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第三章 文化体育発表会編
文化体育発表会のフィナーレに降る炎の花。
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じゅう。
緋色の小ネズミが変化した『降り落ちる炎の花』に、高く掲げた花束の白い花弁が触れるなり、確かにそうなるだろうな、と納得する音が鳴った。
やばい‥‥炎に当たった花が焦げた。
すなわち、それはわたしが来賓や王国の要人の頭上に炎の雨を降らせる暴挙に出たと云うことになってしまう大問題が発生しているということだ。
まずいわ――――!!!
うろたえる私を余所に、いくつもの炎の花が勿体振るように、考えなしのわたしの所業を見せ付けるように降り落りてきて‥―――空中でピタリと動きを止めた。
「ちっ‥‥。」
聞こえてきた苛立たしげな舌打ちは、出演者側で花束をわたしと同じように掲げているギリムから発せられたものだ。
ギリム!ナイス――!!得意の魔力操作で止めてくれてるの!?ありがとぉぉぉ!!
感動にうち震えながら、謝意を込めた視線を送ると、思いっ切りうんざりしているのを微塵も隠す気も無い眇めた目で見返された。
観客は、空中で留まる炎の花にも感嘆の声を上げてるけど‥‥けどこれ、どうしよう。
「子猫ちゃん、貸しひとつねー。」
贈呈者として壇上に留まっていたポリンドが、背後でポツリと呟くのが聞こえたと思ったら、青龍が再びホールに現れ、炎の花を背に回収しながら皆の頭上を軽やかに飛び回った。
青龍は炎の花を乗せたまま、テラスへ抜ける大窓から屋外へと跳び去って行く。チカチカ灯る赤い光が学園を囲む湖の方向へ遠ざかりながら小さくなり、やがて見えなくなる。
瞬間、大歓声がホール内に満ちた。
大盛況のうちに文化体育発表会を終え、学園を出ることになった頃には、昇ったばかりの月が柔らかな蒼白い光で辺りを包み込んでいる。
何かに惹かれるように空を見上げると、宵の明星の様な一際明るい星が、空を流れる。
見間違えでなければ、それは月から流れ出たようにも見えた。
「婿、婿、婿!」
慌てて三度、願い事を唱えると、側でヘリオスが狂人を見るような慄く表情でこちらを見ている。
いや、だって流れ星ときたら願い事でしょ?
けど、その流れ星は3度願い事を唱え終えても消えず、長い光の尾を引きながら峻嶺に落ちた――様に見えた。
「お姉さま、今のは一体何なのでしょう?急に何の脈絡もなく叫ぶ言葉では無いですよね?」
「桜の君に赤いのが纏わり付いたせいなのではないですか?だから赤いの・消えろ。」
「っだぁーもぉー!急に短刀を投げるなよ!しかもしっかり急所狙って来てるよね!?僕じゃなかったら致命傷だからねー?」
軽口をたたき合いながら、至近距離から投擲された短刀を魔力を纏わせた手刀で叩き落したハディスが大きく目を剝く。流石に今回の攻撃は至近距離過ぎて鞘を持ち上げる余裕はなかったみたいで、抗議も若干の本気が含まれてる気がする。
「何でわたしの願い事から刃傷沙汰に繋がるのか理解できないんだけど。‥‥仲良いわよね。」
「違うからね!?仲良しは殺そうとかしないからね!?」
「手に入れたいものは動かなくしていましたがね。」
「「怖いから―――!!」」
オルフェンズの相変わらずの危険思想に突っ込みを入れると、ハディスと声が重なり、ヘリオスは引き攣る笑顔で固まっている。けど、オルフェンズも過去形で話しているからまぁ良いの‥‥かな?
「ほんっとうに、どこかに隠れてる暴漢とか破落戸なんかよりもうちの護衛の方が物騒な気がするのは、どうしてかしらねー?綺麗な流れ星への願い事なんて乙女らしい流れから、何で攻撃に繋がっちゃうのよ。」
「流れ星?」
急にふざけたトーンから若干の鋭さを含んだものに変わったハディスの声に、どきりとして振り返ると、鋭く息を吸う音が聞こえ、軽く目を見開いたハディスがわたしを凝視して動きを止めていた。月光を受けて柔らかく光を湛えるように見える瞳は、瞬きを忘れたかの様に、ひそやかな熱を秘めてひたすらこちらへ向けられ続ける。月光効果で何割か増しでキラキラしいハディスと至近距離でいつまでも見詰め合うなんて、流石に心臓が保たない。思い切り両手で自分の頬を叩くと、良い音が響いて幾分か気持ちがスッキリした。
うん、今わたしの頬が赤かったとしても、自分で叩いたせいだから問題なしよ!
「―――さっき空を流れ星が横切ったのよ。月のあたりから明るい星がすーっと、あの山のあたりに流れたの。」
「はっ‥‥あ、うん?そうだった、流れ星――だったね。」
急に頬っぺたをひっぱたいて気合を入れたわたしにハディスが戸惑いを隠せないみたいだ。だってごめん、わたしスマートに切り替えられないよ。条件的に対象外なんて判断していても、ちょっとしたやりとりで動揺するくらいには意識するのを未だに止められないし。もっとしっかりしないとね!
話の続きを促す様に、真面目な顔を作ってじっと視線を合わせると、若干の戸惑いを感じさせる僅かの間の後、ハディスはようやく口を開く。
「えーっと、それってまずいかもしれない‥‥。月の忌子って聞いたことある?」
「聞いたこと――あるわ、建国期には無かったけど、王国の成長期、成熟期の調査パネルで見たわ。かぐや姫の手をすり抜けて、月から零れ落ちる魔物の事をそう呼び、王国は数度その災厄に見舞われたって。」
今日見た、他グループの歴史学の発表パネルの内容を思い起こす。
「君が見たのは、多分それだ。」
彼らしくない深刻な表情が、事の重大さを物語っていた。
――――――――――――――――――――――――
第三章はこれで終了です!
いつもお読みくださりありがとうございます。
少しづつ不穏な気配が漂い出すフージュ王国。深刻な事態になりそうなのに、セレネの周囲ではオルフェンズだけでなくハディスも距離を詰めてドキドキが加速中です。
そんな中、第四章では月から女神が降臨!?――そんな感じのお話になる予定です。
緋色の小ネズミが変化した『降り落ちる炎の花』に、高く掲げた花束の白い花弁が触れるなり、確かにそうなるだろうな、と納得する音が鳴った。
やばい‥‥炎に当たった花が焦げた。
すなわち、それはわたしが来賓や王国の要人の頭上に炎の雨を降らせる暴挙に出たと云うことになってしまう大問題が発生しているということだ。
まずいわ――――!!!
うろたえる私を余所に、いくつもの炎の花が勿体振るように、考えなしのわたしの所業を見せ付けるように降り落りてきて‥―――空中でピタリと動きを止めた。
「ちっ‥‥。」
聞こえてきた苛立たしげな舌打ちは、出演者側で花束をわたしと同じように掲げているギリムから発せられたものだ。
ギリム!ナイス――!!得意の魔力操作で止めてくれてるの!?ありがとぉぉぉ!!
感動にうち震えながら、謝意を込めた視線を送ると、思いっ切りうんざりしているのを微塵も隠す気も無い眇めた目で見返された。
観客は、空中で留まる炎の花にも感嘆の声を上げてるけど‥‥けどこれ、どうしよう。
「子猫ちゃん、貸しひとつねー。」
贈呈者として壇上に留まっていたポリンドが、背後でポツリと呟くのが聞こえたと思ったら、青龍が再びホールに現れ、炎の花を背に回収しながら皆の頭上を軽やかに飛び回った。
青龍は炎の花を乗せたまま、テラスへ抜ける大窓から屋外へと跳び去って行く。チカチカ灯る赤い光が学園を囲む湖の方向へ遠ざかりながら小さくなり、やがて見えなくなる。
瞬間、大歓声がホール内に満ちた。
大盛況のうちに文化体育発表会を終え、学園を出ることになった頃には、昇ったばかりの月が柔らかな蒼白い光で辺りを包み込んでいる。
何かに惹かれるように空を見上げると、宵の明星の様な一際明るい星が、空を流れる。
見間違えでなければ、それは月から流れ出たようにも見えた。
「婿、婿、婿!」
慌てて三度、願い事を唱えると、側でヘリオスが狂人を見るような慄く表情でこちらを見ている。
いや、だって流れ星ときたら願い事でしょ?
けど、その流れ星は3度願い事を唱え終えても消えず、長い光の尾を引きながら峻嶺に落ちた――様に見えた。
「お姉さま、今のは一体何なのでしょう?急に何の脈絡もなく叫ぶ言葉では無いですよね?」
「桜の君に赤いのが纏わり付いたせいなのではないですか?だから赤いの・消えろ。」
「っだぁーもぉー!急に短刀を投げるなよ!しかもしっかり急所狙って来てるよね!?僕じゃなかったら致命傷だからねー?」
軽口をたたき合いながら、至近距離から投擲された短刀を魔力を纏わせた手刀で叩き落したハディスが大きく目を剝く。流石に今回の攻撃は至近距離過ぎて鞘を持ち上げる余裕はなかったみたいで、抗議も若干の本気が含まれてる気がする。
「何でわたしの願い事から刃傷沙汰に繋がるのか理解できないんだけど。‥‥仲良いわよね。」
「違うからね!?仲良しは殺そうとかしないからね!?」
「手に入れたいものは動かなくしていましたがね。」
「「怖いから―――!!」」
オルフェンズの相変わらずの危険思想に突っ込みを入れると、ハディスと声が重なり、ヘリオスは引き攣る笑顔で固まっている。けど、オルフェンズも過去形で話しているからまぁ良いの‥‥かな?
「ほんっとうに、どこかに隠れてる暴漢とか破落戸なんかよりもうちの護衛の方が物騒な気がするのは、どうしてかしらねー?綺麗な流れ星への願い事なんて乙女らしい流れから、何で攻撃に繋がっちゃうのよ。」
「流れ星?」
急にふざけたトーンから若干の鋭さを含んだものに変わったハディスの声に、どきりとして振り返ると、鋭く息を吸う音が聞こえ、軽く目を見開いたハディスがわたしを凝視して動きを止めていた。月光を受けて柔らかく光を湛えるように見える瞳は、瞬きを忘れたかの様に、ひそやかな熱を秘めてひたすらこちらへ向けられ続ける。月光効果で何割か増しでキラキラしいハディスと至近距離でいつまでも見詰め合うなんて、流石に心臓が保たない。思い切り両手で自分の頬を叩くと、良い音が響いて幾分か気持ちがスッキリした。
うん、今わたしの頬が赤かったとしても、自分で叩いたせいだから問題なしよ!
「―――さっき空を流れ星が横切ったのよ。月のあたりから明るい星がすーっと、あの山のあたりに流れたの。」
「はっ‥‥あ、うん?そうだった、流れ星――だったね。」
急に頬っぺたをひっぱたいて気合を入れたわたしにハディスが戸惑いを隠せないみたいだ。だってごめん、わたしスマートに切り替えられないよ。条件的に対象外なんて判断していても、ちょっとしたやりとりで動揺するくらいには意識するのを未だに止められないし。もっとしっかりしないとね!
話の続きを促す様に、真面目な顔を作ってじっと視線を合わせると、若干の戸惑いを感じさせる僅かの間の後、ハディスはようやく口を開く。
「えーっと、それってまずいかもしれない‥‥。月の忌子って聞いたことある?」
「聞いたこと――あるわ、建国期には無かったけど、王国の成長期、成熟期の調査パネルで見たわ。かぐや姫の手をすり抜けて、月から零れ落ちる魔物の事をそう呼び、王国は数度その災厄に見舞われたって。」
今日見た、他グループの歴史学の発表パネルの内容を思い起こす。
「君が見たのは、多分それだ。」
彼らしくない深刻な表情が、事の重大さを物語っていた。
――――――――――――――――――――――――
第三章はこれで終了です!
いつもお読みくださりありがとうございます。
少しづつ不穏な気配が漂い出すフージュ王国。深刻な事態になりそうなのに、セレネの周囲ではオルフェンズだけでなくハディスも距離を詰めてドキドキが加速中です。
そんな中、第四章では月から女神が降臨!?――そんな感じのお話になる予定です。
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