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二章 キューピットのお導き
喘ぐ……
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上体を起こした航さんは、引き出しからコンドームの箱を乱暴に取り出した。
(あ、よかった、新品だ)
私の脳は妙に冷静だった。そこ、確認するの? と自問したいくらいに。例えそれが使いかけでも文句は言えないよ。だって、これだけの技量の持ち主なんだもん。何人の女性が虜になっただろう。
まだ脱力したままの私は、動くこと諦めた。私のそばではコンドームの袋を破り装着する航さんがいる。
(あっ、わたし見ておかなくていい? それとも見ない方がいい?)
航さんの、その……アレを見ておくべきか迷っていると、準備が整った彼から脚を盛大に開かれた。
「羽七。あし、開くぞ。待てなくてごめんな」
「えっ、やぁ。見ないで」
あまりにもの、あられのないさまに私は慌てた。こんなイケメンの前で、こんなに開かなきゃいけないものなの⁉︎
「それは、無理だな」
「やだぁぁっ」
さっきイッたばかりなのに、まだ刺激を与えるの! 航さんは私の脚の間に顔を埋め、そして舌でソコに触れた。縦の溝に沿って舐め、舌先が突起をとらえチロチロと弄ぶ。
腰が、勝手に浮いたところで再び指を入れられぐっと押し広げられる。
「ぁんん」
声を出したいのにうまく出せない。ただひたすらに首を横に振り続けるだけだった。咄嗟に伸ばした手で、航さんの髪を掴むけれど指に力が入らない。これ以上続けられるとバカになりそう。それほどに脳は快感の連続で痺れていた。
「羽七……俺もう、限界。挿れるぞ」
「んっ(もう好きに、して)」
◇
航は羽七の両脚を持ち上げて腰を進める。羽七は一度達したからか快感を拾い続けてよがる。航は激しく突きつけたいのをぐっと堪え、膣口で慣らすように何度か自身の硬い塊でノックした。
「あっ、ん……はぁ、あん」
まだ挿れてもいないのに、羽七は果てるのではないかと思うほどに身を捩らせて喘いだ。航ももう本当に限界だった。
「羽七っ」
そして、航は遂にその入り口を硬く尖った己の昂りで穿った。
例えるならば、ぐぐっ、みしみしと音がしそうなほどそこはせまかった。このまま進むと羽七は辛いだろう。だからといって航自身も止めることができない。
「うっ、ああっ」
「羽七っ、くっ。なかなか厳しいなっ。力、抜ける?」
「あ、ん」
航は羽七と体を密着させて彼女の首筋を舐めたり、甘噛みを施す。ツンととんがった赤い果実のような乳首を、指の腹で押し潰したり捏ねたりする。
羽七は同時に沢山の快楽を航に与えられ、もう溺れたようにはぁはぁと息を吸う。それでもまだ、全部入らない。
ふと、羽七は瞼を開き航の顔を見た。航は辛そうに眉間に皺を寄せ、額には汗を浮かべていた。申し訳なさが込み上げてきた。
「ごめっ、なさ……」
「羽七。俺を、受け入れてっ、くれっ」
「っあ!」
ズズ……と、重い衝撃があった。
「っ、入った」
(入ったの? 全部? よかったー)
航は受け入れてくれた羽七を労うように強く抱きしめる。羽七はこれで終わりではない事は分かっている。取り敢えず第一関門を突破したにすぎない。
肩で息をする航の額やこめかみには汗が次々とにじみ始めていた。羽七は航に我慢させていると、思った。初めから今まで、航は慣れない羽七を気遣ってくれていたのだ。
「航さん?」
「うん?」
「わたし大丈夫、だから。その、処女じゃないし……動いていいから。ね?」
「ごめん。動く」
ぐぐぐと抜く動作の後、ズンッと突き上げられた。その振動は羽七の想像を超えていた。身体だけでなく、脳も揺れた気がした。
航は羽七がベッドで頭を打たないように、両手で腰を掴んでいた。しかし、気付くとベッドの背もたれに羽七の頭が当たってしまう。
(セックスって、こんなんだったっけ。え?)
