30 / 385
第一章 婚約破棄編
破壊力ですと?そんな物騒なものはいりません、開発力なら欲しいですが‥‥。
しおりを挟む
食堂での打ち合わせを終え、ハディスと並んで学園廊下を進んでいると、先ほど打ち合わせに参加していた令息の1人が駆け戻って来た。
「バンブリア嬢、お話ししたいことがありまして!お時間宜しいでしょうか」
元気に駆けてきた令息は、結構な距離を走ったのか息を弾ませ、頬を赤らめて、緊張の混じったぎこちない笑顔を浮かべている。
時間の経過からいって、そんなに長距離を走った訳じゃないのに、息上がりすぎじゃない?けど、緊張した感じは、商会の新人が父や母に話し掛けているのを見るみたいで微笑ましい――と眺めていたら、ハディスが無言でわたしと令息の間にすっと身体を滑り込ませて視界を遮ってきた。急な要人対応、なんで?いつも横並びのくせにどうした?
「セレネ嬢に、どんな用かな?」
「ちょっ!ただの学生相手に護衛されなくても大丈夫なんですけどっ!?」
「だよねー。ただの学生だよね」
何故か、からかい口調のハディスの意図は解らないけど、ようやく目の前からズレてくれたのだが、1人だったはずの令息は、いつの間にか3人に増えていた。正確には、1人は目の前の最初に話し掛けてきた令息。そこから少し離れて2人。3人とも何故か若干顔色が悪い。3人ともフォーレン伯爵夫人のお茶会には参加していなかったドッジボール初体験となる令息たちだ。
「どっ……どうしたの?体調が悪いから辞めたいとかそんな話かしら。わたし皆さんにとても期待しているのに……ご一緒できないのはとても悲しいわ、どうしましょう!」
慌てて言うと、ハディスが小さく舌打ちし、3人の令息はもれなく顔色が戻った。いや、通常よりも血色は良いかもしれない。
「い、いえ!そんなことありませんっ!きっとご期待に沿えるよう頑張りますので、よろしくお願いします!」
「あ、おれ……いえ私も、バンブリア嬢に認められるよう頑張ります」
「ずるいぞっ、わ・私も、今後とも、よ・よろしくお願いします!」
んん?何故か元気な挨拶いただきました。気持ちは嬉しいんだけど、何で改めて挨拶なんて?と薄っすら笑顔で小首を傾げると、令息たちの血色は益々良くなり、こちらを振り返ったハディスは逆に苦いものを飲み込んだ顔になった。え?何で。
「そ、それじゃあ、私たちはこれで失礼します!」
笑顔で挨拶されたけど、話とやらはどうなった?
そそくさと踵を返そうとした令息たちが動くと、それぞれの通学鞄に付けられたものが、ちかりと薄黄色い光を纏って揺れる。
「ちょっと待って!」
思わず呼び止めると、側のハディスも薄黄色に気付いただろうに、少し不満顔だ。良く見ると、少しずつデザインの異なるチャームが、鞄の飾りとして付いている。
「その鞄に付いているものって、何なのかしら?」
聞くと、令息達は何故か逡巡した様子を見せて、なかなか口を開いてくれない。けれど、ここで引くわけにはいかないと、じっと視線を送ると3人は互いに顔を見合わせてから、互いに肘でつつき合いつつ、少し顔を赤らめて口を開いた。
「今流行っている飾りなんですけど、願い事に効くって評判なんです」
「気になる人とのきっかけをくれるとか」
「ほんとに効果あるのかなって思ってたけど……」
何ですと!?そんな怪しいグッズが出回っているの?しかも極々淡いとはいえ『黄色』の魔力付きだし、そんなもの持ってたらメルセンツやアイリーシャの二の舞に成り兼ねないよ。
「このくらいの若者は、恋愛ごとには敏感だからねー。ご令嬢ならもっと関心が高いと思うから、飾りの普及はもっと進んでいるだろうねぇ」
「えぇぇ……」
何でもない事のように言うハディスだけれど、わたしはドン引きだ。だって、こんな物が大勢に普及していて、黄色い魔力の効果――おそらく『暴走』?に囚われたら、あちこちで婚約破棄や刃傷沙汰みたいな派手な出来事が起きても不思議じゃない。
とにかく、この目の前のドッジボール企画を成功へ導く金の卵達だけでも、黄色の呪縛から救っておかなければ!
「いいですか?みなさん。貴方たちはこれからどんどん磨かれて魅力的になるはずです。わたしがそうさせます!なので、そのような呪いごとに頼らないで、わたしを信じて、付いて来てくれませんか?そんな神頼みではなく、自らの手で掴み取ってください!」
だからそんな飾りは外して!と、胸の前で両手を組み、それぞれの瞳を見つめて訴える。
「はぅっ!」
ん?変な声が聞こえたな?そして、隣から深ーいため息が聞こえる。そして「お前たち分かってるだろうな!?」と地を這うような声でハディスが追加する。え?何で脅しているのかな?
けれど、その念押しが効いたのか令息たちは背筋をシャキッと伸ばして「分かりました――!」と叫ぶと、急いで立ち去って行った。何だか慌ただしく帰って行ったけど、元気でよろしい。黄色い飾りを使わないことに関しても理解してくれたみたいだし、これで安心してドッジボールメンバーを鍛えられるかな、と頬を緩ませてハディスを仰ぎ見る。
「みんな分かってくれたみたいで良かったですね!」
「セレネ嬢も自分の破壊力を分かって欲しいかなー?」
破壊力ですと?そんな物騒なものはいりません、開発力なら欲しいですが……。
窓から外を見ると。下校する生徒たちが正門に向かって歩いてゆくのが見える。
それぞれが学園指定の鞄を持っているが、改めて良く見ると、鞄の飾りとして付けていたり、荷物として中に入れているのか鞄の中から薄黄色い光がぼんやり仄かに漏れ出ている者が何人もいる。メルセンツの首飾りに比べると、意識して見なければ判らない程度のごく僅かの薄い黄色だ。だからこそ、今日まで気付いていなかったのだけれど……。夕日に、あちこちで照らしだされる禍々しい飾りの多さよ。
わたしとハディスは苦々しく顔を見合わせた。
まさかこんなに薄黄色が浸透しているなんてー!
「バンブリア嬢、お話ししたいことがありまして!お時間宜しいでしょうか」
元気に駆けてきた令息は、結構な距離を走ったのか息を弾ませ、頬を赤らめて、緊張の混じったぎこちない笑顔を浮かべている。
時間の経過からいって、そんなに長距離を走った訳じゃないのに、息上がりすぎじゃない?けど、緊張した感じは、商会の新人が父や母に話し掛けているのを見るみたいで微笑ましい――と眺めていたら、ハディスが無言でわたしと令息の間にすっと身体を滑り込ませて視界を遮ってきた。急な要人対応、なんで?いつも横並びのくせにどうした?
「セレネ嬢に、どんな用かな?」
「ちょっ!ただの学生相手に護衛されなくても大丈夫なんですけどっ!?」
「だよねー。ただの学生だよね」
何故か、からかい口調のハディスの意図は解らないけど、ようやく目の前からズレてくれたのだが、1人だったはずの令息は、いつの間にか3人に増えていた。正確には、1人は目の前の最初に話し掛けてきた令息。そこから少し離れて2人。3人とも何故か若干顔色が悪い。3人ともフォーレン伯爵夫人のお茶会には参加していなかったドッジボール初体験となる令息たちだ。
「どっ……どうしたの?体調が悪いから辞めたいとかそんな話かしら。わたし皆さんにとても期待しているのに……ご一緒できないのはとても悲しいわ、どうしましょう!」
慌てて言うと、ハディスが小さく舌打ちし、3人の令息はもれなく顔色が戻った。いや、通常よりも血色は良いかもしれない。
「い、いえ!そんなことありませんっ!きっとご期待に沿えるよう頑張りますので、よろしくお願いします!」
「あ、おれ……いえ私も、バンブリア嬢に認められるよう頑張ります」
「ずるいぞっ、わ・私も、今後とも、よ・よろしくお願いします!」
んん?何故か元気な挨拶いただきました。気持ちは嬉しいんだけど、何で改めて挨拶なんて?と薄っすら笑顔で小首を傾げると、令息たちの血色は益々良くなり、こちらを振り返ったハディスは逆に苦いものを飲み込んだ顔になった。え?何で。
「そ、それじゃあ、私たちはこれで失礼します!」
笑顔で挨拶されたけど、話とやらはどうなった?
