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2. 国際系エリート、石垣島着任
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沖縄県石垣市。
石垣海上保安部では、霞ヶ関から若手幹部が異動して来るという話で朝から持ちきりだった。
普段は航空基地で勤務する職員も、集まっている。
「国際系のエリートらしいぞ。英語はもちろん、ロシア語と中国語もできるらしい」
「外交官としての派遣歴もあるってさ」
「そんなエリートが、なんでここに」
「そりゃ、毎日うちの海域にお客さんが入ってくるからだろ」
「ネクタイ締めたエリートさんがやれる案件なのかね。見ての通りうちは他の管区と柄が違う。それでもEEZはやられたい放題だぞ」
「賢いだけの坊ちゃんは、いらねえよなー。おとなしく本庁で俺たちの待遇のために頑張ってくれてたらいいのにさ」
石垣海上保安部が担任する水域は広く、また昨今のニュースでも取り上げられる尖閣諸島もある。毎日、我が国のEEZ(排他的経済水域)は脅かされているのだ。そんなクセのある水域を守る彼らは、どの管区よりもクセの強い人間が多いと言われている。
好きでクセが強くなったわけではないだろうが、そうしていなければやっていけないのかもしれない。
「おいレナ。国際系の坊ちゃんのことは任せたぞ」
「なんで私が」
「うちで国際系っていったら、我如古レナさんしかいないじゃないですか。見た目も国際系だし?」
「お断りします!」
「おいおいおい」
主計科で主計長を務める我如古レナは、父親が米国の元軍人である。いわゆる、日本人と米国人のいいとこ取りをしたハーフだ。モデルのような体型と顔立ちは、すれ違う男たちを簡単に振り向かせる。救命士の資格を持ち英語も堪能で、外国船籍の取締りは今や彼女なしでは難しい。
女性でありながら、それらの能力を見込まれて主計長を任せられている。そのお陰か、この科は女性が働きやすい環境になっているようだ。
「静かに! まもなく伊佐一等海上保安正改め、巡視船かみしま業務監理官(船長補佐)が到着する。みな外に出るように」
「かみしまって、ヘリコプター二機搭載型のかみしまですか。最大級と言われている……」
「そうだ」
「配備は当分先だと聞いておりますが」
「それを前倒しにしたのが、エリート坊ちゃんの伊佐だ」
「おお……」
エリート坊ちゃんは早速、その権限を行使して日本最大級の巡視船とともに乗り込んで来た。
◇
岸壁に出ると、白と濃紺の真新しい塗装が映える巡視船かみしまが見えた。タグボートが船体を押し、ゆっくりと着岸態勢に入った。岸では保安官たちが、アンカーに繋ぐロープが届くのを待っていた。
「デカイ……な」
大きな音をたてて、錨が下りた。
日本最大級、ヘリコプター二機搭載型巡視船かみしま。スーパーピューマが二機格納できるというのだから、相当の大きさだ。
ことあるごとに増強され、今や日本において最大勢力を持たされているのが石垣海上保安部だが、これも年々騒がしくなる尖閣諸島問題によるものである。
「なあ、そのエリート坊ちゃんは若いのか。坊ちゃんて言うくらいだ」
機関長の佐々木が、真新しい船を見上げながら呟いた。隣に立っていた通信長の江口が、その呟きに答える。
「今年、三十だとか。この若さでベテランがやる業務監理官をするんですよ。機関長どう思います」
「ほう……坊ちゃんに先を越されてしまったか」
船長を支える船内のトップツーである業務監理は、これまでは機関科出身者が多かった。長年、巡視船に乗り、海上での様々な経験を積んだ大ベテランが選出されるものであった。海の酸いも甘いも知り尽くしているからこそ、船長を支えることができるのだ。
「どう計算しても、乗船歴は我々より少ないと思うのですがね」
「上が決めることだ。我々は従うのみ」
「そうですが……なんとも複雑ですね」
「そういう時代だよ江口くん。時代だ」
口ではそう言う機関長の佐々木だが、本心は穏やかではないはずだ。沖縄の水域は、どの職員よりも知り尽くしている。船に関しても同じだ。巡視船の機動力を最大限に活かせるのは自分しかいないと自負している。
それが、本庁からやってきたお勉強好きの若手に越されたのだから言うまでもない。
通信長の江口は心中で察するしかなかった。口に出してはプライドが傷つく。それは四十を超えた自分にも言えることだからだ。
梯子がかけられ、巡視船かみしまに乗ってきた職員が順におりてくる。最後に船長の松平祥太郎が噂のエリート保安官の伊佐を伴って降りてきた。
「うわ……こりゃまた」
想像以上に男前だったのだ。男から見てもそう思うのだから間違いない。
「うお! 何かの撮影っすか。冗談ですよね、あの二人がうちに?」
「やばい。かっこいい……船長も船長補佐もイケメンとか」
「都会って、皆あんなにかっこいいの?」
「おい。俺も東京の都会出身なんだぜ」
「おまえも? ないわー。ないないないわー」
主計科の女性職員に若い警備隊員の間でちょっとした騒ぎだ。
背も高い、脚も長い、顔もいい、頭もいい。いちいち仕草がさまになる。白い夏の制服がとんでもなく眩しい。
「なあ、夏服ってあんなに白かったっけ?」
「さぁ……」
思わず自分たちが着ている制服を見直した。
彼らはまるで、役者を見ている気分であった。
◇
巡視船かみしまが着岸すると、伊佐は職員の下船を確認し船長へ報告。船長の許可を得て、ようやく自分も下船を開始した。港には石垣海上保安部の面々が出迎えに来ているのが見えた。横一列に整列し、休めの姿勢をとっている。
整列している職員が全員ではない。今も二十四時間、海に出て日本の領海を守っている。
(彼らが、石垣の精鋭たちか……濃いな)
伊佐は彼らの視線を全身で受け止めていた。頭のてっぺんから足の先まで、ピリピリと刺すような視線であった。
伊佐もある程度の覚悟はしている。自分のような現場経験の少ない人間が、ベテラン揃いである石垣でいきなり船長補佐で着任したのだ。
(いろいろと、試されるだろうな)
伊佐は、舐められてなるかという気持ちよりも、いかにチームに溶け込むかを重視していた。媚びるつもりはないが、同じ海を守るものとして心を一つにしたいと思っている。
複雑な水域の護り人たちと共に。
「わざわざ出迎え感謝します。この度、石垣海上保安部に着任しました、巡視船かみしまの船長を務める松平と申します。皆さんとともに、私も命をかけて日本領海の安全のために尽力したいと思っています。どうぞよろしく」
巡視船かみしま船長松平祥太郎。北海道小樽市に本部を置く第一管区海上保安本部からやって来た。国家公務員には珍しく、鼻髭がある。背が高く肌の色は白い。口調は優しく、温厚である。
遠目に見ると外国人ではないかと思うほどだ。
松平が勤務した第一管区は、排他的経済水域がロシアと接しており、互いの漁船が衝突したり、領域を越えたと突然拿捕されたりと、とても忙しい水域であった。
まさに、今回の異動はその経験を見込まれたものであろう。
船長の挨拶が終わると、今度は伊佐にマイクが向いた。視線が一斉に集まる。
「本庁より着任しました。伊佐渚です。松平船長を補佐し、乗員の安全のために、家で待つ家族のために、そして美しき日本の海のために尽力します」
伊佐は、向けられた視線を弾き返すような鋭い眼光を向け決意を表明した。
この後、巡視船かみしまの乗員を発表することになっている。およそ130名が船上で行動を共にする。
「あっ、てことは」
「おい、声っ。お叱り受けるだろうがっ」
「俺たちがここにいるってことはだ」
「なんだよ」
「かみしまの乗組員ってことに、なるんじゃねえの」
「は?」
「いやだって、いつも俺が乗ってる船は先週から出払ってるし、おまえの船もおまえ置いて出航中。あの大型巡視船だけが、警備船としてここにあるわけだ。正確には今日来た」
「まさか……」
若手保安官は気づいてしまう。俺たちが、あれに乗るんだと。
領海警備専従船となる巡視船かみしまの乗組員には、大ベテランの長を置き、ようやく一人前かと思われる若手を選抜していた。
これからの海を守るのは若き力だ。その若き力を育てるのは現役で活躍中の中堅ではなく、ベテランたちだ。これまでの経験と技術を次世代に引き継ぎ、若手保安官たちはそれらを確実に受け継がなければならない。
最新の技術と装備を搭載した巡視船かみしまは、彼らの腕次第で目を覚ますのだ。
大型巡視船を配備したことの意味と責任は大きい。
伊佐とワダツミとの約束はこれからが本番だ。
石垣海上保安部では、霞ヶ関から若手幹部が異動して来るという話で朝から持ちきりだった。
普段は航空基地で勤務する職員も、集まっている。
「国際系のエリートらしいぞ。英語はもちろん、ロシア語と中国語もできるらしい」
「外交官としての派遣歴もあるってさ」
「そんなエリートが、なんでここに」
「そりゃ、毎日うちの海域にお客さんが入ってくるからだろ」
「ネクタイ締めたエリートさんがやれる案件なのかね。見ての通りうちは他の管区と柄が違う。それでもEEZはやられたい放題だぞ」
「賢いだけの坊ちゃんは、いらねえよなー。おとなしく本庁で俺たちの待遇のために頑張ってくれてたらいいのにさ」
石垣海上保安部が担任する水域は広く、また昨今のニュースでも取り上げられる尖閣諸島もある。毎日、我が国のEEZ(排他的経済水域)は脅かされているのだ。そんなクセのある水域を守る彼らは、どの管区よりもクセの強い人間が多いと言われている。
好きでクセが強くなったわけではないだろうが、そうしていなければやっていけないのかもしれない。
「おいレナ。国際系の坊ちゃんのことは任せたぞ」
「なんで私が」
「うちで国際系っていったら、我如古レナさんしかいないじゃないですか。見た目も国際系だし?」
「お断りします!」
「おいおいおい」
主計科で主計長を務める我如古レナは、父親が米国の元軍人である。いわゆる、日本人と米国人のいいとこ取りをしたハーフだ。モデルのような体型と顔立ちは、すれ違う男たちを簡単に振り向かせる。救命士の資格を持ち英語も堪能で、外国船籍の取締りは今や彼女なしでは難しい。
女性でありながら、それらの能力を見込まれて主計長を任せられている。そのお陰か、この科は女性が働きやすい環境になっているようだ。
「静かに! まもなく伊佐一等海上保安正改め、巡視船かみしま業務監理官(船長補佐)が到着する。みな外に出るように」
「かみしまって、ヘリコプター二機搭載型のかみしまですか。最大級と言われている……」
「そうだ」
「配備は当分先だと聞いておりますが」
「それを前倒しにしたのが、エリート坊ちゃんの伊佐だ」
「おお……」
エリート坊ちゃんは早速、その権限を行使して日本最大級の巡視船とともに乗り込んで来た。
◇
岸壁に出ると、白と濃紺の真新しい塗装が映える巡視船かみしまが見えた。タグボートが船体を押し、ゆっくりと着岸態勢に入った。岸では保安官たちが、アンカーに繋ぐロープが届くのを待っていた。
「デカイ……な」
大きな音をたてて、錨が下りた。
日本最大級、ヘリコプター二機搭載型巡視船かみしま。スーパーピューマが二機格納できるというのだから、相当の大きさだ。
ことあるごとに増強され、今や日本において最大勢力を持たされているのが石垣海上保安部だが、これも年々騒がしくなる尖閣諸島問題によるものである。
「なあ、そのエリート坊ちゃんは若いのか。坊ちゃんて言うくらいだ」
機関長の佐々木が、真新しい船を見上げながら呟いた。隣に立っていた通信長の江口が、その呟きに答える。
「今年、三十だとか。この若さでベテランがやる業務監理官をするんですよ。機関長どう思います」
「ほう……坊ちゃんに先を越されてしまったか」
船長を支える船内のトップツーである業務監理は、これまでは機関科出身者が多かった。長年、巡視船に乗り、海上での様々な経験を積んだ大ベテランが選出されるものであった。海の酸いも甘いも知り尽くしているからこそ、船長を支えることができるのだ。
「どう計算しても、乗船歴は我々より少ないと思うのですがね」
「上が決めることだ。我々は従うのみ」
「そうですが……なんとも複雑ですね」
「そういう時代だよ江口くん。時代だ」
口ではそう言う機関長の佐々木だが、本心は穏やかではないはずだ。沖縄の水域は、どの職員よりも知り尽くしている。船に関しても同じだ。巡視船の機動力を最大限に活かせるのは自分しかいないと自負している。
それが、本庁からやってきたお勉強好きの若手に越されたのだから言うまでもない。
通信長の江口は心中で察するしかなかった。口に出してはプライドが傷つく。それは四十を超えた自分にも言えることだからだ。
梯子がかけられ、巡視船かみしまに乗ってきた職員が順におりてくる。最後に船長の松平祥太郎が噂のエリート保安官の伊佐を伴って降りてきた。
「うわ……こりゃまた」
想像以上に男前だったのだ。男から見てもそう思うのだから間違いない。
「うお! 何かの撮影っすか。冗談ですよね、あの二人がうちに?」
「やばい。かっこいい……船長も船長補佐もイケメンとか」
「都会って、皆あんなにかっこいいの?」
「おい。俺も東京の都会出身なんだぜ」
「おまえも? ないわー。ないないないわー」
主計科の女性職員に若い警備隊員の間でちょっとした騒ぎだ。
背も高い、脚も長い、顔もいい、頭もいい。いちいち仕草がさまになる。白い夏の制服がとんでもなく眩しい。
「なあ、夏服ってあんなに白かったっけ?」
「さぁ……」
思わず自分たちが着ている制服を見直した。
彼らはまるで、役者を見ている気分であった。
◇
巡視船かみしまが着岸すると、伊佐は職員の下船を確認し船長へ報告。船長の許可を得て、ようやく自分も下船を開始した。港には石垣海上保安部の面々が出迎えに来ているのが見えた。横一列に整列し、休めの姿勢をとっている。
整列している職員が全員ではない。今も二十四時間、海に出て日本の領海を守っている。
(彼らが、石垣の精鋭たちか……濃いな)
伊佐は彼らの視線を全身で受け止めていた。頭のてっぺんから足の先まで、ピリピリと刺すような視線であった。
伊佐もある程度の覚悟はしている。自分のような現場経験の少ない人間が、ベテラン揃いである石垣でいきなり船長補佐で着任したのだ。
(いろいろと、試されるだろうな)
伊佐は、舐められてなるかという気持ちよりも、いかにチームに溶け込むかを重視していた。媚びるつもりはないが、同じ海を守るものとして心を一つにしたいと思っている。
複雑な水域の護り人たちと共に。
「わざわざ出迎え感謝します。この度、石垣海上保安部に着任しました、巡視船かみしまの船長を務める松平と申します。皆さんとともに、私も命をかけて日本領海の安全のために尽力したいと思っています。どうぞよろしく」
巡視船かみしま船長松平祥太郎。北海道小樽市に本部を置く第一管区海上保安本部からやって来た。国家公務員には珍しく、鼻髭がある。背が高く肌の色は白い。口調は優しく、温厚である。
遠目に見ると外国人ではないかと思うほどだ。
松平が勤務した第一管区は、排他的経済水域がロシアと接しており、互いの漁船が衝突したり、領域を越えたと突然拿捕されたりと、とても忙しい水域であった。
まさに、今回の異動はその経験を見込まれたものであろう。
船長の挨拶が終わると、今度は伊佐にマイクが向いた。視線が一斉に集まる。
「本庁より着任しました。伊佐渚です。松平船長を補佐し、乗員の安全のために、家で待つ家族のために、そして美しき日本の海のために尽力します」
伊佐は、向けられた視線を弾き返すような鋭い眼光を向け決意を表明した。
この後、巡視船かみしまの乗員を発表することになっている。およそ130名が船上で行動を共にする。
「あっ、てことは」
「おい、声っ。お叱り受けるだろうがっ」
「俺たちがここにいるってことはだ」
「なんだよ」
「かみしまの乗組員ってことに、なるんじゃねえの」
「は?」
「いやだって、いつも俺が乗ってる船は先週から出払ってるし、おまえの船もおまえ置いて出航中。あの大型巡視船だけが、警備船としてここにあるわけだ。正確には今日来た」
「まさか……」
若手保安官は気づいてしまう。俺たちが、あれに乗るんだと。
領海警備専従船となる巡視船かみしまの乗組員には、大ベテランの長を置き、ようやく一人前かと思われる若手を選抜していた。
これからの海を守るのは若き力だ。その若き力を育てるのは現役で活躍中の中堅ではなく、ベテランたちだ。これまでの経験と技術を次世代に引き継ぎ、若手保安官たちはそれらを確実に受け継がなければならない。
最新の技術と装備を搭載した巡視船かみしまは、彼らの腕次第で目を覚ますのだ。
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