「羽七、俺につかまれるか?」
羽七はシーツから手を離し、両腕を航の背中にまわした。しかし、航の胸板が厚すぎて回したはずの腕が振動ですぐに外れてしまう。その間も航の腰の動きは止まらない。
(はっ、こんなに揺れるの? うそぉ)
離れないように必死にしがみつくも、航から与えられる悦がその力を奪っていく。もう声も上手く出せない。藁をも掴む思いで、今度は首に腕を回した。
(ダメ、もう力が入らない)
羽七の胸と航の胸とがこすり合わさる度に、激しい快楽の波が押し寄せてくる。そんな最中なのに、羽七は航がどんな顔をして自分を抱いているのか気になった。
朦朧となる意識に負けまいと、目を開けて見た。航の首から胸元は汗でぐっしょりと濡れていた。顎から今にも落ちそうな汗が滴になる。
航は眉に力を入れ、眉間に皺が寄り、額には新しい汗がまた浮かぶ。その男の顔からはとんでもない色気が出ていた。
羽七は航のその男らしさに切なさと愛おしさが込み上げて、お腹の奥までそれが伝う。きゅっと、縮むような感覚が起きた。
「うっ、く……羽七!」
「ん、はぃ?」
「今のは、ワザとか?」
一瞬、航が悶絶した。そのあと、航の口角を上げた表情はなんとも言えない空気を醸し出していた。
羽七には航のワザとか、の意味が分からない。
「このタイミングで、それはねえだろっ」
「えっ? あん、あぁっ……ぁ、ぁ、ん」
◇
もうその後の事はよく覚えていない。私は確かに航さんの首にしがみついていたはずだった。たけど、その腕さえもどこに置いたか分からなくなっていた。私はただずっと、ずっと喘いでいた。喘がずにはいられなかった。
(こんなセックス、初めて……)
私はもうもたないそう思ったとき、航さんが微かに震えた。私はお腹の奥で、彼が果てたのだと分かった。分かるくらい勢いがあるって、凄くないでしょうか⁉︎
力尽きた航さんは、私の上に倒れ込んだ。
「航、さん?」
「あー、わるい。ちょっと、待ってくれ」
「……はい」
重いけれど、こういう圧迫感は心地よくて好き。あんなに私を快楽の地獄に落とした航さんは、身体中で呼吸を整えている。そんな彼が可愛らしくて、そっと抱きしめ返した。
天井は変わらぬ星たちが瞬いていた。
しばらくして航さんが体を起こして私の額にキスをした。まさかのタイミングでもらったキスが、嬉しくて恥ずかしくてこそばゆい。
(労いのキスなんてっ、悔しいくらいに完璧)
後処理をしなければならない航さんが、腰をゆっくり引き私の中から出て行った。
「――⁉︎」
こんな時までも声が出そうになるなんて、どれだけ彼のソレは大きいの!
航さんはティッシュを何枚か取り、私の方を振り返った。
「あ、自分でやります」
「いいから」
私の分まで航さんに拭かれてしまった。私はなんとか体を起こして、後処理をする彼を後ろからそっと覗きこんだ。
(ええっ、うそっ! 萎えてもそのサイズ!)
私は驚きのあまりに口元を手で押さえた。普通でこうだと、元気になった時って⁉︎
大袈裟かもしれないけれど、例えるならば私の手首くらい太いのではないかと思う。大袈裟だけど……。
(女ってすごくない? どうりで赤ちゃんが生まれてくるわけよね)
「羽七、シャワーで流すだろ? 連れて行く」
「え、歩けるよ」
「歩けるのか? じゃあ立ってみて」
航さんは本当に? と疑いながらそんなことをいう。確かに足腰はだるいけれど、歩けないわけない。私はベッドの端から足をつけて降りた。そうしたら、信じられないくらいストンと床に座り込んでしまった。
「えぇぇ! 嘘だよぉー」
「くくくっ。羽七は頑張ったもんな。行くぞ」
私は航さんから抱き上げられて、そのままバスルームへ移動した。
(体が驚いてる。あんなすごいセックスしたことなかったもん)
「羽七? もっと飯食えよ。軽すぎる」
「え? そんなことないよ。普通だよ」
「身長と体重言ってみな」
「えっと……155センチの43キロ、です」
「それは痩せ過ぎだ。羽七くらいの身長なら50キロはあっていい」
「病院の先生みたいなこと言ってる」
「俺、体育大の出だからさ。つい」
「体育大学なの! 素敵」
ああ、航さんの素敵要素がまた増えてしまった。それに比べ私なんて、本当に普通。
今夜の私はまるで処女のように何もできなかった。本当ならフェラをしたり、もっと彼のために積極的に動くべきだったのでないかって反省してしまう。
私は見事に萎えた腰のせいで浴室の淵につかまり、膝をついている。そんな私にシャワーを当てて流してくれる優しい航さん。
申し訳ないやら、情けないやらで気持ちも萎える。
「航さん……」
「どうした」
「わたしって、最初から航さんの手を煩ってばかり。雨の日とか、あと生理の時も。そして、今も」
私がそういうと、航さんは後ろから抱きしめてくれた。
「好きでやってるって言ったよな」
「そうだけど」
でもその好きが、いつか面倒くさいに変わる日が来るかもしれない。
捨てられるという惨めな結末はいや。だから私が努力するしかない。
「羽七、俺は嬉しいんだよ。俺を受け入れてくれてありがとう」
「どう、いたしまし、て」
「ふははっ。やっぱり羽七はイイな! イイぞっ」
何がいいのか分からないけれど、嬉しそうに航さんは私をぎゅうぎゅう抱きしめる。今はその幸せを味わおう。そして近い将来、私からお返しができたらいいなと思う。
もちろんそれは、ベッドの上で。
(もう一回、あの雑誌が読みたい!)
『特集! 男の喘ぎ声を引き出す方法』
まさか本当に手引きを必要とする日が来るとは思わなかった。だって私は、元カノたちよりも一味違うものを身につけねばならないから!
なにごとも勉強! 勉強!
(あ、よかった、新品だ)
私の脳は妙に冷静だった。そこ、確認するの? と自問したいくらいに。例えそれが使いかけでも文句は言えないよ。だって、これだけの技量の持ち主なんだもん。何人の女性が虜になっただろう。
まだ脱力したままの私は、動くこと諦めた。私のそばではコンドームの袋を破り装着する航さんがいる。
(あっ、わたし見ておかなくていい? それとも見ない方がいい?)
航さんの、その……アレを見ておくべきか迷っていると、準備が整った彼から脚を盛大に開かれた。
「羽七。あし、開くぞ。待てなくてごめんな」
「えっ、やぁ。見ないで」
あまりにもの、あられのないさまに私は慌てた。こんなイケメンの前で、こんなに開かなきゃいけないものなの⁉︎
「それは、無理だな」
「やだぁぁっ」
さっきイッたばかりなのに、まだ刺激を与えるの! 航さんは私の脚の間に顔を埋め、そして舌でソコに触れた。縦の溝に沿って舐め、舌先が突起をとらえチロチロと弄ぶ。
腰が、勝手に浮いたところで再び指を入れられぐっと押し広げられる。
「ぁんん」
声を出したいのにうまく出せない。ただひたすらに首を横に振り続けるだけだった。咄嗟に伸ばした手で、航さんの髪を掴むけれど指に力が入らない。これ以上続けられるとバカになりそう。それほどに脳は快感の連続で痺れていた。
「羽七……俺もう、限界。挿れるぞ」
「んっ(もう好きに、して)」
◇
航は羽七の両脚を持ち上げて腰を進める。羽七は一度達したからか快感を拾い続けてよがる。航は激しく突きつけたいのをぐっと堪え、膣口で慣らすように何度か自身の硬い塊でノックした。
「あっ、ん……はぁ、あん」
まだ挿れてもいないのに、羽七は果てるのではないかと思うほどに身を捩らせて喘いだ。航ももう本当に限界だった。
「羽七っ」
そして、航は遂にその入り口を硬く尖った己の昂りで穿った。
例えるならば、ぐぐっ、みしみしと音がしそうなほどそこはせまかった。このまま進むと羽七は辛いだろう。だからといって航自身も止めることができない。
「うっ、ああっ」
「羽七っ、くっ。なかなか厳しいなっ。力、抜ける?」
「あ、ん」
航は羽七と体を密着させて彼女の首筋を舐めたり、甘噛みを施す。ツンととんがった赤い果実のような乳首を、指の腹で押し潰したり捏ねたりする。
羽七は同時に沢山の快楽を航に与えられ、もう溺れたようにはぁはぁと息を吸う。それでもまだ、全部入らない。
ふと、羽七は瞼を開き航の顔を見た。航は辛そうに眉間に皺を寄せ、額には汗を浮かべていた。申し訳なさが込み上げてきた。
「ごめっ、なさ……」
「羽七。俺を、受け入れてっ、くれっ」
「っあ!」
ズズ……と、重い衝撃があった。
「っ、入った」
(入ったの? 全部? よかったー)
航は受け入れてくれた羽七を労うように強く抱きしめる。羽七はこれで終わりではない事は分かっている。取り敢えず第一関門を突破したにすぎない。
肩で息をする航の額やこめかみには汗が次々とにじみ始めていた。羽七は航に我慢させていると、思った。初めから今まで、航は慣れない羽七を気遣ってくれていたのだ。
「航さん?」
「うん?」
「わたし大丈夫、だから。その、処女じゃないし……動いていいから。ね?」
「ごめん。動く」
ぐぐぐと抜く動作の後、ズンッと突き上げられた。その振動は羽七の想像を超えていた。身体だけでなく、脳も揺れた気がした。
航は羽七がベッドで頭を打たないように、両手で腰を掴んでいた。しかし、気付くとベッドの背もたれに羽七の頭が当たってしまう。
(セックスって、こんなんだったっけ。え?)
「羽七、俺につかまれるか?」
羽七はシーツから手を離し、両腕を航の背中にまわした。しかし、航の胸板が厚すぎて回したはずの腕が振動ですぐに外れてしまう。その間も航の腰の動きは止まらない。
(はっ、こんなに揺れるの? うそぉ)
離れないように必死にしがみつくも、航から与えられる悦がその力を奪っていく。もう声も上手く出せない。藁をも掴む思いで、今度は首に腕を回した。
(ダメ、もう力が入らない)
羽七の胸と航の胸とがこすり合わさる度に、激しい快楽の波が押し寄せてくる。そんな最中なのに、羽七は航がどんな顔をして自分を抱いているのか気になった。
朦朧となる意識に負けまいと、目を開けて見た。航の首から胸元は汗でぐっしょりと濡れていた。顎から今にも落ちそうな汗が滴になる。
航は眉に力を入れ、眉間に皺が寄り、額には新しい汗がまた浮かぶ。その男の顔からはとんでもない色気が出ていた。
羽七は航のその男らしさに切なさと愛おしさが込み上げて、お腹の奥までそれが伝う。きゅっと、縮むような感覚が起きた。
「うっ、く……羽七!」
「ん、はぃ?」
「今のは、ワザとか?」
一瞬、航が悶絶した。そのあと、航の口角を上げた表情はなんとも言えない空気を醸し出していた。
羽七には航のワザとか、の意味が分からない。
「このタイミングで、それはねえだろっ」
「えっ? あん、あぁっ……ぁ、ぁ、ん」
◇
もうその後の事はよく覚えていない。私は確かに航さんの首にしがみついていたはずだった。たけど、その腕さえもどこに置いたか分からなくなっていた。私はただずっと、ずっと喘いでいた。喘がずにはいられなかった。
(こんなセックス、初めて……)
私はもうもたないそう思ったとき、航さんが微かに震えた。私はお腹の奥で、彼が果てたのだと分かった。分かるくらい勢いがあるって、凄くないでしょうか⁉︎
力尽きた航さんは、私の上に倒れ込んだ。
「航、さん?」
「あー、わるい。ちょっと、待ってくれ」
「……はい」
重いけれど、こういう圧迫感は心地よくて好き。あんなに私を快楽の地獄に落とした航さんは、身体中で呼吸を整えている。そんな彼が可愛らしくて、そっと抱きしめ返した。
天井は変わらぬ星たちが瞬いていた。
しばらくして航さんが体を起こして私の額にキスをした。まさかのタイミングでもらったキスが、嬉しくて恥ずかしくてこそばゆい。
(労いのキスなんてっ、悔しいくらいに完璧)
後処理をしなければならない航さんが、腰をゆっくり引き私の中から出て行った。
「――⁉︎」
こんな時までも声が出そうになるなんて、どれだけ彼のソレは大きいの!
航さんはティッシュを何枚か取り、私の方を振り返った。
「あ、自分でやります」
「いいから」
私の分まで航さんに拭かれてしまった。私はなんとか体を起こして、後処理をする彼を後ろからそっと覗きこんだ。
(ええっ、うそっ! 萎えてもそのサイズ!)
私は驚きのあまりに口元を手で押さえた。普通でこうだと、元気になった時って⁉︎
大袈裟かもしれないけれど、例えるならば私の手首くらい太いのではないかと思う。大袈裟だけど……。
(女ってすごくない? どうりで赤ちゃんが生まれてくるわけよね)
「羽七、シャワーで流すだろ? 連れて行く」
「え、歩けるよ」
「歩けるのか? じゃあ立ってみて」
航さんは本当に? と疑いながらそんなことをいう。確かに足腰はだるいけれど、歩けないわけない。私はベッドの端から足をつけて降りた。そうしたら、信じられないくらいストンと床に座り込んでしまった。
「えぇぇ! 嘘だよぉー」
「くくくっ。羽七は頑張ったもんな。行くぞ」
私は航さんから抱き上げられて、そのままバスルームへ移動した。
(体が驚いてる。あんなすごいセックスしたことなかったもん)
「羽七? もっと飯食えよ。軽すぎる」
「え? そんなことないよ。普通だよ」
「身長と体重言ってみな」
「えっと……155センチの43キロ、です」
「それは痩せ過ぎだ。羽七くらいの身長なら50キロはあっていい」
「病院の先生みたいなこと言ってる」
「俺、体育大の出だからさ。つい」
「体育大学なの! 素敵」
ああ、航さんの素敵要素がまた増えてしまった。それに比べ私なんて、本当に普通。
今夜の私はまるで処女のように何もできなかった。本当ならフェラをしたり、もっと彼のために積極的に動くべきだったのでないかって反省してしまう。
私は見事に萎えた腰のせいで浴室の淵につかまり、膝をついている。そんな私にシャワーを当てて流してくれる優しい航さん。
申し訳ないやら、情けないやらで気持ちも萎える。
「航さん……」
「どうした」
「わたしって、最初から航さんの手を煩ってばかり。雨の日とか、あと生理の時も。そして、今も」
私がそういうと、航さんは後ろから抱きしめてくれた。
「好きでやってるって言ったよな」
「そうだけど」
でもその好きが、いつか面倒くさいに変わる日が来るかもしれない。
捨てられるという惨めな結末はいや。だから私が努力するしかない。
「羽七、俺は嬉しいんだよ。俺を受け入れてくれてありがとう」
「どう、いたしまし、て」
「ふははっ。やっぱり羽七はイイな! イイぞっ」
何がいいのか分からないけれど、嬉しそうに航さんは私をぎゅうぎゅう抱きしめる。今はその幸せを味わおう。そして近い将来、私からお返しができたらいいなと思う。
もちろんそれは、ベッドの上で。
(もう一回、あの雑誌が読みたい!)
『特集! 男の喘ぎ声を引き出す方法』
まさか本当に手引きを必要とする日が来るとは思わなかった。だって私は、元カノたちよりも一味違うものを身につけねばならないから!
なにごとも勉強! 勉強!
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