そそくさと踵を返そうとした令息たちが動くと、それぞれの通学鞄に付けられたものが、ちかりと薄黄色い光を纏って揺れる。
「ちょっと待って!」
思わず呼び止めると、側のハディスも薄黄色に気付いただろうに、少し不満顔だ。良く見ると、少しずつデザインの異なるチャームが、鞄の飾りとして付いている。
「その鞄に付いているものって、何なのかしら?」
聞くと、令息達は何故か逡巡した様子を見せて、なかなか口を開いてくれない。けれど、ここで引くわけにはいかないと、じっと視線を送ると3人は互いに顔を見合わせてから、互いに肘でつつき合いつつ、少し顔を赤らめて口を開いた。
「今流行っている飾りなんですけど、願い事に効くって評判なんです」
「気になる人とのきっかけをくれるとか」
「ほんとに効果あるのかなって思ってたけど……」
何ですと!?そんな怪しいグッズが出回っているの?しかも極々淡いとはいえ『黄色』の魔力付きだし、そんなもの持ってたらメルセンツやアイリーシャの二の舞に成り兼ねないよ。
「このくらいの若者は、恋愛ごとには敏感だからねー。ご令嬢ならもっと関心が高いと思うから、飾りの普及はもっと進んでいるだろうねぇ」
「えぇぇ……」
何でもない事のように言うハディスだけれど、わたしはドン引きだ。だって、こんな物が大勢に普及していて、黄色い魔力の効果――おそらく『暴走』?に囚われたら、あちこちで婚約破棄や刃傷沙汰みたいな派手な出来事が起きても不思議じゃない。
とにかく、この目の前のドッジボール企画を成功へ導く金の卵達だけでも、黄色の呪縛から救っておかなければ!
「いいですか?みなさん。貴方たちはこれからどんどん磨かれて魅力的になるはずです。わたしがそうさせます!なので、そのような呪いごとに頼らないで、わたしを信じて、付いて来てくれませんか?そんな神頼みではなく、自らの手で掴み取ってください!」
だからそんな飾りは外して!と、胸の前で両手を組み、それぞれの瞳を見つめて訴える。
「はぅっ!」
ん?変な声が聞こえたな?そして、隣から深ーいため息が聞こえる。そして「お前たち分かってるだろうな!?」と地を這うような声でハディスが追加する。え?何で脅しているのかな?
けれど、その念押しが効いたのか令息たちは背筋をシャキッと伸ばして「分かりました――!」と叫ぶと、急いで立ち去って行った。何だか慌ただしく帰って行ったけど、元気でよろしい。黄色い飾りを使わないことに関しても理解してくれたみたいだし、これで安心してドッジボールメンバーを鍛えられるかな、と頬を緩ませてハディスを仰ぎ見る。
「みんな分かってくれたみたいで良かったですね!」
「セレネ嬢も自分の破壊力を分かって欲しいかなー?」
破壊力ですと?そんな物騒なものはいりません、開発力なら欲しいですが……。
窓から外を見ると。下校する生徒たちが正門に向かって歩いてゆくのが見える。
それぞれが学園指定の鞄を持っているが、改めて良く見ると、鞄の飾りとして付けていたり、荷物として中に入れているのか鞄の中から薄黄色い光がぼんやり仄かに漏れ出ている者が何人もいる。メルセンツの首飾りに比べると、意識して見なければ判らない程度のごく僅かの薄い黄色だ。だからこそ、今日まで気付いていなかったのだけれど……。夕日に、あちこちで照らしだされる禍々しい飾りの多さよ。
わたしとハディスは苦々しく顔を見合わせた。
まさかこんなに薄黄色が浸透しているなんてー!
0
お気に入りに追加
32
あなたにおすすめの小説
どうして私が我慢しなきゃいけないの?!~悪役令嬢のとりまきの母でした~
涼暮 月
恋愛
目を覚ますと別人になっていたわたし。なんだか冴えない異国の女の子ね。あれ、これってもしかして異世界転生?と思ったら、乙女ゲームの悪役令嬢のとりまきのうちの一人の母…かもしれないです。とりあえず婚約者が最悪なので、婚約回避のために頑張ります!
【完結】愛も信頼も壊れて消えた
miniko
恋愛
「悪女だって噂はどうやら本当だったようね」
王女殿下は私の婚約者の腕にベッタリと絡み付き、嘲笑を浮かべながら私を貶めた。
無表情で吊り目がちな私は、子供の頃から他人に誤解される事が多かった。
だからと言って、悪女呼ばわりされる筋合いなどないのだが・・・。
婚約者は私を庇う事も、王女殿下を振り払うこともせず、困った様な顔をしている。
私は彼の事が好きだった。
優しい人だと思っていた。
だけど───。
彼の態度を見ている内に、私の心の奥で何か大切な物が音を立てて壊れた気がした。
※感想欄はネタバレ配慮しておりません。ご注意下さい。
【完結】伝説の悪役令嬢らしいので本編には出ないことにしました~執着も溺愛も婚約破棄も全部お断りします!~
イトカワジンカイ
恋愛
「目には目をおおおお!歯には歯をおおおお!」
どごおおおぉっ!!
5歳の時、イリア・トリステンは虐められていた少年をかばい、いじめっ子をぶっ飛ばした結果、少年からとある書物を渡され(以下、悪役令嬢テンプレなので略)
ということで、自分は伝説の悪役令嬢であり、攻略対象の王太子と婚約すると断罪→死刑となることを知ったイリアは、「なら本編にでなやきゃいいじゃん!」的思考で、王家と関わらないことを決意する。
…だが何故か突然王家から婚約の決定通知がきてしまい、イリアは侯爵家からとんずらして辺境の魔術師ディボに押しかけて弟子になることにした。
それから12年…チートの魔力を持つイリアはその魔法と、トリステン家に伝わる気功を駆使して診療所を開き、平穏に暮らしていた。そこに王家からの使いが来て「不治の病に倒れた王太子の病気を治せ」との命令が下る。
泣く泣く王都へ戻ることになったイリアと旅に出たのは、幼馴染で兄弟子のカインと、王の使いで来たアイザック、女騎士のミレーヌ、そして以前イリアを助けてくれた騎士のリオ…
旅の途中では色々なトラブルに見舞われるがイリアはそれを拳で解決していく。一方で何故かリオから熱烈な求愛を受けて困惑するイリアだったが、果たしてリオの思惑とは?
更には何故か第一王子から執着され、なぜか溺愛され、さらには婚約破棄まで!?
ジェットコースター人生のイリアは持ち前のチート魔力と前世での知識を用いてこの苦境から立ち直り、自分を断罪した人間に逆襲できるのか?
困難を力でねじ伏せるパワフル悪役令嬢の物語!
※地学の知識を織り交ぜますが若干正確ではなかったりもしますが多めに見てください…
※ゆるゆる設定ですがファンタジーということでご了承ください…
※小説家になろう様でも掲載しております
※イラストは湶リク様に描いていただきました
【完結】悪役令嬢は何故か婚約破棄されない
miniko
恋愛
平凡な女子高生が乙女ゲームの悪役令嬢に転生してしまった。
断罪されて平民に落ちても困らない様に、しっかり手に職つけたり、自立の準備を進める。
家族の為を思うと、出来れば円満に婚約解消をしたいと考え、王子に度々提案するが、王子の反応は思っていたのと違って・・・。
いつの間にやら、王子と悪役令嬢の仲は深まっているみたい。
「僕の心は君だけの物だ」
あれ? どうしてこうなった!?
※物語が本格的に動き出すのは、乙女ゲーム開始後です。
※ご都合主義の展開があるかもです。
※感想欄はネタバレ有り/無しの振り分けをしておりません。本編未読の方はご注意下さい。
オバサンが転生しましたが何も持ってないので何もできません!
みさちぃ
恋愛
50歳近くのおばさんが異世界転生した!
転生したら普通チートじゃない?何もありませんがっ!!
前世で苦しい思いをしたのでもう一人で生きて行こうかと思います。
とにかく目指すは自由気ままなスローライフ。
森で調合師して暮らすこと!
ひとまず読み漁った小説に沿って悪役令嬢から国外追放を目指しますが…
無理そうです……
更に隣で笑う幼なじみが気になります…
完結済みです。
なろう様にも掲載しています。
副題に*がついているものはアルファポリス様のみになります。
エピローグで完結です。
番外編になります。
※完結設定してしまい新しい話が追加できませんので、以後番外編載せる場合は別に設けるかなろう様のみになります。
そろそろ前世は忘れませんか。旦那様?
氷雨そら
恋愛
結婚式で私のベールをめくった瞬間、旦那様は固まった。たぶん、旦那様は記憶を取り戻してしまったのだ。前世の私の名前を呼んでしまったのがその証拠。
そしておそらく旦那様は理解した。
私が前世にこっぴどく裏切った旦那様の幼馴染だってこと。
――――でも、それだって理由はある。
前世、旦那様は15歳のあの日、魔力の才能を開花した。そして私が開花したのは、相手の魔力を奪う魔眼だった。
しかも、その魔眼を今世まで持ち越しで受け継いでしまっている。
「どれだけ俺を弄んだら気が済むの」とか「悪い女」という癖に、旦那様は私を離してくれない。
そして二人で眠った次の朝から、なぜかかつての幼馴染のように、冷酷だった旦那様は豹変した。私を溺愛する人間へと。
お願い旦那様。もう前世のことは忘れてください!
かつての幼馴染は、今度こそ絶対幸せになる。そんな幼馴染推しによる幼馴染推しのための物語。
小説家になろうにも掲載しています。
〖完結〗その子は私の子ではありません。どうぞ、平民の愛人とお幸せに。
藍川みいな
恋愛
愛する人と結婚した…はずだった……
結婚式を終えて帰る途中、見知らぬ男達に襲われた。
ジュラン様を庇い、顔に傷痕が残ってしまった私を、彼は醜いと言い放った。それだけではなく、彼の子を身篭った愛人を連れて来て、彼女が産む子を私達の子として育てると言い出した。
愛していた彼の本性を知った私は、復讐する決意をする。決してあなたの思い通りになんてさせない。
*設定ゆるゆるの、架空の世界のお話です。
*全16話で完結になります。
*番外編、追加しました。
記憶を失くして転生しました…転生先は悪役令嬢?
ねこママ
恋愛
「いいかげんにしないかっ!」
バシッ!!
わたくしは咄嗟に、フリード様の腕に抱き付くメリンダ様を引き離さなければと手を伸ばしてしまい…頬を叩かれてバランスを崩し倒れこみ、壁に頭を強く打ち付け意識を失いました。
目が覚めると知らない部屋、豪華な寝台に…近付いてくるのはメイド? 何故髪が緑なの?
最後の記憶は私に向かって来る車のライト…交通事故?
ここは何処? 家族? 友人? 誰も思い出せない……
前世を思い出したセレンディアだが、事故の衝撃で記憶を失くしていた……
前世の自分を含む人物の記憶だけが消えているようです。
転生した先の記憶すら全く無く、頭に浮かぶものと違い過ぎる世界観に戸惑っていると……?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる