19 / 57
エピローグ
しおりを挟む
エピローグ
ここからは後日談だ。
俺が目覚めたときアーマデウスさんとかマシス爺ちゃんとかも飛び込んできて、俺が目覚めたことを喜んでくれた。
で、なぜか俺の足が治っているのを見て首をひねった。
この時神様に直してもらった。とか言えばよかったんだが俺も馬鹿正直に『神様に治し方を教えてもらった』とか言っちゃったもんだからさあ大変。
俺が回復魔法っぽい何かが使えることを知ったマシス爺ちゃんは高らかに宣言した。
「お前さんは今日から儂の弟子じゃ」
これは決定事項で揺るがないらしい。
俺はアーマデウスさんとマシス爺ちゃんから武術と医術を教わることになった。
マシス爺ちゃんていうのは大医王とか言って、ものすごい回復医術の名人なんだそうだ。それで先代の国王の親友で戦友。
現在の国王の師匠の一人。
なんか昔すごい功績を上げて貴族に列せられ、そしてその医術のうでを買われて『特務公爵』とかいう地位にいるらしい。
これって特務大尉とかと同じようなものみたい。
治療行為に関しては国王の次に問答無用で偉い。という地位らしい。なので特務公爵。
でこの辺りは爺ちゃんの領地だ。
別に本当の領地というのでもないらしいんだ。
ぶっちゃけ王家の直轄地のような場所で、支援の責任者が爺ちゃんということになっているからここも名目上マシス・ノバ特務公爵の領地という扱いになる。
でなんでこういう話をしたかというと俺がぶっ倒れている五日間でかなり激動の変化があったからだ。
まず門番の二人が処刑された。
えぇぇぇぇっ、てな感じでびっくりだ。
「あやつらは公爵家からの禄をもらって門番をやって居った。言ってみれば公爵家の兵士じゃ。公爵家の兵士が民を見捨てて逃げるなどあってはならんことじゃ」
つまり敵前逃亡で銃殺、みたいなやつだった。
これが村人のボランティアとか、持ち回りとかならまあ、仕方がないという話になるらしいのだが、プロが守るべき民を見捨ててはだめ。
ここら辺は村長が少しでも公爵家から金を搾り取ろうと知恵を絞った結果だったらしい。
完全に裏目ったな。
その村長だが、こちらも死んだ。
あの事件の後、誰が封印石を壊したか。という話になったらしい。
その時に村長が『村の無能者のリウがやった』とか言い出したらしいのだ。
だけどその時俺はアーマデウスさんと一緒だったし、俺にはほとんどの時間誰か彼かが付いていたから俺でないことは明白。
つまり村長は嘘をついているわけだ。
みんなも知っている通りやったのはクラシビア少年だったから多分庇おうとしたんだよね。でもこれも裏目に出た。
何も知らないならそもそも嘘をつく必要もないわけで、嘘をつく以上何かを知っている。
すぐに拘束され、村長宅の座敷牢に閉じ込められ取り調べを受けることになったのだ。
「お前は誰があれをやったか知っているだろう」
てなもんだ。
かたくなに黙っていた村長だったが転機が訪れる。
それが門番をやっていた村長の息子二人の処刑。
息子二人の死を告げられた村長はその日のうちに『自分が封印石を壊してしまった。申し訳なかった』と遺書を残して首を吊ったのだった。
マシス爺ちゃんは知ってか知らずかこの段階でこの調査を打ち切った。
多分最初の段階で嘘をつかなかったら問題にしたりはしなかったのじゃないか。と俺は思うね。
そして残された嫁さん二人とクラ君は村を出ていったそうだ。
この村では暮らしにくいだろう。
嫁さんの実家は別の村なのでそこを頼っていくといっていたそうだ。
まあ、がんばれ。人生これからだ。
さて、あのタタリが封印されていた洞穴だが…なんと迷宮になってしまった。
長年染みついた澱んだ魔力があそこをゆがめてしまっていたのだ。
迷宮というのが何かという話になるんだが、これはよくわからない。でも狂った魔物が際限なくわいてきたりする不思議空間。
いろいろな不思議現象の起こる怪奇空間。
つまり迷惑スポット?
一度こうなると常に狂った魔物を退治し続けないと外にあふれだしたりするらしいので大変なようだ。
まあ、悪いことばかりじゃない。
迷宮には魔石がある。
魔力を帯びた石だな。
これが実にいろいろ役にたつ。
他にもミスリルとか魔鉄とかの魔法金属なんかも採掘できる。
いい稼ぎになるらしい。
冒険者の稼ぎ場だな。
というわけでこの村にめでたく冒険者ギルドができることになりました。
初代ギルドマスターはなんとアーマデウスさん。
マシス・ノバ特務公爵の肝いりだ。
「見たところ魔石的にも有望だし魔力水が豊富だ。冒険者たちが集まると思うのである」
とか言ってた。
で、そのアーマデウスさんだが、なんと、なんとなんと、お母ちゃんと結婚することになった。
きゃーーーーーーっ!
まあ、最初からちょっといい雰囲気だったし、俺が倒れている間にそれは忙しく働きつつもお母ちゃんへの気遣いを欠かさなかったらしい。
お母ちゃんは『リウしだい』といっていたが、まあね、お母ちゃんも若いし、子供の世話ばかりではないだろう。
それに俺ってば師匠ズのせいで忙しくてあまりお母ちゃんにかまってあげられないからね。
ここらでお母ちゃんの幸せを考えるべきなんじゃなかろうか。
中身がガキじゃないからな。
公爵様も当分はここに住み着くというし、きっとこの端っこの村も発展していくのだろうと思う。
まあ、とりあえずはこんなところだな。
俺は師匠二人に指導を受けつつ将来のために努力、努力の毎日だ。
できればまったりした毎日になるといいなあ、なんて思うけど、まあ、それはその後の展開として、とりあえずはこれにて一巻の終わり。
機会があったらより成長した俺のことを話したりしようかな。なんて思うけど、さて、どうなるか。
もしまた会えたら応援してくれ。
じゃーなーーーーっ
《じゃーなですよーーーっ》
ここからは後日談だ。
俺が目覚めたときアーマデウスさんとかマシス爺ちゃんとかも飛び込んできて、俺が目覚めたことを喜んでくれた。
で、なぜか俺の足が治っているのを見て首をひねった。
この時神様に直してもらった。とか言えばよかったんだが俺も馬鹿正直に『神様に治し方を教えてもらった』とか言っちゃったもんだからさあ大変。
俺が回復魔法っぽい何かが使えることを知ったマシス爺ちゃんは高らかに宣言した。
「お前さんは今日から儂の弟子じゃ」
これは決定事項で揺るがないらしい。
俺はアーマデウスさんとマシス爺ちゃんから武術と医術を教わることになった。
マシス爺ちゃんていうのは大医王とか言って、ものすごい回復医術の名人なんだそうだ。それで先代の国王の親友で戦友。
現在の国王の師匠の一人。
なんか昔すごい功績を上げて貴族に列せられ、そしてその医術のうでを買われて『特務公爵』とかいう地位にいるらしい。
これって特務大尉とかと同じようなものみたい。
治療行為に関しては国王の次に問答無用で偉い。という地位らしい。なので特務公爵。
でこの辺りは爺ちゃんの領地だ。
別に本当の領地というのでもないらしいんだ。
ぶっちゃけ王家の直轄地のような場所で、支援の責任者が爺ちゃんということになっているからここも名目上マシス・ノバ特務公爵の領地という扱いになる。
でなんでこういう話をしたかというと俺がぶっ倒れている五日間でかなり激動の変化があったからだ。
まず門番の二人が処刑された。
えぇぇぇぇっ、てな感じでびっくりだ。
「あやつらは公爵家からの禄をもらって門番をやって居った。言ってみれば公爵家の兵士じゃ。公爵家の兵士が民を見捨てて逃げるなどあってはならんことじゃ」
つまり敵前逃亡で銃殺、みたいなやつだった。
これが村人のボランティアとか、持ち回りとかならまあ、仕方がないという話になるらしいのだが、プロが守るべき民を見捨ててはだめ。
ここら辺は村長が少しでも公爵家から金を搾り取ろうと知恵を絞った結果だったらしい。
完全に裏目ったな。
その村長だが、こちらも死んだ。
あの事件の後、誰が封印石を壊したか。という話になったらしい。
その時に村長が『村の無能者のリウがやった』とか言い出したらしいのだ。
だけどその時俺はアーマデウスさんと一緒だったし、俺にはほとんどの時間誰か彼かが付いていたから俺でないことは明白。
つまり村長は嘘をついているわけだ。
みんなも知っている通りやったのはクラシビア少年だったから多分庇おうとしたんだよね。でもこれも裏目に出た。
何も知らないならそもそも嘘をつく必要もないわけで、嘘をつく以上何かを知っている。
すぐに拘束され、村長宅の座敷牢に閉じ込められ取り調べを受けることになったのだ。
「お前は誰があれをやったか知っているだろう」
てなもんだ。
かたくなに黙っていた村長だったが転機が訪れる。
それが門番をやっていた村長の息子二人の処刑。
息子二人の死を告げられた村長はその日のうちに『自分が封印石を壊してしまった。申し訳なかった』と遺書を残して首を吊ったのだった。
マシス爺ちゃんは知ってか知らずかこの段階でこの調査を打ち切った。
多分最初の段階で嘘をつかなかったら問題にしたりはしなかったのじゃないか。と俺は思うね。
そして残された嫁さん二人とクラ君は村を出ていったそうだ。
この村では暮らしにくいだろう。
嫁さんの実家は別の村なのでそこを頼っていくといっていたそうだ。
まあ、がんばれ。人生これからだ。
さて、あのタタリが封印されていた洞穴だが…なんと迷宮になってしまった。
長年染みついた澱んだ魔力があそこをゆがめてしまっていたのだ。
迷宮というのが何かという話になるんだが、これはよくわからない。でも狂った魔物が際限なくわいてきたりする不思議空間。
いろいろな不思議現象の起こる怪奇空間。
つまり迷惑スポット?
一度こうなると常に狂った魔物を退治し続けないと外にあふれだしたりするらしいので大変なようだ。
まあ、悪いことばかりじゃない。
迷宮には魔石がある。
魔力を帯びた石だな。
これが実にいろいろ役にたつ。
他にもミスリルとか魔鉄とかの魔法金属なんかも採掘できる。
いい稼ぎになるらしい。
冒険者の稼ぎ場だな。
というわけでこの村にめでたく冒険者ギルドができることになりました。
初代ギルドマスターはなんとアーマデウスさん。
マシス・ノバ特務公爵の肝いりだ。
「見たところ魔石的にも有望だし魔力水が豊富だ。冒険者たちが集まると思うのである」
とか言ってた。
で、そのアーマデウスさんだが、なんと、なんとなんと、お母ちゃんと結婚することになった。
きゃーーーーーーっ!
まあ、最初からちょっといい雰囲気だったし、俺が倒れている間にそれは忙しく働きつつもお母ちゃんへの気遣いを欠かさなかったらしい。
お母ちゃんは『リウしだい』といっていたが、まあね、お母ちゃんも若いし、子供の世話ばかりではないだろう。
それに俺ってば師匠ズのせいで忙しくてあまりお母ちゃんにかまってあげられないからね。
ここらでお母ちゃんの幸せを考えるべきなんじゃなかろうか。
中身がガキじゃないからな。
公爵様も当分はここに住み着くというし、きっとこの端っこの村も発展していくのだろうと思う。
まあ、とりあえずはこんなところだな。
俺は師匠二人に指導を受けつつ将来のために努力、努力の毎日だ。
できればまったりした毎日になるといいなあ、なんて思うけど、まあ、それはその後の展開として、とりあえずはこれにて一巻の終わり。
機会があったらより成長した俺のことを話したりしようかな。なんて思うけど、さて、どうなるか。
もしまた会えたら応援してくれ。
じゃーなーーーーっ
《じゃーなですよーーーっ》
14
お気に入りに追加
171
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
日本列島、時震により転移す!
黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
精霊のお仕事
ぼん@ぼおやっじ
ファンタジー
【完結】
オレは前世の記憶を思い出した。
あの世で、ダメじゃん。
でもそこにいたのは地球で慣れ親しんだ神様。神様のおかげで復活がなったが…今世の記憶が飛んでいた。
まあ、オレを拾ってくれたのはいい人達だしオレは彼等と家族になって新しい人生を生きる。
ときどき神様の依頼があったり。
わけのわからん敵が出てきたりする。
たまには人間を蹂躙したりもする。?
