8 / 17
3.ヒロインとか興味ないので筋トレしてたのに、家族が破滅フラグを立ててしまうみたいです。
ブラックマン伯爵家暗躍の歴史の影には、家宝「3分間ヌーベル」の存在があった!
しおりを挟む翌朝、我が家では親父の怒号が響き渡っていた。
喚く親父ことブラックマン伯爵の口許は、油ものを食べたみたいにテラリと光り、顔もいつも以上に脂ぎっている気がする。
「……(朝からまた使ったのか)」
俺は、昨日初めて摂った魔法道具の姿を思い出して、ウプと口許を押さえた。
我がブラックマン伯爵家には、他人の三分を奪う魔法道具が家宝として、伝わっている。親父は昨夜の首尾を確認するために、また誰かに成り代わって王妃様が健在なことを知ったんだろう。
我がブラックマン伯爵家暗躍の歴史の影には、家宝「3分間ヌーベル」の存在がある。その名が示すように、3分間だけ新しい体験を可能にする魔法道具だ。代々家長に引き継がれるこの家宝は、一見何の変哲もない真鍮製の脚付き酒杯なのだが、なんとこれに熱々のお湯を注ぎ、願いを込めて待つと、中から何本もの縮れた長い触手がニョキニョキと溢れ出す。ハッキリ言ってグロい。
だが、そのビジュアルへの嫌悪を乗り越えて触手を摂り込めば、3分間だけ望み通りの他人の意識を乗っ取って、動けるようになるのだ。
勿論、そのように強い魔法道具だから、使用による反作用は起きる。多量の縮れ麵――いや、触手を取り込んだことによるカロリー過多だ。
ブラックマン伯爵は、俺が物心ついた時から、でっぷりと太っていたが、「3分間ヌーベル」を摂取し過ぎた影響であるのは間違いない。一体どれだけ食ったんだ!?
そのおかげで、我が家の犯罪歴は、裁かれることなく、大小様々な悪事を繰り返して、暗澹と延び続けている。破滅フラグを回避したいのに、実家がこれじゃあヤバ過ぎる。
――だから最近の俺は、邪魔できそうな犯罪は、ひっそりと妨害することにしていた。
0
お気に入りに追加
6
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。


シチュボ(女性向け)
身喰らう白蛇
恋愛
自発さえしなければ好きに使用してください。
アドリブ、改変、なんでもOKです。
他人を害することだけはお止め下さい。
使用報告は無しで商用でも練習でもなんでもOKです。
Twitterやコメント欄等にリアクションあるとむせながら喜びます✌︎︎(´ °∀︎°`)✌︎︎ゲホゴホ
💚催眠ハーレムとの日常 - マインドコントロールされた女性たちとの日常生活
XD
恋愛
誰からも拒絶される内気で不細工な少年エドクは、人の心を操り、催眠術と精神支配下に置く不思議な能力を手に入れる。彼はこの力を使って、夢の中でずっと欲しかったもの、彼がずっと愛してきた美しい女性たちのHAREMを作り上げる。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
クールな生徒会長のオンとオフが違いすぎるっ!?
ブレイブ
恋愛
政治家、資産家の子供だけが通える高校。上流高校がある。上流高校の一年生にして生徒会長。神童燐は普段は冷静に動き、正確な指示を出すが、家族と、恋人、新の前では

手が届かないはずの高嶺の花が幼馴染の俺にだけベタベタしてきて、あと少しで我慢も限界かもしれない
みずがめ
恋愛
宮坂葵は可愛くて気立てが良くて社長令嬢で……あと俺の幼馴染だ。
葵は学内でも屈指の人気を誇る女子。けれど彼女に告白をする男子は数える程度しかいなかった。
なぜか? 彼女が高嶺の花すぎたからである。
その美貌と肩書に誰もが気後れしてしまう。葵に告白する数少ない勇者も、ことごとく散っていった。
そんな誰もが憧れる美少女は、今日も俺と二人きりで無防備な姿をさらしていた。
幼馴染だからって、とっくに体つきは大人へと成長しているのだ。彼女がいつまでも子供気分で困っているのは俺ばかりだった。いつかはわからせなければならないだろう。
……本当にわからせられるのは俺の方だということを、この時点ではまだわかっちゃいなかったのだ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる