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7. 約束と誤解と恋の海
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驚異のタイピングスピードで議事録を完成させた歌川は、会議室から退出すると船内を巡回し始めた。
これは歌川による出航前チェックである。
本庁では伊佐の周辺をうろつく女性排除に忙しかった。彼女はいるのか、結婚しているのか、誕生日はいつなのか。合コンをセッティングしてくれとか、同じ部署にはどうやったらいけるのかなどなど。
「なんで僕に聞くんだ!」と初めの頃は苛々していたが、だんだんと「これは僕の任務かもしれない」と思うようになる。
伊佐の職務を邪魔させないように管理するのが自分の使命だと思うようになったのだ。
なぜそこまで伊佐の職務を守ろうとするのか。
彼もまたワダツミとの約束を交わした人物だからだ。
「この船でいちばん女性が多いのは主計科だな。釘を刺しておかないと。まったく忙しい……」
歌川新汰は伊佐のひとつ年下になる。
一般大学を卒業後、海上保安庁へ就職した。実は歌川はイラストレーターになりたかった過去がある。
ファンタジー小説や映画が大好きで、その世界を絵に起こすことが趣味だった。
◆
大学二年の夏、歌川はひとりで海を訪れた。しかも、台風が接近しようとしている日に。
この日の海は強風、波浪警報が出ていた。空は灰色の厚い雲が覆い、遥か遠くの沖では稲光がはしる天気だ。
歌川は立入禁止のフェンスを乗り越え浜辺におりた。
首から一眼レフをぶら下げて。
「うわぁ――美しいじゃないか。真っ黄色の稲光が、こんなに黒に映えるとは」
まさに、ファンタジー映画でありそうな景色が目の前に広がっていたのだ。
強風に煽られてうごめく厚い雲。その下に広がる群青色の大海。雷がその二つの境界線を割くように落ちていく。
歌川は夢中で撮影した。自分が描きたい闇の世界が目の前にある。煌びやかな天使が舞い降りそうな世界とは真逆の世界。それを歌川は描いてみたかったのだ。
「すげぇよ。やばい……まじ、やばい」
轟々と耳に吹き付ける風に、そろそろ引き上げないと危険だと感じた。歌川はカメラにカバーをかけると、再びフェンスに手をかけた。
そのとき――
ありえないほど大きな破裂音が歌川の鼓膜を襲った。
(ええっ)
気づくと歌川は、暗闇の中に大の字になって倒れていた。
体は張り付けられたようにピクリとも動かない。指の先すら動かすことができないのだ。
「うっ――」
声も出ない。
(どうなったんだよ! 僕はいったいどうなった!)
首だけは動かせると気づき、あたりを可能な限り確認した。すると、自分は霧の中のような、湿度の高い場所にいるのだと感じた。
(まるで、雲の中だ……)
―― その通りだ。よくわかったのぅ、人間の若者よ
(ドドドドド……ドラゴンだ!)
―― 見えるか、ワシが。お前は雷に打たれた。体はまる焦げで、まもなく心臓も止まる。こんな天気の日になにをやっておる。
(僕、死ぬのか……そうか、死ぬのか。ドラゴン見れたしいいか)
―― もったいないのぅ。お前は頭脳明晰であるとみておったがな。うむ、死にたいのか?
(死にたいわけではないけど、無謀なチャレンジをしたんだから仕方がないさ。ところで貴方は何者ですか? ああ、僕の脳がおかしくなってるのか、そうか。死ぬ前のアレか)
―― ワシは綿津見。海の神と呼ばれている。
(ワダツミ? え、ワダツミ‼︎ 描きたかったなー。今日撮ったあの景色に、その姿は最高だよ。死にたくねー、くそー)
―― かわった男だ。まあ、死なずにすむ方法はある。ワシと約束をするのなら、だが。
(約束! 僕にできる約束なら!)
―― 海を護れ。この、大和の海をだ。近く、お前のまえに一人の青年が現れる。ワシが見込んだ男だ。その男を支えろ。お前のその回転の速い頭でな。
(その、男の名前は)
―― イサナギサ……イザナギみたいで気に入っている。
(いさ、なぎさ)
そして、歌川は海岸沿いの国道で目覚めた。
体を雨が叩きつけていた。
◆
歌川は過去の出来事は誰にも話したことがない。話せば全てが泡となって消えそうな気がしたからだ。
歌川がワダツミと交わした約束は、海上保安庁に入ることで取り敢えず果たした。しかし、まさか本当に伊佐渚という男に会えるとは思わなかった。
まるで光のベールでも纏っているのかと思うほど、歌川には伊佐が輝いて見えた。
彼は何かに守られている。
不思議な感覚だった。
彼がワダツミが言っていた男に間違いと思った。
「ここが彼女たちの戦場って、わけですね」
調理室の入口で、歌川は眼鏡のふちを押し上げた。
「失礼します。業務監理官付の歌川ともう……」
「お疲れ様です! あの、入室前に手を洗ってもらえますか? そのあと、そこにあるマスク着用して下さい」
「あ、はい。そうですよね、調理室ですもんね。衛生管理が大事です。わかります」
「えっと、エプロンつけます? シャツにいろいろつくかもしれません!」
「え、ああはい」
主計科は乗務員の食事も担当する。栄養士の資格保持者もおり、限られた食材と予算で三食の献立を作り提供している。
「えっと、君は」
「申し遅れました。主任をしております虹富まどかと申します。歌川さん、本日はなにか?」
「虹富まどかさんよろしくお願いします。いえ、その……女性の多い職場と聞きました。環境など不便ないかと思いまして」
さすがに歌川も、色目を使う女はいないか確認に来たなどとは言えない。
「ありがとうございます。主計長のおかげもあり、私たちには働きやすい環境です。ご覧の通りです」
虹富が言うように、歌川がきても挨拶はするもの自分の持ち場を離れたり、手を止めたりしていない。役割がきちんと与えられ、それぞれが責任を持って対処していると見られる。
もっとも調理の現場は時間に追われているのもあり、訪問者をいちいち相手にできないのかもしれない。
「さすが、手際がよいですね。男性もいる」
「ここは女性の比率が高いので、男性には息苦しいかもしれません。あ、でも彼は調理師の資格があるんです。前職はホテルのシェフなんです」
「ほぅ……出航が楽しみになってきました」
「でしょ! 彼のおかげでレパートリーが広がったんです。楽しみにしていてください!」
「はい」
(まて、僕はなにを確認に来たんだっけ?)
やりがいのある仕事を持つものに、浮ついた気持ちはないのかもしれない。しかし、そこは確かめておかなければならないのが歌川だ。
「ところで皆さん、独身ですか。あ、その、変な意味ではなくて」
「そうですね。ほとんど独身ですね。あ!」
虹富は何か察したように、歌川の顔を下から覗き込んだ。睫毛の長い大きなくるんとした瞳が、歌川を見つめる。思わず歌川は体を逸らした。
「な、なんでしょうか」
「ダメですよ。うちの子たちに手、出しちゃ」
「まさか! そちらこそ、監理官狙いは許しませんよ」
歌川にとって、先手を打たれるとは思ってもみなかったことだ。歌川がとっさに言い返すと、虹富は何かを確信したのか口元にうっすら笑みを浮かべた。
「ははーん」
「なにが、ははーんなんですかね」
距離が近いと焦る歌川は視線をそらして、眼鏡のふちを整えた。
「わたし、そういうのに偏見とかありませんから大丈夫ですよ。もちろん部下にも言いません。神様に誓って」
「なんの偏見ですか」
「歌川さん、男性が好きな男性なんでしょ? 男性から見ても伊佐監理官は男前だって。みんなため息ついてましたもん。役者がきたって」
「確かに伊佐さんは男前ですよ……というか! 僕はそんなんじゃ!」
「ちょ、声大きいです。ここ、調理室ですよ」
「だから!」
(僕はっ、同性愛者ではないんだ)