まあいいか。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
元魔王おじさん
うどんり
ファンタジー
激務から解放されようやく魔王を引退したコーラル。
人間の住む地にて隠居生活を送ろうとお引越しを敢行した。
本人は静かに生活を送りたいようだが……さてどうなることやら。
戦いあり。ごはんあり。
細かいことは気にせずに、元魔王のおじさんが自由奔放に日常を送ります。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
前世では伝説の魔法使いと呼ばれていた子爵令嬢です。今度こそのんびり恋に生きようと思っていたら、魔王が復活して世界が混沌に包まれてしまいました
柚木ゆず
ファンタジー
――次の人生では恋をしたい!!――
前世でわたしは10歳から100歳になるまでずっと魔法の研究と開発に夢中になっていて、他のことは一切なにもしなかった。
100歳になってようやくソレに気付いて、ちょっと後悔をし始めて――。『他の人はどんな人生を過ごしてきたのかしら?』と思い妹に会いに行って話を聞いているうちに、わたしも『恋』をしたくなったの。
だから転生魔法を作ってクリスチアーヌという子爵令嬢に生まれ変わって第2の人生を始め、やがて好きな人ができて、なんとその人と婚約をできるようになったのでした。
――妹は婚約と結婚をしてから更に人生が薔薇色になったって言っていた。薔薇色の日々って、どんなものなのかしら――。
婚約を交わしたわたしはワクワクしていた、のだけれど……。そんな時突然『魔王』が復活して、この世が混沌に包まれてしまったのでした……。
((魔王なんかがいたら、落ち着いて過ごせないじゃないのよ! 邪魔をする者は、誰であろうと許さない。大好きな人と薔薇色の日々を過ごすために、これからアンタを討ちにいくわ……!!))
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
ステータス画面がバグったのでとりあえず叩きます!!
カタナヅキ
ファンタジー
ステータ画面は防御魔法?あらゆる攻撃を画面で防ぐ異色の魔術師の物語!!
祖父の遺言で魔女が暮らす森に訪れた少年「ナオ」は一冊の魔導書を渡される。その魔導書はかつて異界から訪れたという人間が書き記した代物であり、ナオは魔導書を読み解くと視界に「ステータス画面」なる物が現れた。だが、何故か画面に表示されている文字は無茶苦茶な羅列で解読ができず、折角覚えた魔法なのに使い道に悩んだナオはある方法を思いつく。
「よし、とりあえず叩いてみよう!!」
ステータス画面を掴んでナオは悪党や魔物を相手に叩き付け、時には攻撃を防ぐ防具として利用する。世界でただ一人の「ステータス画面」の誤った使い方で彼は成り上がる。
※ステータスウィンドウで殴る、防ぐ、空を飛ぶ異色のファンタジー!!
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
ようこそ異世界へ!うっかりから始まる異世界転生物語
Eunoi
ファンタジー
本来12人が異世界転生だったはずが、神様のうっかりで異世界転生に巻き込まれた主人公。
チート能力をもらえるかと思いきや、予定外だったため、チート能力なし。
その代わりに公爵家子息として異世界転生するも、まさかの没落→島流し。
さぁ、どん底から這い上がろうか
そして、少年は流刑地より、王政が当たり前の国家の中で、民主主義国家を樹立することとなる。
少年は英雄への道を歩き始めるのだった。
※第4章に入る前に、各話の改定作業に入りますので、ご了承ください。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
【完結】魔術師なのはヒミツで薬師になりました
すみ 小桜(sumitan)
ファンタジー
ティモシーは、魔術師の少年だった。人には知られてはいけないヒミツを隠し、薬師(くすし)の国と名高いエクランド国で薬師になる試験を受けるも、それは年に一度の王宮専属薬師になる試験だった。本当は普通の試験でよかったのだが、見事に合格を果たす。見た目が美少女のティモシーは、トラブルに合うもまだ平穏な方だった。魔術師の組織の影がちらつき、彼は次第に大きな運命に飲み込まれていく……。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
異世界へ行って帰って来た
バルサック
ファンタジー
ダンジョンの出現した日本で、じいさんの形見となった指輪で異世界へ行ってしまった。
そして帰って来た。2つの世界を往来できる力で様々な体験をする神須勇だった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる