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5. エリートさん、射撃の腕前拝見します
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やいのやいのと賑やかなまま、伊佐ら四人は射撃訓練場へやってきた。
ここでは主に特警隊が訓練をするが、巡視船に乗務する他の隊員たちも定期的にここにやってくる。
特に国籍不明船の立入検査の際は、帯銃することもある。海上保安官は警察法に基づいた捜査を行うことができるからだ。こういったことから、海の警察官を担う海上保安官は海上自衛隊の海賊対策に参加し、逮捕権をもたない自衛隊に代わって職務を遂行する。
とにかく、海上保安庁がやるべき仕事はたくさんある。いや、ありすぎると愚痴を言ってもよいほどだ。
海の交通整理、事故処理、救難、船舶の取締り、灯台の整備、気象予報、海洋調査、水質管理などなど。これにテロ防止や、海賊対策など国際活動も加わる。
「ここです。今年初めに完成したばかりの、石垣海上保安部射撃訓練場です」
「平良隊長、市民の反応はいかがでしたか」
「ええ、まあ。歓迎も反対もしないといった感じです。自衛隊でないぶん、黙認ということでしょうか」
「そうですか」
地域柄、どうしても武力を保持した機関に抵抗があるので、新しい装備や艦艇を導入するときは非常に気を使う。本島では米軍基地の建設反対派の活動の取締で、海保も出動している。法律に基づいた任務ではあるが、どちらの味方だと問われると、なんとも言えない気持ちになるものだ。
平良は訓練場の扉を開けると、思い出したように口を開いた。
「そういえば伊佐さん、救難警備技術大会に出られたとか」
「ええ、確か……五年前に」
それを聞いたレナが弾かれたようにこう言った。
「あれって、選抜ですよね! 管区の推薦で、優秀な人しか出られないやつじゃないですか? え、すごいですね」
歌川は、なぜかレナの言葉を聞いて嬉しそうに微笑む。照明が歌川の眼鏡をキラリと光らせると、彼は自慢げに語り始めた。
「伊佐渚が二十五歳の時ですね。三管の代表で出場いたしました。ご存知の通り伊佐は、海上保安大学校を主席で卒業。わたくしは残念ながら一般大学ですが……伊佐は水泳とこの射撃の才能があったようでして。なんと、当時の大会で優勝しておりますっ」
「おおっ!」
「水泳もですね、高校時代はオリンピック選手になるのではないかと噂されるほどで。なのに、肝心な大会で手を抜いた。わざと予選落ちをしたんですよ。信じられます?」
「信じられない!」
とにかく歌川は伊佐のことに詳しい。頼んでもないのに、自分のことかのように脚色をつけて語る癖がある。
「歌川、その話はいいから。君だって射撃やってたじゃないか。なかなかの腕だって聞いたよ」
「まあ、一応? 海上保安官ですし?」
自分のことになると恥ずかしそうに俯きながら、そう答えた。落ちてもない眼鏡のふちをクイッと指で上げながら。
「では、どうでしょう。我々、警備隊とやってみませんか。お二人の腕前を拝見したいですね。警備隊としては手加減などできかねますが」
平良は試してみたくなったのだ。エリート系とはやし立てられる伊佐の実力を。
机の上では一番かもしれないが、現場に出たら使えない職員をたくさん見てきた。この十一管区に相応しくなければ、本庁へお帰り願いたいとも思っている。
「せっかくですので、ご指導賜ります」
伊佐は平良にそう答えた。
試されているのは重々感じている。だからこそ、受けて立とうと決めた。実力を小出しにして探り合うよりも、さらけ出して気持ちを一つにしたい。
「準備しますので、こちらへどうぞ」
◇
長テーブルには自動拳銃が置かれてあった。海上保安庁が装備するこれらの拳銃は、金属部分が潮で錆びないよう工夫されてあり、全天候多用途となっている。
弾の装填は一発ずつで、全部で数発しか入らない。
しかし、特警隊は任務によっては小銃を携帯することが許されている。
「伊佐監理官、操作は覚えていますか?」
「さすがに忘れていませんよ隊長。装填からのスタートでもかまいません」
「面白いですね。うちの若いのも入れます。比嘉です」
「比嘉斗真です。よろしくお願いします」
平良と同じく特別警備隊の隊員だ。彼も、巡視船かみしまのメンバーに入れてある。
「歌川さんはどうされますか」
「二対一じゃ、伊佐さんが寂しいでしょうから僕も参加させていただきます。足手まといでしょうけど」
「では決まりですね。お二方、心の準備が整ったらおっしゃってください」
伊佐と歌川は的を確認した。テーブルにはイヤーマフと、耳栓タイプの両方が用意されていたが、伊佐と歌川は耳栓タイプを選んだ。
万が一に備えて、眼を保護する透明のゴーグルを装着した。
久しぶりの緊張感に伊佐は心地よさを感じてしまう。いつからか分からないが、窮地に立たされたり、難題を押し付けられると、苦痛よりも快感に似たものを感じるようになった。
(俺は、ドMか……)
そう思っても仕方がない。
伊佐は確認をするように歌川を見た。歌川も同じタイミングで伊佐を振り返って、「いつでもどうぞ」と言わんばかりに口元を緩めた。歌川は眼鏡なのでゴーグルをつけていない。
伊佐は準備ができことを知らせるため、平良に右手を上げて合図した。
四人が横に並んで直立不動の姿勢でその時を待つ。
施設を管理する職員が赤い旗を上げたらスタートだ。
同時に四人は動いた。五発用意された弾を指で穴に詰めて回す。それを五回繰り返さなければならない。一般的にはそれを完了するには一分ほどを要すると言われている。
しかし、訓練されたかみしま特警隊の二人は速かった。装填完了まであっという間だ。
平良には自信があった。長年培った訓練がエリートさんに負けるわけがないと。部下の比嘉も自分が育てた優秀な隊員だ。どこに出してもおかしくない。
しかし、だからといって他人の様子を見ている余裕はない。一発も外さずに的の中心を射抜かねばならないからだ。
パンパンパン――
室内に乾いた銃声が鳴り響く。
一発撃つごとに、狙いを定め直す。鍛えられた筋肉は撃った反動で起こるブレを最小限に抑えてくれる。
パンッ、パンッ――
五発全てを撃ち終わった者から拳銃をテーブルに置くことになっている。
かみしま特警隊の二人が置いてから数秒後、伊佐と歌川も拳銃をテーブルに置いた。
「まさかとは思いますが、我々よりあえて遅く置きましたか」
「まさか」
平良はなんとなく感じたのだ。伊佐も歌川も単なるエリートではない。隣から感じた気配、横目で見えた拳銃を支える腕は、特警隊のそれと変わりがなかった。いや、もしかしたら――。
―― そんなこと、あってたまるか!
「ああ、僕外してますね」
歌川の情けない声に平良は双眼鏡で的を確認した。
「伊佐さんはどうです? ああ、やっぱりだ。見てくださいこの人、全部中心ぶち抜いてます」
外したという歌川はよく見ても外れているといえるほどではない。確かに一発ずれてはいるが、それは範囲内なのだ。それよりも平良が驚いたのは伊佐が撃った的である。弾が中央の黒丸をきれいに抜いており、黒丸そのものがなくなっていた。
嘘だろ――
言葉にならなかった。
「競技向きなんですよ、私のは。特別警備隊のような現場には不向きなんです」
伊佐の言葉から嫌味は感じられなかった。確かに言われるとそうなのだと納得がいく。現場では、今回のような始まりの合図はないのだ。
しかしそうだとしても、伊佐の技術は隊長の平良にも明らかだった。少しずつミリ単位でズラして撃つなど、特別警備隊の中のどこに存在するというのか。
「そんなこと、ないでしょう。伊佐さん、あなたのこの技術は腕先だけでできるものではありません。心技体のバランスが整っていなければ、成せないです。恥ずかしながら、うちの隊にここまでの人材はいません」
「それは、大袈裟すぎますよ」
伊佐は目元だけ笑って、そういった。
歌川は、当然だと言わんばかりの得意そうな笑顔でうんうんとうなずき、見学していたレナは驚きで右手を胸に当てていた。
そして、警務隊員の比嘉は唇を噛み締めながら二人を見ていた。
若手エリート幹部に、負けてしまったからだ。
「ひがぁ!」
「はい!」
「次は絶対に負けんぞ。走りながら撃っても外さない! 乗船日まで徹底的に訓練をする!」
「はい!」
「呼集だぁ! 全隊員を今すぐ集めろ!」
「了解です!」
警務隊員に火がついたのは言うまでもない。
ここでは主に特警隊が訓練をするが、巡視船に乗務する他の隊員たちも定期的にここにやってくる。
特に国籍不明船の立入検査の際は、帯銃することもある。海上保安官は警察法に基づいた捜査を行うことができるからだ。こういったことから、海の警察官を担う海上保安官は海上自衛隊の海賊対策に参加し、逮捕権をもたない自衛隊に代わって職務を遂行する。
とにかく、海上保安庁がやるべき仕事はたくさんある。いや、ありすぎると愚痴を言ってもよいほどだ。
海の交通整理、事故処理、救難、船舶の取締り、灯台の整備、気象予報、海洋調査、水質管理などなど。これにテロ防止や、海賊対策など国際活動も加わる。
「ここです。今年初めに完成したばかりの、石垣海上保安部射撃訓練場です」
「平良隊長、市民の反応はいかがでしたか」
「ええ、まあ。歓迎も反対もしないといった感じです。自衛隊でないぶん、黙認ということでしょうか」
「そうですか」
地域柄、どうしても武力を保持した機関に抵抗があるので、新しい装備や艦艇を導入するときは非常に気を使う。本島では米軍基地の建設反対派の活動の取締で、海保も出動している。法律に基づいた任務ではあるが、どちらの味方だと問われると、なんとも言えない気持ちになるものだ。
平良は訓練場の扉を開けると、思い出したように口を開いた。
「そういえば伊佐さん、救難警備技術大会に出られたとか」
「ええ、確か……五年前に」
それを聞いたレナが弾かれたようにこう言った。
「あれって、選抜ですよね! 管区の推薦で、優秀な人しか出られないやつじゃないですか? え、すごいですね」
歌川は、なぜかレナの言葉を聞いて嬉しそうに微笑む。照明が歌川の眼鏡をキラリと光らせると、彼は自慢げに語り始めた。
「伊佐渚が二十五歳の時ですね。三管の代表で出場いたしました。ご存知の通り伊佐は、海上保安大学校を主席で卒業。わたくしは残念ながら一般大学ですが……伊佐は水泳とこの射撃の才能があったようでして。なんと、当時の大会で優勝しておりますっ」
「おおっ!」
「水泳もですね、高校時代はオリンピック選手になるのではないかと噂されるほどで。なのに、肝心な大会で手を抜いた。わざと予選落ちをしたんですよ。信じられます?」
「信じられない!」
とにかく歌川は伊佐のことに詳しい。頼んでもないのに、自分のことかのように脚色をつけて語る癖がある。
「歌川、その話はいいから。君だって射撃やってたじゃないか。なかなかの腕だって聞いたよ」
「まあ、一応? 海上保安官ですし?」
自分のことになると恥ずかしそうに俯きながら、そう答えた。落ちてもない眼鏡のふちをクイッと指で上げながら。
「では、どうでしょう。我々、警備隊とやってみませんか。お二人の腕前を拝見したいですね。警備隊としては手加減などできかねますが」
平良は試してみたくなったのだ。エリート系とはやし立てられる伊佐の実力を。
机の上では一番かもしれないが、現場に出たら使えない職員をたくさん見てきた。この十一管区に相応しくなければ、本庁へお帰り願いたいとも思っている。
「せっかくですので、ご指導賜ります」
伊佐は平良にそう答えた。
試されているのは重々感じている。だからこそ、受けて立とうと決めた。実力を小出しにして探り合うよりも、さらけ出して気持ちを一つにしたい。
「準備しますので、こちらへどうぞ」
◇
長テーブルには自動拳銃が置かれてあった。海上保安庁が装備するこれらの拳銃は、金属部分が潮で錆びないよう工夫されてあり、全天候多用途となっている。
弾の装填は一発ずつで、全部で数発しか入らない。
しかし、特警隊は任務によっては小銃を携帯することが許されている。
「伊佐監理官、操作は覚えていますか?」
「さすがに忘れていませんよ隊長。装填からのスタートでもかまいません」
「面白いですね。うちの若いのも入れます。比嘉です」
「比嘉斗真です。よろしくお願いします」
平良と同じく特別警備隊の隊員だ。彼も、巡視船かみしまのメンバーに入れてある。