歌川は虹富に背を押されながら、事務室に入った。しかし、頭の中は誤解を解くことでいっぱいだ。
虹富はその間も「大丈夫ですよ。今はそんな時代じゃない」とかなんとか言っている。
バタンとドアが閉まった。
その瞬間、歌川は虹富の方を勢いよく振り向いた。
「誤解をしている。僕は同性愛者ではなく、れっきとした異性愛者ですよ!」
「あ、あの歌川さん……」
「僕は、女性が大好きですよ」
「ええ……」
あまりにも焦りすぎた。
いや、興奮しすぎていた。
歌川は虹富の顔の横に手をつき、顔を近づけてそんなことを宣言していた。マスクをしていたのが幸いか、その距離はあまりにも近く、その光景はまるで男性が女性にキスを迫るように見える。
「間違ってはいけない。僕は、貴方のような女性が、大好きなんです」
もはやこれは告白だ。しかし、歌川にとっては違う。
純粋に男として女が好きなんだと伝えたかっただけだ。
「危ないところでしたよ。誤解はいけない。伊佐はこの船において重要な仕事を任されています。恋だの愛だので、支障をきたしてはならない。見ての通りあの顔立ちですよ。いや、脱いだら筋肉もすごいらしいですよ。女性なら誰もが……て、虹富さん聞いてます?」
歌川が虹富の顔を見ると、虹富は潤んだ瞳でうなづいた。なぜ潤んでいるのかは歌川にも分からない。
(少しきつく言いすぎたかもしれない)
歌川はようやく虹富から体を離すと、眼鏡のふちを持ち上げながらもう一度念を押す。
「とにかく、同性愛者ではありません。そういう事ですから出港後も、よろしく頼みますね」
「は、はい。こちらこそ」
無自覚に歌川は、虹富を恋の海に蹴落としたのである。
巡視船かみしま。
まもなく、出航!
これは歌川による出航前チェックである。
本庁では伊佐の周辺をうろつく女性排除に忙しかった。彼女はいるのか、結婚しているのか、誕生日はいつなのか。合コンをセッティングしてくれとか、同じ部署にはどうやったらいけるのかなどなど。
「なんで僕に聞くんだ!」と初めの頃は苛々していたが、だんだんと「これは僕の任務かもしれない」と思うようになる。
伊佐の職務を邪魔させないように管理するのが自分の使命だと思うようになったのだ。
なぜそこまで伊佐の職務を守ろうとするのか。
彼もまたワダツミとの約束を交わした人物だからだ。
「この船でいちばん女性が多いのは主計科だな。釘を刺しておかないと。まったく忙しい……」
歌川新汰は伊佐のひとつ年下になる。
一般大学を卒業後、海上保安庁へ就職した。実は歌川はイラストレーターになりたかった過去がある。
ファンタジー小説や映画が大好きで、その世界を絵に起こすことが趣味だった。
◆
大学二年の夏、歌川はひとりで海を訪れた。しかも、台風が接近しようとしている日に。
この日の海は強風、波浪警報が出ていた。空は灰色の厚い雲が覆い、遥か遠くの沖では稲光がはしる天気だ。
歌川は立入禁止のフェンスを乗り越え浜辺におりた。
首から一眼レフをぶら下げて。
「うわぁ――美しいじゃないか。真っ黄色の稲光が、こんなに黒に映えるとは」
まさに、ファンタジー映画でありそうな景色が目の前に広がっていたのだ。
強風に煽られてうごめく厚い雲。その下に広がる群青色の大海。雷がその二つの境界線を割くように落ちていく。
歌川は夢中で撮影した。自分が描きたい闇の世界が目の前にある。煌びやかな天使が舞い降りそうな世界とは真逆の世界。それを歌川は描いてみたかったのだ。
「すげぇよ。やばい……まじ、やばい」
轟々と耳に吹き付ける風に、そろそろ引き上げないと危険だと感じた。歌川はカメラにカバーをかけると、再びフェンスに手をかけた。
そのとき――
ありえないほど大きな破裂音が歌川の鼓膜を襲った。
(ええっ)
気づくと歌川は、暗闇の中に大の字になって倒れていた。
体は張り付けられたようにピクリとも動かない。指の先すら動かすことができないのだ。
「うっ――」
声も出ない。
(どうなったんだよ! 僕はいったいどうなった!)
