの服は着れないって、びょ濡れだ」
「濡らしたのはショウさんなんに」
「おおそうだ、濡らしたのは俺だな。責任取って海音の全部を濡らしてやる覚悟しろ」
「え、やだっ。あーもう、怪我人のすることじゃないってば! ぁ、んんー」
ギャーギャー騒ぐ海音の口を勝利はキスで塞ぎ、傷みが響かない右手で器用に海音の服を脱がせた。そしてトドメに海音の手を自分の昂りに持っていく。すると大騒ぎだった海音が静かになった。
「海音だから、我慢できない」
「でも、左胸痛いって」
「だから、海音が動いてくれないか。コイツ、もう鎮まらないってさ」
勝利は優しく導くように海音の腰を引き寄せて、膝立ちの脚を横に開かせた。そのあわいに、指を忍ばせる。太くて皮の厚い、ロープを握りしめる時に出来たマメが海音の女の躰を呼び戻す。「あっ」海音は久しぶりの感覚に腰が震えるのが分かった。額を勝利の右肩に押し付けて悶え耐える。はぁはぁと熱のこもった息を吐きながら、勝利のモノも頑張って握りしめた。もう海音の躰はガクガクと揺れ始め今の態勢を維持する事が難しくなっている。
「んあっ……しょ、しょうりさっ」
「イクか? イケよ、我慢しなくていい。海音、ほら。イケっ」
「ふっぁ」
ピクンッ、ピクンッと跳ねる躰はどうにもコントロール出来なくて、海音は涙を流した。久しぶりの強すぎる刺激に躰中が歓喜しているのが分かる。
「自分でしてなかったのか」
「するわけ、ないやん。私、そう言うのできない。勝利さんのが、いいもん」
「このやろ、なんて事を言うんだ。こんな躰じゃなかったら……くそぉぉ。まぁいい。よし、俺の股の間に立て。あ、膝立ちな」
「え?」
勝利は海音の太腿の間に自身の昂りを挟み込んで海音の脚をギュと閉じさせた。海音は目を大きく開いて驚く。「え! 何これ、何これぇぇ」まるでそこが膣の中だと言うように海音の腰は前後に揺らされた。
「っ、はっ! 我慢がきかないからココで一回、出すっ。ゴムねえしなっ」
(そうか……あっ。けど、これっ激しっ)
そして、今は二人ベッドの上。ベッドヘッドに大きなクッションを重ねそれを勝利は背もたれにした。海音は顔を真っ赤にして勝利を跨いで上から見下ろしている状態。まさか、あの一回で収まるわけがなかった。勝利に関しては言うまでもないけれど、実は海音も。一度点いた火は消えない。海の男に愛された海が好きは女は、すっかり逞しくなった。本当は最初から勝利が負けっぱなしだなんて海音は知らない。
(海音は気づいてないんだよなぁ、自分のソレが名器だってさ)
「ショウさん、やったことないとよ」
「あ?」
「自分で、挿れたことない」
(マジか! 初めてなのかこの態勢。いや、なんか分かるな。一度、海音の中を知ったら余裕なんてどっか逝って、ガシガシ腰を振りたくなるもんなぁ)
「そうか、なら手伝ってやるから。その前にコレ装着しないとな」
勝利はコンドームのパッケージをパリと破り、こうやってつけるんだぞと見せつけた。海音はもう釘付けで、そそり勃つそれに丁寧に被せる仕草を瞬きもせずに見ていた。
「よし。さ、コイツを跨いでくれ。そして、こうやって持って、そうだ。で、海音のいい所にあててみろよ。初めは挿れなくてもいい。気持ちいいところを探すんだ」
「っ、わ、分からない」
「なら教えてやる。海音のいい所は、ココな」
「ふあっ」
先を少しだけ埋め込まれ盛り上がったソレで入り口の浅い部分を擦られると、激しい快感が駆け上がっていった。ああ、もう我慢できない! と。海音はそのまま腰をへたり込むように下ろした。「くっ」と声を漏らしたのは勝利だ。温かなそれに全部包み込まれて、息が止まりそうだった。揺れる海音の腰の動きは、初心者と言うのもあってかなりもどかしい。白くなりかけた頭で腰を突き上げると左の鎖骨に電気が奔った。「いっ(痛え)」という言葉を慌てて飲み込んだ。それにしても地獄だ。緩く絡みついた肉壁がゴキュ、ゴキュと波打つ度にもう一人の勝利は悲鳴を上げた。
「海音っ、すまん」
「うわっ」
ごろんと態勢を入れ替えた。海音が下、勝利が上。痛まない方の右腕だけで支えて、勝利主導で律動を再開した。決してこの為に鍛えているわけではないけれど、片腕腕立て伏せなんて延々とできる! と、言わんばかりに自身の熱をこれでもかと放った。
..。o○☆○o。..:*゜♡ *:..。o○☆○o。
Speed, Smart, Serviceは海上保安庁のモットーである。勝利のSpeedとSmartさ、海音のSmileとServiceで久しぶりの熱い熱い夜は更けていったのです。
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