「歌川さんはどうされますか」
「二対一じゃ、伊佐さんが寂しいでしょうから僕も参加させていただきます。足手まといでしょうけど」
「では決まりですね。お二方、心の準備が整ったらおっしゃってください」
伊佐と歌川は的を確認した。テーブルにはイヤーマフと、耳栓タイプの両方が用意されていたが、伊佐と歌川は耳栓タイプを選んだ。
万が一に備えて、眼を保護する透明のゴーグルを装着した。
久しぶりの緊張感に伊佐は心地よさを感じてしまう。いつからか分からないが、窮地に立たされたり、難題を押し付けられると、苦痛よりも快感に似たものを感じるようになった。
(俺は、ドMか……)
そう思っても仕方がない。
伊佐は確認をするように歌川を見た。歌川も同じタイミングで伊佐を振り返って、「いつでもどうぞ」と言わんばかりに口元を緩めた。歌川は眼鏡なのでゴーグルをつけていない。
伊佐は準備ができことを知らせるため、平良に右手を上げて合図した。
四人が横に並んで直立不動の姿勢でその時を待つ。
施設を管理する職員が赤い旗を上げたらスタートだ。
同時に四人は動いた。五発用意された弾を指で穴に詰めて回す。それを五回繰り返さなければならない。一般的にはそれを完了するには一分ほどを要すると言われている。
しかし、訓練されたかみしま特警隊の二人は速かった。装填完了まであっという間だ。
平良には自信があった。長年培った訓練がエリートさんに負けるわけがないと。部下の比嘉も自分が育てた優秀な隊員だ。どこに出してもおかしくない。
しかし、だからといって他人の様子を見ている余裕はない。一発も外さずに的の中心を射抜かねばならないからだ。
パンパンパン――
室内に乾いた銃声が鳴り響く。
一発撃つごとに、狙いを定め直す。鍛えられた筋肉は撃った反動で起こるブレを最小限に抑えてくれる。
パンッ、パンッ――
五発全てを撃ち終わった者から拳銃をテーブルに置くことになっている。
かみしま特警隊の二人が置いてから数秒後、伊佐と歌川も拳銃をテーブルに置いた。
「まさかとは思いますが、我々よりあえて遅く置きましたか」
「まさか」
平良はなんとなく感じたのだ。伊佐も歌川も単なるエリートではない。隣から感じた気配、横目で見えた拳銃を支える腕は、特警隊のそれと変わりがなかった。いや、もしかしたら――。
―― そんなこと、あってたまるか!
「ああ、僕外してますね」
歌川の情けない声に平良は双眼鏡で的を確認した。
「伊佐さんはどうです? ああ、やっぱりだ。見てくださいこの人、全部中心ぶち抜いてます」
外したという歌川はよく見ても外れているといえるほどではない。確かに一発ずれてはいるが、それは範囲内なのだ。それよりも平良が驚いたのは伊佐が撃った的である。弾が中央の黒丸をきれいに抜いており、黒丸そのものがなくなっていた。
嘘だろ――
言葉にならなかった。
「競技向きなんですよ、私のは。特別警備隊のような現場には不向きなんです」
伊佐の言葉から嫌味は感じられなかった。確かに言われるとそうなのだと納得がいく。現場では、今回のような始まりの合図はないのだ。
しかしそうだとしても、伊佐の技術は隊長の平良にも明らかだった。少しずつミリ単位でズラして撃つなど、特別警備隊の中のどこに存在するというのか。
「そんなこと、ないでしょう。伊佐さん、あなたのこの技術は腕先だけでできるものではありません。心技体のバランスが整っていなければ、成せないです。恥ずかしながら、うちの隊にここまでの人材はいません」
「それは、大袈裟すぎますよ」
伊佐は目元だけ笑って、そういった。
歌川は、当然だと言わんばかりの得意そうな笑顔でうんうんとうなずき、見学していたレナは驚きで右手を胸に当てていた。
そして、警務隊員の比嘉は唇を噛み締めながら二人を見ていた。
若手エリート幹部に、負けてしまったからだ。
「ひがぁ!」
「はい!」
「次は絶対に負けんぞ。走りながら撃っても外さない! 乗船日まで徹底的に訓練をする!」
「はい!」
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