首だけは動かせると気づき、あたりを可能な限り確認した。すると、自分は霧の中のような、湿度の高い場所にいるのだと感じた。
(まるで、雲の中だ……)
―― その通りだ。よくわかったのぅ、人間の若者よ
(ドドドドド……ドラゴンだ!)
―― 見えるか、ワシが。お前は雷に打たれた。体はまる焦げで、まもなく心臓も止まる。こんな天気の日になにをやっておる。
(僕、死ぬのか……そうか、死ぬのか。ドラゴン見れたしいいか)
―― もったいないのぅ。お前は頭脳明晰であるとみておったがな。うむ、死にたいのか?
(死にたいわけではないけど、無謀なチャレンジをしたんだから仕方がないさ。ところで貴方は何者ですか? ああ、僕の脳がおかしくなってるのか、そうか。死ぬ前のアレか)
―― ワシは綿津見。海の神と呼ばれている。
(ワダツミ? え、ワダツミ‼︎ 描きたかったなー。今日撮ったあの景色に、その姿は最高だよ。死にたくねー、くそー)
―― かわった男だ。まあ、死なずにすむ方法はある。ワシと約束をするのなら、だが。
(約束! 僕にできる約束なら!)
―― 海を護れ。この、大和の海をだ。近く、お前のまえに一人の青年が現れる。ワシが見込んだ男だ。その男を支えろ。お前のその回転の速い頭でな。
(その、男の名前は)
―― イサナギサ……イザナギみたいで気に入っている。
(いさ、なぎさ)
そして、歌川は海岸沿いの国道で目覚めた。
体を雨が叩きつけていた。
◆
歌川は過去の出来事は誰にも話したことがない。話せば全てが泡となって消えそうな気がしたからだ。
歌川がワダツミと交わした約束は、海上保安庁に入ることで取り敢えず果たした。しかし、まさか本当に伊佐渚という男に会えるとは思わなかった。
まるで光のベールでも纏っているのかと思うほど、歌川には伊佐が輝いて見えた。
彼は何かに守られている。
不思議な感覚だった。
彼がワダツミが言っていた男に間違いと思った。
「ここが彼女たちの戦場って、わけですね」
調理室の入口で、歌川は眼鏡のふちを押し上げた。
「失礼します。業務監理官付の歌川ともう……」
「お疲れ様です! あの、入室前に手を洗ってもらえますか? そのあと、そこにあるマスク着用して下さい」
「あ、はい。そうですよね、調理室ですもんね。衛生管理が大事です。わかります」
「えっと、エプロンつけます? シャツにいろいろつくかもしれません!」
「え、ああはい」
主計科は乗務員の食事も担当する。栄養士の資格保持者もおり、限られた食材と予算で三食の献立を作り提供している。
「えっと、君は」
「申し遅れました。主任をしております虹富まどかと申します。歌川さん、本日はなにか?」
「虹富まどかさんよろしくお願いします。いえ、その……女性の多い職場と聞きました。環境など不便ないかと思いまして」
さすがに歌川も、色目を使う女はいないか確認に来たなどとは言えない。
「ありがとうございます。主計長のおかげもあり、私たちには働きやすい環境です。ご覧の通りです」
虹富が言うように、歌川がきても挨拶はするもの自分の持ち場を離れたり、手を止めたりしていない。役割がきちんと与えられ、それぞれが責任を持って対処していると見られる。
もっとも調理の現場は時間に追われているのもあり、訪問者をいちいち相手にできないのかもしれない。
「さすが、手際がよいですね。男性もいる」
「ここは女性の比率が高いので、男性には息苦しいかもしれません。あ、でも彼は調理師の資格があるんです。前職はホテルのシェフなんです」
「ほぅ……出航が楽しみになってきました」
「でしょ! 彼のおかげでレパートリーが広がったんです。楽しみにしていてください!」
「はい」
(まて、僕はなにを確認に来たんだっけ?)
やりがいのある仕事を持つものに、浮ついた気持ちはないのかもしれない。しかし、そこは確かめておかなければならないのが歌川だ。
「ところで皆さん、独身ですか。あ、その、変な意味ではなくて」
「そうですね。ほとんど独身ですね。あ!」
虹富は何か察したように、歌川の顔を下から覗き込んだ。睫毛の長い大きなくるんとした瞳が、歌川を見つめる。思わず歌川は体を逸らした。
「な、なんでしょうか」
「ダメですよ。うちの子たちに手、出しちゃ」
「まさか! そちらこそ、監理官狙いは許しませんよ」
歌川にとって、先手を打たれるとは思ってもみなかったことだ。歌川がとっさに言い返すと、虹富は何かを確信したのか口元にうっすら笑みを浮かべた。
「ははーん」
「なにが、ははーんなんですかね」
距離が近いと焦る歌川は視線をそらして、眼鏡のふちを整えた。
「わたし、そういうのに偏見とかありませんから大丈夫ですよ。もちろん部下にも言いません。神様に誓って」
「なんの偏見ですか」
「歌川さん、男性が好きな男性なんでしょ? 男性から見ても伊佐監理官は男前だって。みんなため息ついてましたもん。役者がきたって」
「確かに伊佐さんは男前ですよ……というか! 僕はそんなんじゃ!」
「ちょ、声大きいです。ここ、調理室ですよ」
「だから!」
(僕はっ、同性愛者ではないんだ)
歌川は虹富に背を押されながら、事務室に入った。しかし、頭の中は誤解を解くことでいっぱいだ。
虹富はその間も「大丈夫ですよ。今はそんな時代じゃない」とかなんとか言っている。
バタンとドアが閉まった。
その瞬間、歌川は虹富の方を勢いよく振り向いた。
「誤解をしている。僕は同性愛者ではなく、れっきとした異性愛者ですよ!」
「あ、あの歌川さん……」
「僕は、女性が大好きですよ」
「ええ……」
あまりにも焦りすぎた。
いや、興奮しすぎていた。
歌川は虹富の顔の横に手をつき、顔を近づけてそんなことを宣言していた。マスクをしていたのが幸いか、その距離はあまりにも近く、その光景はまるで男性が女性にキスを迫るように見える。
「間違ってはいけない。僕は、貴方のような女性が、大好きなんです」
もはやこれは告白だ。しかし、歌川にとっては違う。
純粋に男として女が好きなんだと伝えたかっただけだ。
「危ないところでしたよ。誤解はいけない。伊佐はこの船において重要な仕事を任されています。恋だの愛だので、支障をきたしてはならない。見ての通りあの顔立ちですよ。いや、脱いだら筋肉もすごいらしいですよ。女性なら誰もが……て、虹富さん聞いてます?」
歌川が虹富の顔を見ると、虹富は潤んだ瞳でうなづいた。なぜ潤んでいるのかは歌川にも分からない。
(少しきつく言いすぎたかもしれない)
歌川はようやく虹富から体を離すと、眼鏡のふちを持ち上げながらもう一度念を押す。
「とにかく、同性愛者ではありません。そういう事ですから出港後も、よろしく頼みますね」
「は、はい。こちらこそ」
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